「ケンとメリー 雨上がりの夜空に」 [映画]
〔2013年/日本〕
マレーシアのクアラルンプールで、
教師をしている片倉緑(北乃きい)が結婚する事を知った、
父・片倉健(竹中直人)。
妻を亡くして以来、
緑を大切に育ててきた健は、
この結婚を阻止すべく、
クアラルンプールへ向かう。
しかし、サイクロンに巻き込まれた飛行機は、
見知らぬ空港に着陸、
さらに、空港で美人の詐欺師から金を騙し取られ、
健は大パニック。
するとそこへ、
トラックに乗ったヘンテコリンな中国人、
メリー(フー・ビン)がやって来て、
健をクアラルンプールまで送ってくれると言う。
かくして、健とメリーの、
マレーシア珍道中が始まるわけだが・・・。
全編、マレーシアが舞台のコメディ。
おそらく誰もが持っている竹中直人のイメージが、
ここでも炸裂していて、
そして、それが熱帯のマレーシアの雰囲気にマッチしていて、
なかなか面白い。
最初の飛行機内の場面から、
竹中は竹中のまま、
サイクロンに巻き込まれ、
パニックになった中年男を演じていて笑える。
その時の、北乃きい演じる緑とのケータイでの会話もいい。
どうやら健は、
今まで緑が男と交際するたびに、
阻止を繰り返してきたらしく、
緑から、めっちゃ嫌われている(笑)。
その会話の弾むようなテンポが、
なんだか気持ちよくて。
そして、見知らぬ中国人との、
トラックでの旅。
観光客が絶対行かないような、
ディープなマレーシアを行くものだから、
行き先々で起こる出来事も、
健にとっては、一つ一つが驚きの連続で(笑)。
これは舞台を海外にした事が大成功かも。
日本だったら、
もっと平坦な物語になっていた気がする。
健は、RCサクセションの大ファンという事で、
いつも心に、サブタイトルでもある、
「雨上がりの夜空に」がある。
ところが、マレーシアに、
「雨上がり~」にソックリな曲があって、
メリーはそれをオリジナルだと思っている。
躍起になって、日本の曲だと説明する健。
こういう事って、
アジアでは無数にあるんだろうなぁ、と感じた。
何処かの国の曲を、
自国の言語の歌詞を付けて、勝手に歌っちゃうって。
もちろん、著作権など色々大事な事はあるんだろうけど、
なんだか目くじら立てる気にもならない、そんな事が(笑)。
竹中は全編、カツラを着用。
それがまた、上手く生かされていて笑える。
評価 ★★★☆☆