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「怪猫有馬御殿」 [映画]

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〔1953年/日本〕


有馬侯頼貴の側室・おこよは、
候の気持ちが新参者のおたき(入江たか子)に行っているのを感じ
激しく嫉妬していた。


おたきが平民の出で、実家が八百屋である事を理由にしては、
激しいイジメを繰り返すおこよ。
大奥の武術大会の日も、
武術の嗜みのないおたきを無理に出場させては、
皆の前で恥をかかせる。


しかし候は、そんなおこよを叱り、
増々おたきにのめり込む結果となる。
おこよの怒りは頂点に達する。


おこよと、彼女に加勢する女たちは、
ついにおたきを自殺と見せかて殺す。


死んだおたきの血を、
おたきが可愛がっていた猫が
ぺちゃぺちゃと舐め・・・。





50分ほどの短い映画だけれど、
その分、余計なシーンがなく、
面白さがギュッと凝縮されたような感じ。


女って怖いわ(笑)。
一人の男を巡って、
激しい奪い合い。
いや、おたきは別に争おうとは思っていない。
彼女は大人しく、控えめな女だ。
その美しさゆえ、
男の方から寄ってくるのだから仕方がない(笑)。


しかし、そんな控えめなおたきも、
殺されたとあっては、
黙っちゃいない。
物の怪となった彼女は、
自分に手を下した女たちを、
次々殺してゆく。


その場面は、
正直、胸がすくとでもいうのか、
「おたきをいじめた事を後悔しなよ」と思ってしまう。


毎度書くけど、
いじめってのは、
こんな昔からあったのね、
っていうか、
人間が人間になった時からあったのだろうと思う。


ちょっと悲しかったのは、
生きている時はおたきに夢中だった候が、
彼女が物の怪になった途端、退治しようとする場面。
まぁ、仕方ないんだけど。


おたき役の入江たか子さんが美しい。
そして、怖い。


評価 ★★★☆☆

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