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「ゼロ・グラビティ」 [映画]

zerogravity.jpg
〔2013年/アメリカ〕


宇宙空間で、スペースシャトルの
修理に当たっているサンドラ・ブロック。
ペアを組んでいるのは、
ベテラン宇宙飛行士の、ジョージ・クルーニー。


順調に思われた作業だったが、
ヒューストンの基地から連絡が入った。
「爆破されたロシアの人工衛星の破片群がそちらに向かっている」と。


連絡の通り、大量の破片が大変なスピードで流れて来、
ブロックは宇宙空間に投げ出されてしまう。
残りの酸素はほんのわずか。


通信も途絶えた。
頼るものの何もない宇宙で、
2人の地球生還へのドラマが始まる・・・。





久し振りに3Dで映画を観た。
しかもIMax。
別にこの映画だから敢えて、というわけではなく、
ちょうどいい時間に、
それしかなかったから・・・なんだけど、


結果的に、それは正解だった気がする。
あの宇宙空間を体感するのに、
3Dは大変な臨場感で、
1時間半、自分は完全にサンドラ・ブロックと
同化していたと思う。


凄いなぁ、宇宙。
当たり前だけど、
今、地球で普通にしている事が、
全くできない。
たった一つの工具でも、
手から離れたら、
どんな動きをするのか予測もつかない。


工具ならまだいい。
自分の体ですら、
自分でコントロールできない。
ちょっとした衝撃で、
自分がどこまでも吹き飛んでしまう、その恐怖。


無重力、無酸素の宇宙空間は、
ただ美しく、そこにある。
もし、あの空間で死んだら、
遺体はどうなるんだろう。
腐る?それともそのまま?
ずっと空間を彷徨い続けるんだろうか。
これは、以前から思っていた疑問。


一つだけ、強く心に決めたのは、
この先絶対、私は宇宙には行かないようにしようって事。
この映画のようなトラブルが起こったら、
私には対処できっこない。
・・・って、そんな機会、
永遠にやってこないだろうけどさ(笑)。


評価 ★★★★☆

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「ブリングリング」 [映画]

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〔2013年/アメリカ〕


ロサンゼルスの高級住宅が並ぶ地区。


ここの学校に転校してきた、
マーク(イズラエル・ブルサール)は、
初日から、ダサいと馬鹿にされ、
親切にしてくれたのは、レベッカ(ケイティ・チャン)だけ。


レベッカと意気投合したマークは、
初めてできた親友に心躍る。


ある日、あのパリス・ヒルトンが、
ラスベガスでパーティを開くと知った2人は、
留守を狙ってパリスの邸宅に侵入、
部屋を見て回り、
高価な品々に驚き、
そしてそれを盗む。


2人の「お遊び」を知った、
レベッカの友人たち、
ニッキー(エマ・ワトソン)とサム(タイッサ・ファーミガ)の姉妹と、
クロエ(クレア・ジュリアン)が、
仲間に加わり、
行動はエスカレートしてゆく。


セレブの情報を調べては、
留守宅に侵入し、
はしゃぎ、盗みを繰り返す。
見つかりっこないと、
次第に大胆になる5人だったが・・・。





セレブの邸宅に忍び込んでは、
盗みを繰り返していたティーンの集団の、
きっかけから、終わりまでを描いた物語。
なんとこれは実話なのだそうだ。


今、映画の細部を思い出しながらこれを書いているけれど、
非常識を覚悟で言うなら、
自他ともに認めるミーハーな私は、
ちょっと心ときめいちゃった事を否定できない(笑)。
(いい年して、いい加減にしろって話だけど)


というのも、
ここに出てくるパリス・ヒルトンの豪邸は、
本当に彼女の家なのだそうで、
普段は特別パリスに興味があるわけじゃないくせに、
お家の中があんな風に映れば、
やっぱり「うわー」と思ってしまう。
もちろん、
不法侵入も、泥棒も、絶対にしてはいけない事だけれど、
セレブの豪邸の中を見てみたいって気持ちは否めない。
ご本人の許可があったら、
私だって入ってみたい。


私は物欲はそれほど無いから、
ブランド物を持ち帰りたいとは、
あまり思わないけど、
オシャレしたい年頃の高校生の彼らにしたら、
それは宝の山に見えたのでしょうね。


それにしても、
セレブの家に、あんなに簡単に入れる事に驚いた。
勝手に入っても、
防犯ベルが鳴るわけでもないし、
警備の人もいない、完全な無人で。


この映画では、
若者たちは、ネットでセレブの住所を調べていたけれど、
セレブの方も、特別家を隠すという意識もないように思われる。


というのも、
ハリウッドのチャイニーズシアターの前からは、
「ビバリーヒルズのセレブのお宅巡りツアー」というのがあり、
1時間おきくらいに、バスが出ている。
(実は数年前、それに乗った(笑))。


10人くらいが乗れる、屋根の無いバスで、
「右に見えるのは、トム・クルーズのお家、
 左に見えるのは、マイケル・ジャクソンのお家でございます」
みたいな解説を聞きながら、
(実際はもっと面白おかしくだけど)
ビバリーヒルズ内を回る、3時間くらいのツアー。


アメリカ人のお上りさん、
イギリス人のカップル、韓国人男性、
そして友人と私が、そのツアーの参加者だったと記憶している。
みんなウキウキしていた(笑)。


こんなツアーが公然とあるのだから、
セレブのお家を隠すなんてきっと無理。
セレブの方も、ヒルズ内を一日中バスが走っているのは
知っているはずだし。


もし、これを読んで下さっているかたの中に、
ミーハーで、スター大好きのかたがおられたら、
ぜひ行ってみてください。
きっと楽しめますので(笑)。


と、私の思い出はいいとして、


犯罪映画を観ていて、
「どうかこの犯人たちが捕まりませんように」と
犯人側に肩入れして、
完全犯罪を願う事も多くあるけど、
この映画に関しては、
「早く捕まってほしい」と思ったのも事実。


もうこれは感覚の問題。
理屈じゃなく、
駄目なものは駄目。
そうとしか言いようがない。


評価 ★★★☆☆

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「幸せになるための恋のレシピ」 [映画]

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〔2007年/フランス〕


清掃作業員をしながら、アパートの屋根裏部屋で暮らす
オドレイ・トトゥは、
ひょんなきっかけから、同じアパートの、
豪華な部屋に住んでいる男性・ロラン・ストーケルと
親しくなる。


インフルエンザで倒れてしまったトトゥを、
ストーケルは自室に連れていってくれ、
そのままそこで休養する。
そこでトトゥは、ストーケルの部屋に居候している
ギョーム・カネと知り合う。


カネの印象は、
最初は悪かったけれど、
次第に親しくなる2人。


カネには、老人施設に入っている祖母がいたが、
彼女がホームの生活を嫌がっていると知ったトトゥは、
自分が世話をすると申し出る・・・。





最初に、トトゥとロラン・ストーケルが出会って、
お食事する場面にちょっと混乱(笑)。
トトゥの恋のお相手は、
ギョーム・カネだろうと思っていたし、
なんとなく、こういった物語って、
恋に落ちる者同士が、
最初に知り合うという思い込みがあったから。


もし、この先、トトゥとカネが出会って、
ストーケルが失恋みたいな流れになったらイヤだなと思っていたけど、
大丈夫、
彼にはちゃんと好きな人がいた。
こういった映画は、
全員が幸せにならないとスッキリしないものね(笑)。


恋愛だけでなく、
親の問題や、老人問題にまで踏み込んでいて、
ちょっと考えさせられる。
日本は、超高齢化社会に突入するとの事だけれど、
フランスの事情はどうなんだろう。


私は、西洋の方は、
ドライなその考え方から、
老後は老人施設で暮らす事を割り切っているのかなと
思っていたけれど、
意外とそうでもないのだと知った。
考えてみたら、当たり前ね。
皆が同じ考えを持っているわけじゃない。
色々な人が、色々な事情を抱えているのだもの。


トトゥはやっぱり魅力的で大好き。
この映画も、とても自然体で、
あまりお化粧っ気のない、
普通の女の子を演じていた。


ギョーム・カネは、
シェフという役柄だったけど、
物語の本筋に、その職業は、
あまり関係なかったな。


それから、
多くの方が書かれているようだけれど、
これは邦題が良くないなぁ。
しかも、パッケージの裏の、
人物相関図の説明書きも間違ってる。
(あ、もしかして、客寄せの為にわざと?)
物凄くやっつけ仕事な感じがするのだけれど、
どうなんでしょう。
いくら日本未公開作とはいえ、
せっかくオドレイ・トトゥが出ているんだから、
本当に勿体ないです。


評価 ★★★☆☆

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「東京の女」 [映画]

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〔1933年/日本〕


岡田嘉子と江川宇礼雄は、仲の良い姉弟。


岡田は江川の学費を稼ぐため、
昼は会社でタイピストとして働き、
夜は大学教授の家で、翻訳の仕事をしている。


江川には可愛い恋人・田中絹代がいる。
田中には警察官の兄がいるが、
ある日、田中は、兄から岡田に関する噂を聞く。


岡田が夜、翻訳の仕事をしているというのは嘘で、
実はいかがわしい酒場で女給をしていると言うのだ。


驚いた田中は、その事を江川に告げる。
江川はそんな事を言いに来た田中に怒り、
彼女を追い返すが、
帰ってきた岡田に、噂は本当なのかと詰問する・・・。





小津安二郎監督のサイレント映画。


仲の良い姉が、
自分の為にいかがわしい商売に身を落とした
弟の苦悩が、
画面からも伝わってくるようなリアルな作り。


恋人が、その事を告げに来た時、
彼は大変に怒るけれど、
やっぱり心のどこかで、「もしや」という気持ちがあるのでしょうね。
でなければ、一笑に付して、
相手にしなければいいのだもの。


帰ってきた姉がそれを認めた時の、
弟は激昂し、
それでも姉は、
「そんな事はどうでもいい。あなたは勉強さえしていればそれでいい」と言う。
これはもう、どちらの気持ちも分かるだけに辛い。


ラストも、救いようがない暗さ。


評価 ★★★★☆


今年は小津安二郎監督の、
生誕110年、没後50年に当たる年で、
私も10月の終わり頃から、
監督の未見の作品を集中して観る事にした。


本作、「東京の女」で、
フィルムが現存する作品を全制覇できた。
今はちょっとした達成感を感じている。


どの作品も、外れという事がなく、
殆どはとても面白く観た。
自分の中で、
「小津監督の映画だからと、無意識に評価が高くなるのか?」
と自問した事もあったけど、
決してそうではないと、今はっきりと言える。


特に、サイレント時代の作品が素晴らしい。
映画がまだ音を持たなかった時代から、
あんなに凄い作品を数々生み出した監督の力って、
どれほど凄いんだろう。


登場人物たちは皆、生き生きとした表情で、
スクリーンの中を動き回る。
声は聞こえなくても、
その気持ちは十分に伝わるリアルな感じ。
サイレント映画は難しそうという思い込みはすっかり吹き飛んだ。
フィルムが見つからない作品が、
まだ17本もあるそうで、
それがとても残念。
ただ、今ある作品の中には、
どこかの倉庫からひょっこり見つかった物もあるそうなので、
今後も、そのような事があるかもしれない。
期待して待っていようと思う。


小津監督の記録として、
全54作品を記しておきます。
(※印は、フィルムが現存しない作品)


※1927年 懺悔の刃
※1928年 若人の夢
※1928年 女房紛失
※1928年 カボチヤ
※1928年 引越し夫婦
※1928年 肉体美
※1929年 宝の山
  1929年 学生ロマンス 若き日
  1929年 和製喧嘩友達
  1929年 大学は出たけれど
※1929年 会社員生活
  1929年 突貫小僧
※1930年 結婚学入門
  1930年 朗かに歩め
  1930年 落第はしたけれど
  1930年 その夜の妻
※1930年 エロ神の怨霊
※1930年 足に触つた幸運
※1930年 お嬢さん
  1931年 淑女と髯
※1931年 美人哀愁
  1931年 東京の合唱
※1932年 春は御婦人から
  1932年 大人の見る繪本 生れてはみたけれど
  1932年 青春の夢いまいづこ
※1932年 また逢ふ日まで
  1933年 東京の女
  1933年 非常線の女
  1933年 出来ごころ
  1934年 母を恋はずや
  1934年 浮草物語
※1935年 箱入娘
  1935年 東京の宿
※1936年 大学よいとこ
  1936年 鏡獅子
  1936年 一人息子
  1937年 淑女は何を忘れたか
  1941年 戸田家の兄妹
  1942年 父ありき
  1947年 長屋紳士録
  1948年 風の中の牝雞
  1949年 晩春
  1950年 宗方姉妹
  1951年 麦秋
  1952年 お茶漬の味
  1953年 東京物語
  1956年 早春
  1957年 東京暮色
  1958年 彼岸花
  1959年 お早よう
  1959年 浮草
  1960年 秋日和
  1961年 小早川家の秋
  1962年 秋刀魚の味


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「ウォールフラワー」 [映画]

wallflower.jpg
〔2013年/アメリカ〕


内気な少年・ローガン・ラーマンは、
高校生になったものの、
なかなか学校に馴染めず、
「卒業まであと○日」と、カウントダウンするような日々。


しかし、こんな事ではいけないと、
フットボールを観戦中、
思い切って、イケメン上級生・エズラ・ミラーの隣に座り、
話し掛けてみた。


意外にもミラーはラーマンを拒否する事なく受け入れ、
ミラーの義理の妹・エマ・ワトソンまで紹介してくれた。


かくしてラーマンは、
ミラーたちと親しく付き合うようになり、
灰色だった高校生活が一転、バラ色に。


その後も、様々な出来事があり、
ミラーとワトソンの卒業の日が近づくが・・・。





スティーヴン・チュボスキーという作家さんが、
自分で書いた小説を脚本家し、
そのまま監督までしちゃったという映画。


サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」みたいな感じかな。
といっても、「ライ麦畑~」は昔読んだきりで、
完全に理解したとも言い難いから、
あまりいい加減な事は言えないけど。


学校生活に馴染めない、
ローガン・ラーマンがいい。
とっても。


卒業まで1000日以上あるのに、
その日をカウントダウンしたくなる気持ちって、
結構私の中にもあるし、
実際、した事もある。
私の場合、苦手な上司の、
定年までの日数だったけど(笑)。


地味で、ウォールフラワー(壁の花)だったラーマンが、
エズラ・ミラーとエマ・ワトソン兄妹と
親しくなれたのはとても嬉しかったし、
それでも彼が、急にふんぞり返ったりしないのが
また謙虚でよろしい。


エマ・ワトソンが、
「ハリー・ポッター」の匂いを引きずらず、
ちゃんと役に徹していたのが嬉しい。
子役から大人の女優に移行する途中で、
失敗してしまう例も沢山ある中、
彼女は中々良い感じに、
成長している気がする。


ワトソンがデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの
「カモン・アイリーン」に合わせて踊る様子なんか、
もっとずっと観ていたいと思ったし、
車の荷台で両手を広げて風を受ける様子も、
青春時代の無防備な感じに溢れていて、
とてもいいシーンだった。
(危ないけどね(笑))


遊んでばかりでなく、
それなりにお勉強をしているらしい様子も、
なんだか好感が持てる。


舞台は1991年の設定だそうで、
ケータイもなく、
音楽はカセットテープ。
それでもそれが当たり前なら、
不自由とも思わなかった時代。
たった22年しか経っていないのに、
世の中はずいぶん変わってしまったような気がする。


評価 ★★★☆☆

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