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「無法松の一生」 [映画]

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〔1963年/日本〕


明治末期。
九州・小倉の人力車夫・富島松五郎(三國連太郎)、
通称「無法松」は、
喧嘩っ早い、暴れん坊で、
でも、純粋で一本気な男。


ある日、彼は、
怪我をした少年・敏雄を助け、
家まで送り届けたのが縁で、
敏雄の父で軍医の吉岡と、
その妻・良子(淡島千景)と親しくなる。


ところが吉岡が突然死、
残された良子は、
女手一つで敏雄を立派に育てようと決意。
無法松は、そんな良子を、
陰ながら助けてゆく。


敏雄は、
大人しく、内気な少年で、
それを歯痒く思う良子は、
厳しく彼に当たったが、
松五郎の豪快さに触発されたように、
少しずつ、闊達な青年へと成長してゆく。


熊本へ進学した敏雄が
久し振りに実家に帰ると、
無法松と良子が酒を酌み交わしていた。
敏雄は思わず、
「2人の事を他人がなんと噂しているか知っているのか」と
怒鳴りつけ・・・。





今まで4度映画化されている
「無法松の一生」。
これで全部制覇したぞ♪
嬉しい。


だけど、だ。
この、三國連太郎版「無法松」は、
他の3作と比べて、悲しすぎる。


何がって、
それはもう、敏雄の無法松への思いが
他の3作とは全然違っていて。


三國版の敏雄は、
成長するにつれ、
本気で無法松を疎ましく思うようになる。
無学で粗野な彼を、
「あの男」呼ばわりする始末。


そして、最後まで2人は
心打ち解ける事はない。
私が今まで観てきた
2人の関係とは全然違うじゃないか。


そんな事が無ければ、
「無法松の一生」も、
それなりに幸せだったのでは、と思えるけど、
この三國版では、
救いがない。
彼の一生は何だったのかと思ってしまうよ。


そして、この流れだと、
クライマックスで無法松が太鼓を叩く理由が、
全く変わってきてしまう。


どちらが原作に近いのかは分からないけど、
私はこの、
悲しすぎる三國版は好きじゃないなぁ。


評価 ★★★☆☆

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