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「レヴェナント 蘇えりし者」 [映画]

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〔2015年/アメリカ〕


1823年。アメリカ西部。
動物の毛皮を採るため狩りをしている男たちは、
先住民の攻撃を受け、
船を捨て、山道を逃げる。


ガイド役のグラス(レオナルド・ディカプリオ)は、
先住民の女性との間に生まれた息子・ホークと一緒に
行動していたが、
途中グラスがグリズリーに襲われ、
生死の境を彷徨うような大怪我を負ってしまう。


雪が降る中、グラスを運ぶのはとても無理。
隊長のヘンリーは、
グラスを置いていくしかなく、
ホークの他に2人の男、
フィッツジェラルド(トム・ハーディ)とブリジャーを
その場に残し、
グラスが死んだら埋葬してやることを厳命すると、
先に出発する。


ところが、グラスが死ぬのを待ちきれないフィッツジェラルドは、
まずホークを殺し、
グラスを生き埋めにする。
若いブリジャーは、フィッツジェラルドを非難するが、
言う事を聞くしかなかった。


しかしグラスは、
その強靭な生命力で回復し、
歩き始めた。
フィッツジェラルドへの復讐、
それだけを胸に・・・。





毎年、1月の私の誕生日が近付くと、
友人から電話があり、
「今、映画館にいるけれど、何にする?」と聞かれる。


友人は、私の誕生日のプレゼントに
ムビチケを4~5枚プレゼントしてくれるのために、
電話をくれるのです。
物欲があまり無い私の性格を
よーく知っている友人の、
この映画のプレゼントは、
本当にありがたく、嬉しく、まさに私にとってベストな品。


今年も数枚いただいたムビチケの中に、
この「レヴェナント」があって、
早く観たいと、ずっと楽しみにしてきたのだけれど、
この映画、156分と長いうえに、
予告のイメージでは大変に疲れそうな内容。
体調を万全に整えてから、と思っているうちに、
今になってしまった。


でも、公開から少し遅れて劇場に行くというのも
いいものだなと実感。
お客さんはほんの数人で、
特に私の周囲には誰もおらず、
貸し切りみたいで、気持ち良かった。
これからも、公開直後は避けようかとも思うけど、
無理かなぁ。
すぐに観たくなっちゃうしね(笑)。


この映画は、
愛するプリオがアカデミー賞主演男優賞を取った
記念の映画でもあるし、
あの瞬間は大喜びしたものだけれど、
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29
やはり賞を取るだけの事はある、
プリオの命がけの演技に驚く内容だった。


これを、壮絶な復讐の物語とする向きもあるけど、
それより、
壮絶な旅の物語と言った方がよいくらい、
とにかくプリオが、
あらゆる困難を乗り越えながら、雪の中を歩く歩く。


生きるって、本当はこういう事なんだと実感する。
当たり前だけど、
肉はパックには入っておらず、
魚は切り身にはなっていない。
口の周り血だらけにしながら、
食べ物を喰らうその様子に、
「生」という言葉が浮かぶ。


とても長い映画だけど、
全く飽きない。
この単純なストーリーを
よくここまで仕上げたと感心する。
とにかくワイルドで、
開拓時代の冬のアメリカを疑似体感できた感じで、
家に帰ってからも、
体から余韻が抜けなかった。


評価 ★★★★☆

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