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「追跡者」 [映画]

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〔1998年/アメリカ〕


シカゴで交通事故を起こしたマーク・シェリダン(ウェズリー・スナイプス)は、
病院に運ばれるが、
そこで逮捕される。


ニューヨークで起こった殺人事件現場に、
シェリダンの指紋が残されていたのだ。


ニューヨークに飛行機で護送される事になったシェリダン。
機内は、他の囚人で満席状態。
シェリダンに付き添うのは、
連邦保安官上級代理・サミュエル・ジェラード(トミー・リー・ジョーンズ)。
囚人たちは足枷をされ、飛行機は飛び立つ。


しかし、ある事件により、
飛行機は墜落し、シェリダンは逃亡。
ジェラードは、
外交保安局捜査官・ジョン・ロイス(ロバート・ダウニー・Jr)と組んで、
ジェラードの追跡を始める。


シェリダンを追いながら、
事件を調べるうちに、
彼がハメられたのではないかと思い始めたジェラードは、
事件の核心に迫ってゆく・・・。





ハリソン・フォード主演の「逃亡者」では、
無実の罪を着せられたフォードからの立場で、
映画が描かれていたが、
こちらは、追う方の立場から、
事件を解決してゆく作品。


なので、
フォードを追っていたサミュエル・ジェラード(トミー・リー・ジョーンズ)が、
本作では主役。
私は「逃亡者」より、
こちらの方が面白いと思ったな。


まず最初の見せ場は、
飛行機の墜落シーン。
多数の囚人を乗せた飛行機が、
一般道を滑走路にして、
なんとか止まろうとするのだけれど失敗して大破する。
CGとは分かっていても、
緊張で手に汗握ってしまう。


そして、そこから逃げ出し、
なかなか捕まらない
ウェズリー・スナイプス。
スナイプスというと、
私の中では「デモリションマン」の、
冷酷無比な極悪人のイメージが強過ぎて、
今回も、残虐な殺人犯なのかと思ったけれど、
実は違うのでは・・・というのが徐々に分かってくる。


そして、「えっ!?」という展開になる。
こういう時、映画を家で観るのも悪くないなぁと思う。
劇場と違って、声が出せるものね(笑)。
巻き戻して観る事もできるし。


トミー・リー・ジョーンズって、
ごつい顔して、実はとってもひょうきんね(笑)。
登場シーンから笑える。
ここも、別の意味で「えっ!?」って感じで、
巻き戻して確認しちゃった(笑)。


その後も、
変なブタの絵柄のTシャツを着せられたり、
シリアスな中にも、楽しめる場面が時折ある。


評価 ★★★☆☆

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「ダイアナ」 [映画]

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〔2013年/イギリス〕


1995年。イギリス。


チャールズ皇太子と別居して3年の、
皇太子妃・ダイアナ(ナオミ・ワッツ)は、
孤独な日々を送っていた。


ある日、知人の夫が心臓病で倒れ、
病院に駆け付けたダイアナは、
そこで、心臓外科医のハスナット・カーン(ナヴィーン・アンドリュース)と知り合い、
心惹かれる。


パキスタン人で、
謙虚で目立つ事の嫌いなハスナットは、
ダイアナとのデートでパパラッチに追いかけられるのを嫌がり、
ダイアナは、カツラを被って、
彼とジャズクラブの演奏を楽しむなど、
逢瀬を重ねる。


やっと離婚が成立し、
地雷撲滅運動など、
精力的に活動するダイアナ。


しかし、パパラッチの取材攻勢は、
ますます過激になり、
ついにハスナットの顔写真が、
新聞の一面に大きく載ってしまう・・・。





これはノンフィクション?
本当にこの映画のような出来事が、
あったのだろうか。


ダイアナさんの事は、
好きでも嫌いでもないので、
それほど多くの事は知らない。
世界一有名で、
世界一パパラッチの追いかけられる人という印象だけが、
とても強い。


彼女の恋人は、
亡くなった時一緒にいた、
ドディ・アルファイド氏だとばかり思っていたので、
こんな恋愛話があったとは意外で。
それとも、私が不勉強なだけで、
誰もが知っている事なんだろうか。


私が「フィクション?」と思ったのは、
ダイアナとハスナットの
2人きりのシーンがとても多い事。
「聞いてたのかよっ!」と言いたくなるような、
プライベートな会話の連続で、
ハスナットがネタとして売ったか、
盗聴されてでもいない限り、
想像で脚本が書かれているとしか思えない。


この、
彼女が本当に愛したのは唯一ハスナットだけ、
みたいな描かれ方だと、
一緒にいて亡くなった、
ドディ・アルファイドが気の毒な気がしないでもない。
ダイアナが、ハスナットを忘れる為、
そして、ハスナットに自分を忘れさせる為に、
パパラッチにわざと自分とドディの写真を撮らせる場面が
何度もある。
ドディは当て馬だったって事?


それから、ダイアナが、
何度も夜の街を1人で彷徨う場面に驚く。
本当の彼女はあんな風に、外に出ていたんだろうか。
その辺もよく分からない。


同じダイアナ妃の死を描いた映画なら、
エリザベス女王の立場からそれを見た、
「クィーン」の方が、私はずっと好きかな。


そして、それよりなにより、
私が一番気になるのは、
ダイアナでも、女王でもなく、
彼女の2人の息子たち。
めったに会えない、世界一有名な母が、
パパラッチに追いかけられる様を見せつけられ、
恋愛遍歴をマスコミを通して知らされ、
彼らはどんな気持ちだったのだろう。


この「ダイアナ」も「クィーン」も、
それがテーマではないので、
息子たちは数秒しか出てこないけれども。


評価 ★★★☆☆

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「アイアン・ジャイアント」 [映画]

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〔1999年/アメリカ〕


小さな街で母親と二人暮らしの少年・ホーガースは、
ある日、鋼鉄の巨人と出会う。


巨人は宇宙から落下してきたのだが、
その衝撃で記憶をなくし、
なぜ自分が地球にいるのかが分からない。


巨人に悪意が無いと知ったホーガースは、
彼と仲良くなる。
鉄屑を燃料とする巨人を、
ホーガースはスクラップ置き場に連れて行く。
そこは、ホーガースの知り合いの男性・ディーンが、
「芸術」を創っている場所なのだ。


ところが、巨人の存在を知った政府は、
それを危険なものと考え、
攻撃をしかけてくる・・・。





アメリカのアニメ映画。


宇宙から異形の生物(この場合ロボットだけど)がやって来て、
少年と仲良くなるが、
その存在を知った政府が動き出す・・・
「ET」などと、基本の展開は同じ。


ただ、本来感情を持たないはずの、
鋼鉄の巨人が、
少年と交流する様子が、
なんとも微笑ましく、愛らしい。


小さな生き物が、
可愛らしい仕草をすると、
愛おしさを感じるのはよくある事だが、
大きすぎる生き物の仕草というのも、
それはそれで可愛いものだなと気付く。


なんといっても、
巨人は赤ちゃんみたいなもので。
言葉も、ホーガースが教えて、
少しずつ覚えてゆくし、
ホーガースが池に飛び込むと、
真似したり。


政府側のエージェントの1人、
ケントという男が大変な敵役で。


こやつはとにかくしつこい。
ストーカー並に。
軍隊の指揮官が、
巨人を悪者ではないと認めた後も、
1人勝手に、とんでもない行動に出る。
アニメとはいえ、個人の感情で、
あんなに簡単に軍隊が動かせるのは、
怖ろしいわ。
これを観た子どもさんたちが、
信じ込まなければいいけど。


希望の持てるラストがいい。
そこは子供向けらしく、ホッとできる。


評価 ★★★☆☆

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「わが恋は燃えぬ」 [映画]

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〔1949年/日本〕


明治時代。
自由民権の思想が日本中に広がっていた頃。


岡山県に住む平山英子(田中絹代)も、
男女平等を目指して、
女子解放を謳っているが、
家は昔ながらに封建的で、
両親は彼女の考えなど、理解する事もできない様子。


英子の恋人で自由党員の早瀬龍三(小沢栄太郎)は、
東京に出て、さらなる運動をすると言う。
早瀬が出立してから、
ほどなくして、英子も故郷を捨て、
早瀬の下宿を訪ねる。


ところが、早瀬の様子がおかしい。
彼は東京で藩閥政府のスパイに成り下がっていたのだ。
ショックを受ける英子であったが、
自由党の重鎮・重井憲太郎(菅井一郎)に励まされるうちに、
早瀬と別れ、
いつしか重井懇意になる。


そんな中、酷い待遇で働かされていた、
製糸工場の女工で、英子の幼馴染・千代が職場に火をつけ、
逮捕されるという事件が発生。
偶然その場にいた英子も逮捕されてしまう。


数年後、恩赦で出獄した英子は、
重井と暮らす家の二階に
千代を住まわせるが、
重井と千代が出来上がっている事に気付く・・・。





男女平等、か。
頭では分かっているけれど、
今の私にその言葉は、
イマイチ、ピンとこない。


それは、今の私の生活の中で、
男女が不平等だと感じる場面が
殆ど無いからだと思う。
むしろ、女の方が威張っている事が
多々ある気もする(笑)。


ただ、私が今のそんな生活ができるのは、
この映画のような先達さんたちがいたからでしょうし、
それに、私がたまたま今のような環境にいられるだけで、
世の中には不平等な思いをされている方も沢山おられるだろうから、
一概に、「今の世の中は」という言い方で片付く問題ではないだろうし。


それから、男女平等と一言でいっても、
やっぱりそこには違いがあるのは事実よね。


英子が岡山から出てきて、
早瀬の下宿に転がり込んだ時、
「そ、それは、僕と結婚してくれるという事?」
と聞かれるのだけれど、
「いえ、そのような事は活動が軌道に乗ってから。それまではお友達」と
彼女は答えるんだな。


その場面に私は、
「そんな無体な」という言葉が自然に頭に浮かんできたよ(笑)。
だって、英子は早瀬の部屋と
襖一枚隔てた納戸で寝泊まりすると言うのだもの。
早瀬にしてみたら、お預け食った犬のような状態じゃないか(笑)。


その後、早瀬と別れて重井と恋仲になる英子だけど、
重井と、友達の千代が出来上がる場面を見て、
これまた自然に、
「やっぱりそうなった」という言葉が浮かんできた。


いくら進歩的な考えの持ち主と標榜してはいても
重井が女を男より劣っていると考えているのは一目瞭然。
浮気現場が見つかった時、重井は、
「あの女は妾だ、端女だ」と平気な顔で言う。
女を「端女」と呼べる感覚の男に、
心からの平等の意識はないであろう。


でも重井が千代とイチャイチャしている様子は、
英子といる時よりずっと楽しそうにも見える。
男女平等は素晴らしいけど、
それだけで片付けられない事があるのも事実。


評価 ★★★☆☆

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「死霊館」 [映画]

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〔2013年/アメリカ〕


1971年。
ロジャー・ペロン(ロン・リビングストン)と妻・キャロリン(リリ・テイラー)は、
5人の娘を連れて、
郊外の一軒家に引っ越してくる。
彼らにとっては念願のマイホームで、
皆、なんとなく浮かれている。


ところが、その日から、
おかしな事が起こり始める。
家に入るのを嫌がった愛犬が、
翌朝、庭で死に、
家の全ての時計は、3時7分で止まっている。
時折、肉が腐るような匂いが漂い、
テイラーの体には、なぜかアザが絶えなくなる。


そのうちに、
超常現象は、娘たちにまで起こり始め、
何かがおかしいと気付く夫妻。


彼らは、悪魔祓いで有名な、
エド・ウォーレンと、妻のロレインに、
家を調べてほしいと懇願する。


ペロン家に着いたエドたちは、
早速調査を開始する。
透視能力のあるロレインは、
すぐにこの家に潜む、
邪悪なものを察知するが・・・。





この映画に登場する、
超常現象研究家の、
エド・ウォーレンと、妻のロレインは、
実在の人物だそうで、
ここで描かれた事件は、
彼らがかかわった事例の中でも、
最も邪悪な出来事だという事だ。


家全体が悪霊に憑りつかれているといった
設定だけれど、
封印された地下があるなど、
私は隠し部屋的なものにとっても惹かれる
傾向があって、
(時々、夢にも出てくる(笑))
そういう意味では興味深い。


古い、作り付けのクローゼットが怪しくて、
何かあると、登場人物たちは、
そこを開けて、
一杯にかけられたお洋服を除けながら、
中を探る。


そんなに気味の悪い家具なら、
お洋服は全部出しておけばいいじゃんと
思ってしまうのは、
ホラー映画鑑賞には、邪道な感想ね(笑)。


そして、ポスターにもあるけれど、
出てくるお人形が気持ち悪い。
一体誰が、あんな不気味なお人形を作ったのかと思う(笑)。
まぁ、どんなに可愛いお人形も、
シチュエーションによっては、
とても怖い存在になる場合もあるんだけど。


ラストは、ホラーとはいえ、
ホッとできる作りになっている。
なんというか、「愛は勝つ」的な。


評価 ★★★☆☆

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