「ショコラ 君がいて、僕がいる」 [映画]
〔2015年/フランス〕
1800年代の終り。
地方のサーカスの芸人・フティット(ジェームズ・ティエレ)は、
芸が古いと言われ、仕事を失いかけるが、
黒人の芸人・ショコラ(オマール・シー)と、
コンビを組む事で、再起に賭ける。
当時、白人と黒人がコンビを組むなど、
前代未聞。
しかし、その意外性もあって、2人の芸はバカ受けし、
パリにまで噂が届く。
サーカスの名門・ヌーヴォー・シルクにスカウトされた2人は、
パリでも大成功。
絶大な人気を誇るようになる。
ところが、今まで持った事のない大金を手にしたショコラは、
酒とギャンブルに溺れるようになる。
さらに、身分証を持たない彼は逮捕されてしまい、
拷問を受ける。
なんとか釈放されたショコラだが、
心の傷は癒えず・・・。
試写会で観た。
実話だそうだ。
その証拠(?)として、
映画のラストに、
「映画の父」と呼ばれる、
リュミエール兄弟が撮った、
フティット&ショコラの動画が観られる。
2時間、2人の人生を観てきたあとで、
そのフィルムを観ると、
「おぉ!本物」という気持ちになる。
映画の最初に持ってくるより、
ずっと効果的。
1900年前後のフランスが、
どんな感じだったのか、
私には知る由もないけど、
サーカスを観に来る観客たちのほぼ全員が、
黒人を観て驚く・・・というより、
怖がっているのが興味深い。
100年と少し前、
まだフランスはそんなものだったのか。
ショコラは、そんな観客の心理を利用して、
人食い人種として、
客席を威嚇する。
大人は逃げ、子供は恐怖に慄く。
この場面は、差別でも何でもなく、
ただただ、原始的な恐怖でしょうね。
だって、今まで見た事もない生き物(あえて、そう言います)を見たら、
怖いのは当たり前。
今でいえば、
いきなり宇宙人に会ったのと同じ感じじゃない?(笑)。
ショコラが、結構モテるのが面白い。
フティットより、ずっとずっと。
それも相手は全員、白人。
地方のサーカスにいた頃も、
可愛い団員の女の子が彼に夢中だったし、
パリに行ってからも、
女性関係には不自由しない。
男は、真面目だからモテるとも限らず、
面白い、とか、
可愛げがある、とか、
色気がある、とか、
毒気がある、とか、
そういった複合的な要素が混ざり合って、
「モテ」に繋がるのでしょうな。
・・・って、そんな事が言いたい映画じゃないんだけどね、これは(笑)。
こんな感想じゃ、
試写会に招待してくださった映画会社のかたも、
張り合いがないだろうなぁ(笑)。
評価 ★★★☆☆