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「ナイトクローラー」 [映画]

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〔2014/アメリカ〕


金網やマンホールの蓋などを盗んでは
現金に換えているチンケな泥棒・ジェイク・ギレンホールは、
偶然遭遇した事故現場で、
カメラを回し、
それをテレビ局に売る仕事がある事を知る。


早速、小さなハンディカメラと、
警察無線の傍受機を買ったギレンホールは、
素人ながらも、それなりの動画を撮る事ができ、
それをテレビ局に持ち込む。


女性ディレクター・レネ・ルッソは、
ギレンホールの動画を買い取り、
これからも良い映像があれば買い取ってくれると言う。
特に欲しいのは、
富裕層が事件に巻き込まれた時の映像だ、とも聞かされる。


助手を雇ったギレンホールは、
不法侵入など、法律を冒しても
刺激的な映像を撮り続け、
その度にルッソは彼のビデオを高く買い付ける。


ギレンホールはより刺激の強い映像を求め、
ある夜、とんでもない暴挙に出る・・・。





これを観ながら、まず、
「必要悪」という言葉が頭に浮かぶ。


ギレンホールのしている事は、
最低なのは分かる。
しかし、日々ニュース映像を見、
時に、「衝撃スクープ」などと銘打った番組を楽しみ、
さらには、youtubeにアップされた、
ちょっと刺激的なスクープ映像を連続して見る事もある、
私を含めた多くの人に、
彼を責める資格があるのか、と。


それにしても、
所謂、「衝撃スクープ」系の映像に、
「よくこんなものが撮れたな」と思うものがあるけれども、
その謎が解けた感じ。


カメラマンは偶然そこに居合わせたんじゃない。
警察の動きを察知して、
警察より先に現場に到着して、
カメラを回しているというわけなのね。
これからその手の映像を見た時は、
この事を必ず思い出そうと思う。


ジェイク・ギレンホールの、
胡散臭い目が凄い。
常人と危ない奴のボーダーライン上ギリギリにいるような危険な男を
瞳だけで表現できる素晴らしさ。
彼ってこんなに演技が上手かったっけ?


そして、圧巻のラスト30分。
全身が心臓になったように、
ドキドキが止まらない。
ある場面を隠し撮りするギレンホールを、
さらに私が隠れて見ているような興奮、高揚感。


アカデミー賞脚本賞にノミネートされたというのも
超理解できる1本。


評価 ★★★★☆

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