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「わたしに会うための1600キロ」 [映画]

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〔2014年/アメリカ〕


最愛の母を亡くし、
男とドラッグに溺れるシェリル(リース・ウィザースプーン)は、
一念発起する。


アメリカ西海岸を縦断する砂漠の中の自然歩道、
「PCT(パシフィック・クレスト・トレイル)」に
挑戦しようと決めたのだ。


その道のりは1600キロ。
何の経験もなく、
何の知識もない、
ど素人のシェリルは、
リュックに、詰め込めるだけの物を詰め、
歩き出す。


しかし、
火を起こすための燃料を間違え、
テントの設営にてこずり、
野性動物の声に怯え、
ついには、足の爪まで剥がれてしまう。


しかし、何度も挫折しそうになる気持ちを奮い立たせる。
母が自慢にしていた自分を取り戻すために・・・。





あまり期待していなかったけれど、
良い映画だった。


この邦題が良くない。
これではまるで、
一時流行った、「自分探しの旅」みたいな印象を与えてしまう。
ジュリア・ロバーツの、
「食べて、祈って、恋をして」じゃないんだからさ(笑)。
原題は「WILD」よ。
全然違うじゃないか。


それにしても、
アメリカの広い事ったら、
観ているこちらの方が、この先大丈夫なのかと、
不安になってしまう。
「TPC」は自然歩道と訳されているけれど、
ピクニック気分の歩道とは全然違う。
周囲には、砂漠や草原が続くだけ。


それでも、旅慣れている人なら、
どうって事もないんだろうけれど、
シェリルのど素人っぷりは、
歩き旅などした事のない私と変わらない(笑)。
もしも私が、同じ事をしようとしたら、
シェリルと同じか、
それ以上に鈍臭い事だろうと想像する。


シェリルはこの旅を完遂したいと思ってはいるけれど、
だからと言って、
「意地」のようなものは感じられない、
そこがいい。
途中で止めたとしても、
別にどうって事ないし、
誰に咎められるわけでもない。
止める事は簡単だけど、
続けられるなら続けよう、くらいの気持ちが、
私のような者には心地いい。


生活を大きく変える前に
旅行をするのは、
人の心の切り替えの為に、
とても良い作用があると聞いた事がある。
例えば、新婚旅行などにも、
そういった意味合いがあるという。


これは想像だけど、
この旅行のあとシェリルは、
自暴自棄になっていた生活とは縁が切れて、
母が生きていた頃のような彼女に戻れるのではないか、と、
そんな気がする。


評価 ★★★★☆

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