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「白夜行」 [映画]

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〔2011年/日本〕


昭和55年。
廃ビルの中で、男が殺されているのが発見される。
調べにより男は、近所の質屋の経営者・桐原だと判明。
夫婦仲は冷え切っており、
桐原にも妻にも愛人がいた事から、
事件は早期解決すると思われた。


刑事・笹垣潤三(船越英二)が
桐原の家を訪ねると、
10歳になる息子・亮司が母のアリバイを証言。
また、桐原の愛人と思われる女・西本文代(山下容莉枝)の
10歳になる娘・雪穂は、
強い意志を持った瞳で、笹垣に応対する。


数年後。
美しく成長した雪穂は、
遠戚の家の養女となり、
お嬢様学校に通っていた。
親友・川島江利子(緑友利恵)との学校生活も、
それなりに順調のように見えたが、
雪穂の周辺では、なぜか不可解な事件が多い。


一方、桐原亮司(高良健吾)は中年女に、
性を売る仕事をして生きていた。


何の関係もなさそうな2人の接点とは。
笹垣が独断で捜査を続けるうちに
辿り着いた事実とは・・・。





東野圭吾氏の「白夜行」と、
その続編と言われる「幻夜」を読んだ時の衝撃は今でも忘れられない。
どちらも大げさでなく、
興奮で息ができなくなり、
手が震えた。
早くページをめくりたい気持ちと、
先に進むのが怖ろしいような気持ちとが
せめぎ合っていた事を覚えている。


別にトリックがどうとか、
そのような事ではなかった。
一番の原因は文章力そのものだと思う。
やはり売れっ子作家になる人は違う。


その後、テレビドラマ化されたようだけれど、
そちらの方は未見なので、
今回、映像化したものを見たのは初めて。


やはり、あれほど興奮した原作だと、
映像で同じ感覚を味わうというのは、
無理に等しいと感じる。


そもそも、堀北真希って、
雪穂のイメージとちょっと違うような・・・。
彼女の事は嫌いじゃないけど、
やっぱり、役には合う合わないがある。


雪穂はもっと悪女悪女した女優さんがいい。
表面は、美しく、毅然とし、
内面は、計算し尽くしながら生きる女。
今書きながら、沢尻エリカの顔が浮かんだ。
彼女が演じていたらどうなっていただろう。


トリックというか、
話の流れも、
映像になると、なんだか陳腐に見える。
やはり東野氏の文章力が、
疑問を挟ませなかったのか、
それとも、この映画の力がそこまでなのか。


もう一度、原作を読んでみたいけれど、
あの感覚が味わえるかどうか不安で、
なかなか手が出ない。


評価 ★★★☆☆

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