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「デッドプール」 [映画]

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〔2016年/アメリカ〕


赤いコスチュームを身に付けた、
変な男・ウエイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)は、
タクシーを走らせ、
ハイウェイの真ん中で車を止めた。
ここでウエイドと、宿敵との闘いが始まる・・・。


2年前。
好き勝手に生きていたウエイドは、
娼婦・ヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)と出会い、
すぐに激しい恋に落ちる。
2人は結婚を決意するが、
その矢先、ウエイドが末期癌に冒されていると診断されてしまう。


ショックを受けたウエイドに、
ある男が近づき、癌を治せる施設があると言われる。
藁をも掴む思いで、その施設に出向くと、
そこでは、
肉体を改造し、戦闘マシンを作るという
実験が行われていた。


不死身の体を手に入れたウエイドだが、
元々、そんな事は望んでいないうえに、
実験のせいで、肌が焼け爛れたようになってしまい、
ヴァネッサに会う事もできない。


怒り心頭のウエイドは、
自らを「デッドプール」と名付け、
施設の責任者・エイジャックス(エド・スクライン)に
復讐を誓う・・・。





試写会で観た。


と言っても、
今回は私が当選したわけではなく、
ブログのお友達のyonta*さんが当選され、
誘って下さったというわけだ。


ここの所、試写会に連続して当選しているけれど、
きっと幸運って連鎖するのね♪
yonta*さん、こんな私に声をかけてくださって、
本当にありがとうございます。
yonta*さんと友達の契りを結んでいて良かったぁ(笑)。


しかも、この「デッドプール」、
この試写会が、日本での最初の上映だと言う事で、
マスコミの取材が入り、
コスプレしている方もいっぱいで、
すごい賑わい。
ブログに写真をアップしていいと
言ってくださったので載せますね。

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で、映画の方はといえば、
このデッドプール君、
とにかくおふざけ満載のアメコミヒーローで、
ヒーロー物なのにR15というのも笑える。


映画に関する小ネタがいっぱいで、
分かるものもあれば、
分からないものもある。
個人的に一番好きだったのは、
リーアム・ニーソンの映画、「96時間」への揶揄。
「確かにそうだ」と大笑い。


2列前の席のお客さんが、
デッドプールが何を話しても爆笑しているので、
「凄いなぁ、全部分かるんだぁ」と思っていたら、
映画が終わって明るくなったら、
外国人の2人連れだった。
英語が分かれば、
きっと面白さも倍増なんだろうなぁ。
あそこまで笑えるなんて羨ましい。


実際、この映画、
アメリカで大ヒットしたそうで、
記録が次々塗り替わっているとか。
アメリカ人の心を余程刺激する、
何かがあるのだろう。


ウィキペディアを読んでみると、
デッドプールはかつて、
日本の相撲部屋に入門した事がある、と書かれている。
面白そう(笑)。
今度はその辺りを映像化してほしい。


評価 ★★★☆☆

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「エンド・オブ・キングダム」 [映画]

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〔2016年/アメリカ〕


ホワイトハウス襲撃事件から2年。
シークレットサービスのマイク(ジェラルド・バトラー)は、
大統領(アーロン・エッカート)を警護しながら、
私生活では、もうじき子供が生まれようとしている。


そんな中、イギリスの首相が亡くなった。
葬儀の為、
ロンドンに飛んだ大統領と、
マイクら数人のシークレットサービスたちだが、
式典となる会場がテロリストに襲われ、
大混乱となる。


また、ロンドン市内も次々爆破され、
町は地獄絵図に。


大統領を守りながら、
逃げるマイクだが、
なぜか彼らの行く先々がテロリストに知られ、
どこまでも追われるはめに。


大統領は助かるのか。
そして世界の運命は・・・。





試写会で観た。


3年前に観た、「エンド・オブ・ホワイトハウス」の
続編だそうだ。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2013-06-09
タイトルの通り、
前作は、ホワイトハウスが襲われるという設定だったけれど、
今回の舞台はイギリス。


「ホワイトハウス」がとにかく面白かったと記憶しているので、
こちらはどうかなと思って出掛けたけれど、
あれほどのインパクトは無かったかなぁ。


アーロン・エッカートとジェラルド・バトラーが
とくかく死なない(笑)。
この状況なら普通死ぬでしょ、って場面でも、
絶対に死なない(笑)。


この映画とは全く関係ないけど、
東日本大震災で、
原発に大変なダメージがあったと報道された時、
映画好きの友人が、
「こういう時、必ず誰かが助けてくれるものだと思ってた」と言ったのが、
今でも忘れられない。


映画脳の私たちは、
困難があると必ずヒーローが来てくれるものだと
刷り込まれてしまっている。
スーパーマンのような特殊能力の人でなくても、
「ダイ・ハード」のブルース・ウィリスや、
この映画の、ジェラルド・バトラーのような。
でも現実には、そんな人はいない。
いないんだけど、またこのような映画を観ては、
どこかにいるような気になってしまう(笑)。


ロンドンの美しい建造物が、
酷い状態になっていくのを見るのが悲しかった。
現実にこんな事が起こったら、
これはテロというより、もう戦争。


そして必ず考えさせられるのが、
復讐の連鎖。
やられたらから、やり返す。
お前らが先だ、
いや、お前らだろう・・・と、
永遠に終わる事のないループ。
私だって、「復讐は良くない」と綺麗事は言えるけど、
身内が殺されたりしたら、
そんな事を言っていられるのか、自信がないし。


イギリス首相の葬儀に参列するため、
日本の首相も出向く。
なんだか貫禄のないオッサンだったけど(笑)、
彼の運命がどうなるかは、ここには書かない。


評価 ★★★☆☆

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「伊豆の踊子」 [映画]

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〔1960年/日本〕


昭和初年。
伊豆を流して歩く旅芸人の一座。
中でも、最年少の薫(鰐淵晴子)は
大変に愛らしく、
人目を引く存在。


同じ頃、修善寺を旅していた一高生の水原(津川雅彦)も
薫が気になる。
薫が酔客から絡まれているところを助けた水原は、
一座と一緒に伊豆を旅する事にする。


薫と一緒に芸をする姉は妊娠しており、
相手の男も一座にいる。
しかし、辛い旅仕事。
体の弱い姉は流産してしまう。


また、雇いの踊子・百合子は、
小間物問屋の親父で騙され、
一座を勝手に抜け、
芸者になってしまう。


そうこうしているうちに、
水原が東京へ帰る日がやって来て・・・。





鰐淵晴子版、「伊豆の踊子」。


鰐淵晴子さんは確かに可愛い。
首も長くて、スタイルもいいと思う。
ただ、たしか鰐淵晴子さんって、ハーフ・・・よね?


別にハーフが日本人を演じても、
何も感じない時もある。
宮沢りえや沢尻エリカなど、
そんな事を最後まで感じさせない映画もあるし。


でも、昭和初期の伊豆の踊子役ってどうなのよ(笑)。
そりゃあ、伊豆の山中で、
人目を引くはずだわ(笑)。
(そういえば私は、「母子鶴」でも同じような事を書いているのを思い出した)
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2015-12-30


それだけじゃなくて、
この映画は、
「伊豆の踊子」であって「伊豆の踊子」でない、
似て非なるものとして観た方がいいかも。


一座の人間関係が原作とは微妙の違う。
義母が実母になっていたり、
義理姉が異父姉だったり、
姉のパートナーが夫でなく、
愛人だったり、と。


姉が現在妊娠中というのも、
なんだかニュアンスが違う。
その設定だと、
旅の途中で産まれた子を、
たった一週間で死なせてしまったという
姉夫婦のやるせなさが
まるで伝わってこない。


雇いの踊子・百合子の描き方も
あまりに酷い。
あれじゃ、性格悪すぎだろう(笑)。


そして、何より、決定的に違うのが、
津川雅彦演じる、一高生の性格。
なんというか、原作の彼の性格はもっと複雑で、
多少、歪んでいるのが特徴な気がするんだけど、
津川さん、屈託がなくて(笑)。


私が一番重要だと思う、
「踊子が約束していた映画に行けなくて、涙を呑む」
シーンもない。


まぁ、いいや。
鰐淵さんが可愛いから(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「無法松の一生」 [映画]

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〔1963年/日本〕


明治末期。
九州・小倉の人力車夫・富島松五郎(三國連太郎)、
通称「無法松」は、
喧嘩っ早い、暴れん坊で、
でも、純粋で一本気な男。


ある日、彼は、
怪我をした少年・敏雄を助け、
家まで送り届けたのが縁で、
敏雄の父で軍医の吉岡と、
その妻・良子(淡島千景)と親しくなる。


ところが吉岡が突然死、
残された良子は、
女手一つで敏雄を立派に育てようと決意。
無法松は、そんな良子を、
陰ながら助けてゆく。


敏雄は、
大人しく、内気な少年で、
それを歯痒く思う良子は、
厳しく彼に当たったが、
松五郎の豪快さに触発されたように、
少しずつ、闊達な青年へと成長してゆく。


熊本へ進学した敏雄が
久し振りに実家に帰ると、
無法松と良子が酒を酌み交わしていた。
敏雄は思わず、
「2人の事を他人がなんと噂しているか知っているのか」と
怒鳴りつけ・・・。





今まで4度映画化されている
「無法松の一生」。
これで全部制覇したぞ♪
嬉しい。


だけど、だ。
この、三國連太郎版「無法松」は、
他の3作と比べて、悲しすぎる。


何がって、
それはもう、敏雄の無法松への思いが
他の3作とは全然違っていて。


三國版の敏雄は、
成長するにつれ、
本気で無法松を疎ましく思うようになる。
無学で粗野な彼を、
「あの男」呼ばわりする始末。


そして、最後まで2人は
心打ち解ける事はない。
私が今まで観てきた
2人の関係とは全然違うじゃないか。


そんな事が無ければ、
「無法松の一生」も、
それなりに幸せだったのでは、と思えるけど、
この三國版では、
救いがない。
彼の一生は何だったのかと思ってしまうよ。


そして、この流れだと、
クライマックスで無法松が太鼓を叩く理由が、
全く変わってきてしまう。


どちらが原作に近いのかは分からないけど、
私はこの、
悲しすぎる三國版は好きじゃないなぁ。


評価 ★★★☆☆

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「伊豆の踊子」 [映画]

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〔1964年/日本〕


伊豆を当てもなく旅する一高生・川崎(黒沢年男)は、
途中で旅芸人の一座と行き合う。


峠の茶屋で一行と再会した川崎は、
彼らと一緒に旅する事にする。


一座の最年少の踊子・薫(内藤洋子)は愛らしく、
川崎が思っている以上に無垢で、穢れなく、
荒んでいた川崎の心は慰められる。


川崎と薫は次第に馴染んでゆき、
薫は、映画に連れていってほしいと、
川崎にせがむまでになっていったが、
薫の義母は、
それを阻止する。


川崎が東京へ帰る日、
薫は見送りにくるが、
多くは語らず、
川崎はいつまでも船上で涙を流すしかなかった・・・。





内藤洋子版の「伊豆の踊子」。


原作者の川端康成さんは、
「今までのどの『伊豆の踊子』より、素晴らしかった」と
感想を述べられたそうだ。


その後、作られたのは、
山口百恵版だけだけど、
川端さんは、公開の2年前に亡くなっている。
もし生きておられたら、
百恵版についてなんと仰るか、気になるところだ。


別に川端さんが褒めたから、というわけじゃないけど、
この内藤版、
この間観た美空ひばり版より、
何倍もよく出来ていると思った。


一座の人間関係も、
原作通りに描かれているし、
雇いの踊子・百合子も、
脇に徹している。


なにより、私が一番こだわる、
「映画に行けなくて、泣く踊子」の場面が、
きちんと表現されているのがいい。


分かるよ。
映画、行きたかったよね。
あんなに楽しみにして、
何度も何度も、約束していたのにね。


ただ、行かせなかった義母の気持ちも、
やっぱり分かる。
いくら好きになっても、
東京の学生とでは、
所詮、実らぬ恋。
深入りする前に、
周囲の大人が手を打たなくては、という親心は、
当然といえば、当然なのよね。


内藤洋子の、
おきゃんな顔立ちも、
踊子の雰囲気に合っていると思う。
美人すぎず、地味すぎず、
ちょうどいい感じ。


黒沢年男はちょっと濃すぎだけど、
まぁ、悪くはない。


評価 ★★★☆☆

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