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「キャプテン・フィリップス」 [映画]

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〔2013年/アメリカ〕


アメリカのコンテナ船・「マークス・アラバマ号」は、
順調にインド洋を航行していた。
船長のリチャード・フィリップス(トム・ハンクス)は、
判断力の確かな、誠実で頼りになる男だ


アラバマ号は
海賊が跋扈する海域を進んでいる最中、
嫌な予感が的中してしまう。
武装した4人のソマリア人たちに、
乗っ取られてしまったのだ。


フィリップスは、殆どの乗組員たちを機関室に匿い、
海賊との交渉を始める。
乗組員たちの機転で、
海賊の1人が、怪我を負い、
また、1人を捕らえる事に成功する。


フィリップスは、金庫にある現金3万ドルと救命艇をやるから、
船から去れと海賊たちに言い、
海賊も、一度は聞き入れたかに見えたが、
一瞬の隙を突かれ、
フィリップスが人質となって、救命艇が発進してしまう・・・。





大変な緊迫感。
最後の最後まで気が抜けず、
早く結論が出てほしいという気持ちにさせられる。


話しはいたって簡単で、
特別な捻りは何もないけれど、
見せ方が物凄く上手いのだろう。
この内容で130分を退屈させないなんて、
本当に凄い。


トム・ハンクス演じるフィリップ船長が、
人質となって、狭い救命艇で監禁されている間の、
海賊たちとの微妙な心のやり取りが、
なんとも言えない雰囲気を作り出して、
そのあたりも、大変に見応えがある。


アメリカの国力云々というご意見もあるようだし、
私も、それは頭をよぎったけれど、
でも、そんな事にとらわれていては、
この映画に限っては楽しめない。


物凄く開き直った言い方だけど、
結局、強い国に生まれた者勝ちなんだよなぁ、と思ってしまう。
全ての国や、人が、平等であることは有り得ない。
生まれた国で人生が決まってしまう、
それはもう、どうする事もできない。


ラストは、泣いた。
なぜ泣いたのか、
理由を書けば陳腐になりそうな、
こじつけになりそうな、
一つの感情ではなく、
複雑に絡み合った感情が溢れて、涙が出た。


トム・ハンクスには、昔恋した事があって、
集中して、ビデオを観まくった時期があったのを思い出す。
全然ハンサムじゃないんだけど、
なんだか可愛くて、特に恋愛物を演じる時の表情が素晴らしかった。
最近は、そんな気持ちは消えていたけれど、
この映画の彼はいいです。
昔の恋人が立派になった姿を見たようで、
感慨無量(笑)。


一つだけご注意。
始まってわりとすぐ、
「ん?なんで私はこんなに気持ちが悪いんだ?」と、
乗り物酔いのような不快感を感じた。
考えてみれば当たり前の話で、
船を舞台にした映画で、
画面が大変に揺れている。


後ろの席の女性が席を立って、
戻ってこなかったのもそのせいだろうか。
ネットでも、同様の方がいるようだ。
そこを乗り越えると、平気だと思うので、
なんとか頑張りましょう(笑)。
良い映画なので、
途中でやめるのは勿体ないです。


評価 ★★★★☆

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