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「喧嘩も楽し」 [映画]

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〔1958年/日本〕


うどん屋「おかめ」の女主人・蝶子(ミヤコ蝶々)と、
洋食屋「ストライク軒」の店主・雄太郎(南都雄二)は、
同じ横丁にありながら、
犬猿の仲。
顔を合わせれば喧嘩ばかり。


ある日、東京の大学に進学した蝶子の娘・京子(峯京子)が
帰省するが、
実家近くの公園で不良に絡まれてしまう。


すると、カッコいい大学生が不良をやっつけてくれた。
京子と大学生は、互いに人目惚れ。
いい雰囲気になるが、
なんと、その大学生・真一は、
雄太郎の息子である事が分かる。


当然の事ながら、
蝶子も、雄太郎も2人の交際には猛反対。
さらに、京子の出生秘密が明らかとなり、
蝶子は苦悩する・・・。





実生活でも夫婦だったという、
ミヤコ蝶々と南都雄二が、
喧嘩ばかりのご近所さんを演じる。


といっても、
コテコテのコメディなのは分かりきった事で、
予定調和な笑いが続く。
2人の喧嘩は、争いというより、
夫婦漫才そのもの。


蝶子の娘が、
大学生から助けられた時点で、
これは雄太郎の息子だろうと分かり、
その後の展開も読めてくる(笑)。


でもそれでいい。
奇想天外な話なんか、
誰も求めてやしない。


京子と真一の関係は、
大阪の横丁のロミオとジュリエット?
そんな言葉が私の頭に浮かんだ(笑)。
障害が大きければ大きいほど、
恋は燃える。


一つ、どうしても知りたい事がある。
古い映画を観ていると、
たまに出てくる、「シスターボーイ」という存在。
彼らは、
女の扮装をして、女言葉を話すのだけれど、
ゲイというわけではないようで、
女が好き。


あれは何なんだろう。
当時の流行?
そんなシスターボーイが
京子に恋焦がれて迫るのだけれど、
あのような男性と恋をするのは、
ちょっと抵抗がある気がするんだけど(笑)。
だって、女同士で付き合ってるみたいじゃない?


評価 ★★★☆☆

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「ザスーラ」 [映画]

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〔2005年/アメリカ〕


6歳のダニー(ジョナ・ボボ)は、
ちょっと仲の悪い10歳の兄・ウォルター(ジョシュ・ハッチャーソン)と、
お年頃の姉・リサ(クリステン・スチュワート)と共に、
離婚した両親の家を行ったり来たりする生活。


今日もウォルターに馬鹿にされたダニーは、
地下室から古ぼけたすごろくの様な
ボードゲーム・「ザスーラ」を見つけ、
ウォルターを誘い、遊び始めた。


ねじを巻いて、ボタンを押すと、
カウンターが回り、
出た目の数だけ、自分の駒が進む。
そして、何らかのメッセージが書かれたカードが飛び出す。


そんなからくりのゲームだったが、
始めた途端、なんと彼らは家ごと
宇宙に漂う事になってしまった。


次から次へと起こるピンチ。
ゲームを終わらせなければ、
永遠に地球には帰れない。
ダニーとウォルターはどうなるのか・・・。





とても楽しかった映画、「ジュマンジ」。
これは同じ原作者が描いた、
宇宙版「ジュマンジ」といった趣の内容。


「ジュマンジ」ほどのインパクトはないけれど、
結構楽しめる。
家の周囲の様子が何かおかしいと気付いたダニーが、
玄関を開けた時、
私まで、「おぉー!」と独り言を言ってしまった。


それはもう、
手の届きそうな目の前に惑星がある、
本物の宇宙。
映画とはいえ、
ダニーが自分だったら、と想像すると、
そのショックは計り知れない。


この映画を、誰か幼い子供と一緒に観たら楽しいだろうな。
子供ならきっと、
目をキラキラさせたり、
大人以上にハラハラしたり、
その表情を見ているほうが、
面白いかもしれない。
私の周囲に、幼い子供がいないのが残念だ。


すこし話を引っ張り過ぎな気はする。
宇宙での出来事はトラブル続きで、
それなら、さっさとゲームを終わらせればいいのに、
ダニーの番と、ウォルターの番の間に、
喧嘩したり、「もうしない」と言ったり、
ちょっと面倒臭い(笑)。


公開当時、劇場で観ようと思ったのに、
機会を逸し、
結局、8年も経ってしまった。


でも、姉役をクリステン・スチュワートが演じていたのが驚きだし、
収穫とも言える。
もし劇場で観ていたら、
スチュワートは、
ただの主人公の姉役の女の子で、
名前も憶えなかっただろう。
(今調べてみたら、「パニックルーム」で、
 ジョディ・フォスターの娘役を演じたのも彼女なのね)
映画は劇場鑑賞がベストなのは分かってるけど、
時間が経ってからの自宅鑑賞も、
それはそれで楽しみがあって、悪い事ばかりではない。


原作の絵本も素晴らしかった「ジュマンジ」。
この「ザスーラ」の絵本も、
早速、図書館に予約を入れた。
早く読みたいな。


評価 ★★★☆☆

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「王将」 [映画]

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〔1948年/日本〕


明治時代。
貧乏長屋の住人、坂田三吉(阪東妻三郎)は、
将棋の天才ではあったが、
金が無い為、
家の仏壇や、娘の着物まで売って、
大会の会費を捻出している。


そんな夫に疲れ果てた女房の小春(水戸光子)は、
一時は娘と心中しようとまで思い詰めるが、
考え方を変え、三吉に付いていこうと心を決める。


三吉は目が悪く、
失明寸前であったが、
彼の将棋の能力を見込んだ眼科医・菊岡(小杉勇)らの
力添えがあり、
目の手術を受け、
ますます将棋道に精進する。


菊岡には夢があった。
それは、東京からしか輩出されていない名人を、
大阪から出したいというもので、
その力があるのは三吉だけだというのだ。


三吉と、最大のライバル・関根(滝沢修)は、
互いに切磋琢磨しながら、
何度も試合を重ねてゆくが・・・。





実在した天才棋士・坂田三吉を、
阪東妻三郎が演じた映画。
以前、三國連太郎でリメイクされた「王将」を観たけれど、
やっぱり阪妻の迫力勝ちかな。


とにかく、
この坂田三吉という人物には、
大変に惹かれるものがある。
実はこの三吉は文盲で、
書けるのは自分の名前(名字ではない)のみ。


これは私の想像だけれど、
それは、時代のせいなんじゃないだろうか。
幼い頃、丁稚奉公に出された彼は、
勉強する機会を逸してしまっただけで、
本当はめちゃくちゃ頭が良いんじゃないかと思う。


周囲の人間にも恵まれていた。
放っておけば全盲になっていた三吉に、
手術をしてくれた菊岡医師。
彼がいなかったら、
三吉はどうなっていた事か。
人の巡り合せの運を思う。


もちろん、女房の小春と娘の玉江は、
三吉の最大の理解者。


玉江は、三吉と関根のある試合で、
負けかけていた三吉が、
苦し紛れに打った手に関根が動揺し、
勝ってしまった事をちゃんと見抜き、
三吉を責めた。


三吉は怒り狂うが、
しかし、ふと我に返り、
玉江の言い分がもっともだと気付く。


うーん、それっていけない事?
不正をしたわけではないのだから、
どんな奇策でも勝ちは勝ちなのでは?
と思う私が間違っているのかな。


ラストは大変に泣ける作り。


勝新太郎が三吉を演じた「王将」もあるようだ。
しかも、小春役が中村玉緒!
いつか必ず観てみたい。


評価 ★★★☆☆

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「47RONIN」 [映画]

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〔2013年/アメリカ〕


日本が、海外との交流を遮断し、
独自の文化を築いていた頃・・・


赤穂藩藩主・浅野内匠頭(田中泯)は、
異形の者として人々から虐げられている混血の少年・カイの命を救う。
また浅野の娘・ミカもカイを差別する事なく接し、
カイは、浅野とミカに生涯の忠義を誓う。


大人になったカイ(キアヌ・リーブス)と
ミカ(柴咲コウ)は愛し合うようになるが、
浅野の家来たちは、
何年経っても、カイをあからさまに差別する態度に
変わりはなかった。


そんな中、赤穂を我が物にしようと目論む
吉良上野介(浅野忠信)は、
妖術を使う側室・ミヅキ(菊地凜子)を利用し、
浅野を乱心させ、
自分に切りかからせる。


その事件により、
浅野は切腹をさせられ、お家は取り潰し、
さらに、ミカは喪が明ける1年後に、
吉良の嫁になるように決められてしまう。


家臣・大石内蔵助(真田広之)らは、
浪人となるが、
1年後、吉良への復讐とミカ救出の為、集結する・・・。





わーい♪
仁たんよ、仁たん、
赤西仁たんよ♪
(馬鹿だね、私は(笑))


ハリウッドで「忠臣蔵」が作られて、
仁たんが出演すると知った日から、
楽しみにしていたんだ、この映画。


どうせ内容が荒唐無稽なのは、
誰が考えても分かるし、
それなら、仁たんを思い切り堪能した者勝ちじゃ、と、
(勝ち負けの問題か?(笑))、
張り切って劇場に出掛けた次第。


仁たんも色々あったからねぇ。
KAT-TUNを出たり入ったり、
デキ婚してみたりさ。


贔屓のタレントが何か騒ぎを起こした時、
「彼は悪くない!」なんて事はまるで思わず、
むしろ、
「もっと何かやらかしてくれないかな~♪」と
期待しちゃう私としては、
数々のスキャンダルは、
楽しませてもらったけど。


で、この映画、
ハーフの男が混じっている所や、
菊地凜子の妖術使いというのが、
みんなが知ってる「忠臣蔵」と違う所だけど、
結構、基本のストーリーは
それなりに押さえている感じがしたな。


お着物が、
本物の形からは外れていたのが、
違和感だったけど。
柴咲コウの着ている物もそうだけど、
なにより、浅野内匠頭の着ているものの
色にはビックリ!
赤だかピンクだか、
あんな着物を着ている侍は今まで見た事ないわ(笑)。
日本人の俳優陣は、
「これが衣装です」と渡された時、
どんな気持ちだったんだろうと想像すると、
なんだか可笑しくて。


「こんなの日本じゃない!」と、
考え出したらキリがない(笑)。
そこを許せるかどうかで、
評価が変わってくるのでしょうね。
深く考えなければ楽しめると思うけど、
どうなんでしょ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「人情紙風船」 [映画]

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〔1937年/日本〕


江戸時代。
貧乏長屋に住む浪人が縊死し、
住人達は大騒ぎ。
亡くなった人を弔ってやろうと皆で繰り出すが、
実は酒が飲みたいだけ(笑)。


長屋の住人の一人、浪人の海野又十郎は、
父の知人の侍・毛利三左衛門に、
仕事を紹介してもらおうと、
父の手紙を持って日参するが、
まるで相手にされない。


その毛利は、
質屋の白子屋の美しい娘・お駒を、
自分の上司の部下に紹介し、
自分の株を上げようと躍起になっているが、
お駒は番頭に恋している。


白子屋の用心棒をしている、
ヤクザ一家の親分・弥太五郎源七は、
長屋の住人・信三が勝手に賭場を開いている事を怒り、
信三を痛めつける。
しかし彼はそれに懲りず、
その夜も賭場を開く。


信三は源七を困らせてやろうと、
駒子を誘拐し、
又十郎の部屋に連れてゆく。
白子屋に頼まれて、
駒子を迎えにきた源七を追い返し・・・。





江戸時代を実際に生きたわけじゃないのに、
物凄くリアルな物を感じる。
当時の人々って、
本当にこんな感じだったんだろうな、と思う。


長屋に暮らす町人は、
おしなべて貧しく、
だから、たとえ葬式であっても一大イベント、
酒を飲む機会を逃しはしない。


浪人の海野又十郎は、
さすがに武士だけあって、
他の住人とは毛色が少し違うけれど、
ある意味、彼の苦しみが一番深い。


仕事を欲していても、それが叶わず、
妻は紙風船作りの内職をしている。
彼は妻を心配させまいと、
「もうすぐ決まりそうだ」と苦しい嘘まで吐く。


質屋の中の様子も、
私には大変に興味深かった。
最近、古い時代の商家の家を舞台にした映画を
よく観るのだけれど、
その場合、商家の誰かが主人公なだけに、
どうしても商家側からの主観で描かれている。


なので、この映画のように、
客観的な目で見た商家の様子が面白くて。
「番頭はんと丁稚どん」のようなわけにはいかないなと
思ったり(笑)。


喜劇でもなく、悲劇でもなく、
ただそこにある、人々の日常。
一つ思ったのは、
この時代って、人の死が、
今よりずっと身近に感じられたのかも、という事。


評価 ★★★★☆

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