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懐かしい友達を探して [できごと]

先日、某区に友人夫妻が家を新築し、
遊びに行ってきたのだけれど、
お家の住所を聞いた時、
何かが心に引っ掛かる。
何だろう何だろう・・・。


その後、そんな「引っ掛かり」の事はすっかり忘れていたのだけれど、
何かの瞬間に、「あっ!」と声が出てしまった。
思い出した。
友人夫妻が家を建てたその街は、
私の懐かしい友達、H美ちゃんの住んでいる街じゃなかったか、
たしか、そう、多分。


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H美ちゃんは、
小学校に入学して最初にできた友達。
なぜ彼女と友達になったのだろう。
たぶん、身長順に並んで前後だったとか、
そんな理由だったと思うけれど、
人見知りな私にとって、
明るいH美ちゃんはとても頼もしい存在で、大好きだった。
休み時間や放課後はいつも一緒に遊んだし、
一緒に帰った。


けれど、2年生になってすぐ、
私は別の区に転校する事になった。
H美ちゃんと離れ離れになってしまうのが悲しくて、
お手紙のやり取りだけはしていこうと固く約束した。


文通を続ける途中で
H美ちゃんも別の区に引っ越しをし、
新しい住所として教わったのが、
冒頭に書いた、友人夫妻が家を建てた、その街なのだ。


文通は高校1年まで続いた。
けれど、よくある事だけれど、
お互い、なんとなく日々の忙しさにかまけて、
やり取りは自然消滅し、
その後、彼女の事を思い出す事はたまにあっても、
手紙を出した事はない・・・。


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私が記憶しているH美ちゃんの住所が、
友人夫妻の家と本当に近所なのかを確認するために、
保管してあったお手紙を久し振りに出した。
やり取りは途絶えてしまったけれど、
お手紙だけは大事にしている。


やっぱり記憶は間違っていなかった。
友人夫妻の家とH美ちゃんの家は、
歩いて5分くらいの場所だ。
こんな偶然って、奇跡みたいだ。


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この間の休日、
私は思い切ってH美ちゃんの住所の場所に行ってみる事にした。
好奇心旺盛な、件の友人も付いてきた。
お手紙の番地の場所に、確かに一軒家は建っており、
2人で外から家を眺めたけれど、
人が住んでいる感じがしない。
空き家な印象。


私たちは隣のお蕎麦屋さんに入った。
年配のご夫婦が経営されているお店で
私はお蕎麦を注文した際、
奥さんに聞いてみた。
「ここのお隣に○○さんというご家族が住んでおられませんでしたか?」と。


奥さんは驚かれたようだけれど、
記憶をフル回転させ、
また、厨房にいるご主人にも聞きにいってくださり、
覚えている事をお話してくれた。
H美ちゃんの年や、
H美ちゃんのご両親がされていた家業や、
H美ちゃんに妹さんがいた事などが、
ピタピタと私の記憶と一致する。
間違いない、
このお蕎麦屋さんの隣の家はH美ちゃんの家だ。


けれど、ショックな事を聞く。
彼女はずいぶん前に引っ越しした事、
そして今はもう、どのに住んでいるかも知らない事。
そっか・・・。


もしもH美ちゃんが、
同じように私の事を思い出してくれて、
何らかのアクションを起こしてくれたとしても、
私もその後、何度も引っ越しをし、
今住んでいる場所には辿り着くのは無理だと思う。


もし偶然、どこかで出会ったとしても、
きっと顔を見ても分からない。
おそらく結婚されているだろうから、
名前も変わっている事だろう。


何が何でも探し出したいとか、
そんな風に思っているわけではないけれど、
もし出来るなら、会ってお話してみたい。
お手紙が途切れてしまった高校生から今までを、
どんな風に生きてきたのか、お互いに語りたい。
もう二度と会えないのかな・・・。

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