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「あしたのジョー」 [映画]

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〔1970年/日本〕


他人に自分を殴らせては、
飲み代を稼いでいる中年男・丹下段平(辰巳柳太郎)は、
ある日、自分を殴った若者・矢吹丈(石橋正次)の
パンチ力に驚く。


元プロボクサーの段平は、
ジョーをボクサーに育てようと力を注ぐが、
ジョーは素行不良のため、
鑑別所送りになってしまう。


それは、
ジョーと、
宿敵・力石徹(亀石征一郎)とが
出会う事でもあった・・・。





2011年に、P山で映画化された
「あしたのジョー」は劇場で観た。
大好きだったP山。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2011-02-14


「P山でなく、山Pだろ」と、
彼を知っている方は言われるだろうが、
友人と私はもう、
彼の事はP山としか呼んでいない。
彼がNEWSを出ていった日から。
そして、彼の妹が、
その件に関して、
ブログで信じられない文章を載せた時から。


あー、もうどうでもいい。
いい年して、くだらない。
今年からは地に足のついた生活をしようではないか。
もうミーハーな話題からは卒業したい。
(無理か(笑))


で、この、石橋正次版「ジョー」。


P山の「ジョー」の
70年代の雰囲気が、
作られたものであるとするなら、
こちらは、本当の70年代。
そういう意味では、
大変にリアル。


原作の連載は73年のようだから、
連載途中で映画化された事になる。
リアルなのも当然だ。


ジョーにしても、
美しすぎるP山より、
チンピラ感がリアルに漂う石橋正次の方が、
役にハマっている気がする。
P山が鑑別所といっても、
ピンとこないけれど、
石橋正次のような人は実際にいそう(笑)。
(ごめんなさい)


力石の減量の場面は、
新旧同じだけれど、
どちらも壮絶。
あんなに体重を落として、
体にいいわけない。
力石のその後の運命にも、
ある意味、納得してしまう。


その力石、
素手で牛を殴り殺すシーンがある。
しかも1発で。
すげー!と思ったけど、
そんな事って、可能なんだろうか。
今なら、動物愛護協会から苦情が来そう。


評価 ★★★☆☆

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「ネオン・デーモン」 [映画]

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〔2016年/アメリカ〕


16歳になったばかりのジェシー(エル・ファニング)は、
モデルになる夢を叶えるべく、
地方からロサンゼルスにやって来る。


その愛らしさから、
気難しい事で有名な一流カメラマンの心を捕らえたジェシーは、
すぐに撮影に入り、
順調なスタートを切る。


そんなジェシーに、ライバルたちは嫉妬心を燃やし、
彼女を引き摺り下ろす事に必死となり、
ジェシーもまた、
無垢な心を失い、
ファッション業界の毒に染まってゆく。


ある日、ジェシーは、
ライバルたちから、ある仕打ちを受け・・・。





「デーモン」。
「邪悪」。
「毒」。


なんて心惹かれる魅惑的な言葉の数々。


エル・ファニングが大好きな事もあって、
本当に期待していた映画。


ただ、感想は、といえば、
確かに毒気は強いけど、
その毒で殺されるほどではなかったな、
という感じ。


一緒に観た友人が、観る前は、
「『ドライヴ』の監督だから楽しみ」、と言っていたのが、
観終わった後、
「確かに『ドライヴ』の監督ではあるけど、
 『オンリー・ゴッド』の監督でもあるんだよね、忘れてた」
と言ったのには、笑った。
言いたい事、分かる、って感じで。


「ドライヴ」はとても面白い映画だったけど、
「オンリー・ゴッド」は、
なんだかわけが分からなかった事を思い出す。
この「ネオン・デーモン」が、
「ドライヴ」か、「オンリー・ゴッド」か、
どちらに近いかと言えば、
「オンリー・ゴッド」だろうなぁ。


前半は、モデル業界の内幕というか、
オーディションなどの場面は、
とても興味深く見られた。


エルちゃんの、
愛らしい童顔と、
175センチだという身長のギャップが羨ましい。
一流カメラマンから、
その場で全裸になれ、と言われた彼女は、
戸惑いながらも、指示に従う。


エルちゃん、まさかのヌード!?と思ったけど、
そこは上手く撮影され、
彼女の裸が見られるような事はなかった。
残念なような、ホッとしたような(笑)。


ただ、後半が賛否が分かれる所だろうと思う。


え!嘘でしょ!?と思う場面多数。
それは意外というより、グロで。


全体を通して言えるのは、
女の嫉妬は怖い、という事ね。


評価 ★★★☆☆

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川口アパートメント [できごと]

私がこのブログで、
もう、しつこいくらいに大好きだと書いている、
俳優・川口浩様。


1987年に51歳という若さで亡くなった浩様のお姿を、
私は古い映像でしか見る事はできないけれど、
実は、彼が残したものは、
映像以外にもある。

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それは、文京区春日にある、
「川口アパートメント」。

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先日、天気も良く、
気持ちのいい日に、
お散歩がてら、
久し振りに行ってみた。

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1964年に作られたという、
このマンションは、
当時、大変にモダンで、
加賀まりこさん、安井かずみさん、
千葉真一・野際陽子ご夫妻など、
時代の最先端をいく著名人が、
多数暮らしていたという。


浩様・野添ひとみご夫妻、
そして、
浩様のご両親の
川口松太郎・三益愛子ご夫妻も、
ここに住まわれていたそうで、
ここに来ると、
浩様や野添さんの一部に触れたような、
不思議な感慨にとらわれて、
胸がときめく。





内装については、
ネットに落ちていた、
古い写真をお借りします。

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 ↑
外国製だというガスレンジや、
それまで日本にはなかった、
シャワーバスやベッドルームなど、
本当に斬新だったそう。





最近は、空室が出ると、
リノベーションしてから
入居者を募集するようで、
 ↓

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室内はとても綺麗に変わっているけれど、


私は、
古くても、不便でも、
レトロモダンな
リノベーション前の方が、
ずっと好き。





外観の写真を撮っている間にも、
住人の皆さんが、
エントランスから出入りしている。


この方々は、
ここを、川口浩様のマンションだと知って、
住む事を決めたのだろうか。
それとも、不動産屋さんに勧められたのか。


住人の方の中に、
「自分は川口浩様のマンションに住めて幸せ」
なんて思っている人は・・・・・・
きっといないよね(笑)。
でも、私は心から羨ましい。
「皆さんはお幸せですね」と、
心で声を掛けてしまう(笑)。


写真を撮っている私を、
訝し気な顔で見ているかたもいる。
当たり前だ。
人が見たら絶対不審者だ(笑)。



建てられて50年以上も経つ、
このマンションも、
必ずいつか取り壊される日が来るだろう。


そうなる前に、
ここに、短期間でもいいから住んでみたいというのは、
私の「してみたい事リスト」の中の一つだ。

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「ショコラ 君がいて、僕がいる」 [映画]

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〔2015年/フランス〕


1800年代の終り。
地方のサーカスの芸人・フティット(ジェームズ・ティエレ)は、
芸が古いと言われ、仕事を失いかけるが、
黒人の芸人・ショコラ(オマール・シー)と、
コンビを組む事で、再起に賭ける。


当時、白人と黒人がコンビを組むなど、
前代未聞。
しかし、その意外性もあって、2人の芸はバカ受けし、
パリにまで噂が届く。


サーカスの名門・ヌーヴォー・シルクにスカウトされた2人は、
パリでも大成功。
絶大な人気を誇るようになる。


ところが、今まで持った事のない大金を手にしたショコラは、
酒とギャンブルに溺れるようになる。
さらに、身分証を持たない彼は逮捕されてしまい、
拷問を受ける。


なんとか釈放されたショコラだが、
心の傷は癒えず・・・。





試写会で観た。


実話だそうだ。
その証拠(?)として、
映画のラストに、
「映画の父」と呼ばれる、
リュミエール兄弟が撮った、
フティット&ショコラの動画が観られる。


2時間、2人の人生を観てきたあとで、
そのフィルムを観ると、
「おぉ!本物」という気持ちになる。
映画の最初に持ってくるより、
ずっと効果的。


1900年前後のフランスが、
どんな感じだったのか、
私には知る由もないけど、
サーカスを観に来る観客たちのほぼ全員が、
黒人を観て驚く・・・というより、
怖がっているのが興味深い。


100年と少し前、
まだフランスはそんなものだったのか。
ショコラは、そんな観客の心理を利用して、
人食い人種として、
客席を威嚇する。
大人は逃げ、子供は恐怖に慄く。


この場面は、差別でも何でもなく、
ただただ、原始的な恐怖でしょうね。
だって、今まで見た事もない生き物(あえて、そう言います)を見たら、
怖いのは当たり前。
今でいえば、
いきなり宇宙人に会ったのと同じ感じじゃない?(笑)。


ショコラが、結構モテるのが面白い。
フティットより、ずっとずっと。
それも相手は全員、白人。


地方のサーカスにいた頃も、
可愛い団員の女の子が彼に夢中だったし、
パリに行ってからも、
女性関係には不自由しない。


男は、真面目だからモテるとも限らず、
面白い、とか、
可愛げがある、とか、
色気がある、とか、
毒気がある、とか、
そういった複合的な要素が混ざり合って、
「モテ」に繋がるのでしょうな。


・・・って、そんな事が言いたい映画じゃないんだけどね、これは(笑)。
こんな感想じゃ、
試写会に招待してくださった映画会社のかたも、
張り合いがないだろうなぁ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「ザ・コンサルタント」 [映画]

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〔2016年/アメリカ〕


幼い頃、自閉症と診断されたクリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)。


大人になったクリスチャンは、
数学に天才的な能力を発揮し、
会計士となっていた。


ある大企業から、財務調査を依頼されたクリスチャンは、
重大な不正を見つけるも、
なぜか、調査の打ち切りを宣言される。


クリスチャンはその日から、
何者かに命を狙われるようになる。
さらに、最初に不正に気付いた、
女子社員・デイナ(アナ・ケンドリック)も狙われていると知り、
彼女の元へ駆け付ける。


今、まさに、デイナを殺そうとしている男たちを、
瞬殺したクリスチャン。
彼の正体は一体・・・。





試写会で観た。


これは、どこまで書いたらいいものか。
試写の前に、映画会社さんの方から、
「感想をどんどんネットに載せて下さいね。
 ただし、ネタバレしない程度に」と言われたけれど、
色々ありすぎて、どこまでがネタバレなのか分からない。


まぁ、ベン・アフレック演じる主人公・クリスチャンが
腕利きのスナイパーだって事は、
ポスターのコピーで分かるから
書いていいんだろうけど。


クリスチャンが自閉症というのも
書いていいのか迷ったけど、
これは、彼の最大の個性であり、
これを言わずして、彼の人物像は描けないので、
記す事にした。


この、自閉症という個性が、
今までのアクション物とは、
映画の印象を全く別のものにしている。
「昼は○○、夜は○○」という作品は、
過去にも無数にあるけれど、
彼は、その個性ゆえ、
他人の事など気に掛けない、
他人の顔色を読んで、
次の行動を決めるような事もない。


そんな彼だから、
アナ・ケンドリック演じるデイナの命を守るため、
彼女のマンションに駆け付けた場面には、
ちょっと胸ときめく。


他人の事などどーでもいいクリスチャンは、
当然、女性とも無縁で生きてきた。
(ハッキリ明言した場面は無いけど、おそらく)
それが、なぜかデイナの事になると
一生懸命になる自分に、
彼自身が戸惑っているように見受けられる。


いい年したおっさんだというのに、
女性に関してはまるで中学生。
私生活で多くの女優と浮名を流してきた
ベン・アフレックが演じる役とは思えん(笑)。


ここに書いた物語は、ほんの一部で、
クリスチャンの幼少期や、
彼を極秘に捜査する、国の機関の存在が描かれる。
それらも、中々面白い。


彼の捜査をする女性捜査官の物語で、
映画が1本作れそう。


評価 ★★★☆☆

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