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「愛すれど哀しく」 [映画]

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〔1971年/イタリア〕


イタリアの若い娘・ベルタ(オッタヴォア・ピッコロ)は、
パン職人のブブ(アントニオ・ファルジ)に夢中になり、
同棲する事になった。


しかし、最初は優しかったブブが次第に正体を現し、
彼はベルタに、
「街角に立って客を取れ」と
売春を強要するようになる。


ブブを愛するベルタは彼の言いなりになるが、
ある日、知り合った男・ピエロ(マッシモ・ラニエリ)が、
ベルタに恋し、
「足を洗って一緒になろう」と言ってくれる。


そんな中、ベルタが体調不良になる。
彼女は梅毒に罹ったのだ。
ベルタが入院したせいで、
ブブは金に困り、
盗みに入るが逮捕されてしまう。


退院したベルタはピエロの家に行き、
ブブが拘留されている今こそ、
真っ当になるチャンスだと、
出直しを決意するが・・・。





昨年の暮れに観て、
大変な衝撃を受けた「夜の片鱗」の
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2015-12-22
元になった映画がこれだと、
どこかのサイトに書かれていたので借りて観てみた・・・


・・・と、ここまで書いて、
調べてみたら、
あれ?変だ。
「夜の片鱗」は1964年、
この「愛すれど哀しく」は1971年の映画じゃないか。
「夜の片鱗」の方が古い。


どこでそんな情報を見たのかと、
探してみたら、
確かに書いてあるサイトがある。
しかも、「原作者が同じ」とまで書かれている。
うーん、どういう事なんだろう。
「夜の~」の原作者は太田経子さんで、
「愛すれど~」の原作者はシャルル=ルイ・フィリップ。
そのサイトの方は、何か勘違いしてしまったのだろうか。
それとも、太田さんが、
シャルル=ルイ・フィリップの小説を翻案したのだろうか。


どんな情報でも、100%鵜呑みにしてはいけないね。
気を付けないと。


で、この映画。
「夜の片鱗」とはまるで別物とするなら、
女に客を取らせて、
自分は仕事をせずにのうのうと暮す男が、
どこの国にでもいるってのが興味深い。


この映画のブブの言い草が笑える。
「恋人ができた。これで自分も仕事を辞めて楽できる」って、あんた、
ヒモになる気、満々じゃん。
笑っちゃいけないけど、
イタリア男が言うと、なんだか可笑しい。


そんな男でも、
懸命に付いていこうとするベルタは、
とっても悲しい女で、
他に生きる術はないのかと思ってしまうけど、
まぁ、ないんでしょうな。


と言うのも、
彼女の姉も、彼女と全く同じ運命を辿っていて、
そうなるともう、
個人の資質もあるけど、
環境にも、そうなる一因があったのではないかと
思えるではないか。


タイトル通りの哀しい映画。


評価 ★★★☆☆

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