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「伊豆の踊子」 [映画]

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〔1960年/日本〕


昭和初年。
伊豆を流して歩く旅芸人の一座。
中でも、最年少の薫(鰐淵晴子)は
大変に愛らしく、
人目を引く存在。


同じ頃、修善寺を旅していた一高生の水原(津川雅彦)も
薫が気になる。
薫が酔客から絡まれているところを助けた水原は、
一座と一緒に伊豆を旅する事にする。


薫と一緒に芸をする姉は妊娠しており、
相手の男も一座にいる。
しかし、辛い旅仕事。
体の弱い姉は流産してしまう。


また、雇いの踊子・百合子は、
小間物問屋の親父で騙され、
一座を勝手に抜け、
芸者になってしまう。


そうこうしているうちに、
水原が東京へ帰る日がやって来て・・・。





鰐淵晴子版、「伊豆の踊子」。


鰐淵晴子さんは確かに可愛い。
首も長くて、スタイルもいいと思う。
ただ、たしか鰐淵晴子さんって、ハーフ・・・よね?


別にハーフが日本人を演じても、
何も感じない時もある。
宮沢りえや沢尻エリカなど、
そんな事を最後まで感じさせない映画もあるし。


でも、昭和初期の伊豆の踊子役ってどうなのよ(笑)。
そりゃあ、伊豆の山中で、
人目を引くはずだわ(笑)。
(そういえば私は、「母子鶴」でも同じような事を書いているのを思い出した)
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2015-12-30


それだけじゃなくて、
この映画は、
「伊豆の踊子」であって「伊豆の踊子」でない、
似て非なるものとして観た方がいいかも。


一座の人間関係が原作とは微妙の違う。
義母が実母になっていたり、
義理姉が異父姉だったり、
姉のパートナーが夫でなく、
愛人だったり、と。


姉が現在妊娠中というのも、
なんだかニュアンスが違う。
その設定だと、
旅の途中で産まれた子を、
たった一週間で死なせてしまったという
姉夫婦のやるせなさが
まるで伝わってこない。


雇いの踊子・百合子の描き方も
あまりに酷い。
あれじゃ、性格悪すぎだろう(笑)。


そして、何より、決定的に違うのが、
津川雅彦演じる、一高生の性格。
なんというか、原作の彼の性格はもっと複雑で、
多少、歪んでいるのが特徴な気がするんだけど、
津川さん、屈託がなくて(笑)。


私が一番重要だと思う、
「踊子が約束していた映画に行けなくて、涙を呑む」
シーンもない。


まぁ、いいや。
鰐淵さんが可愛いから(笑)。


評価 ★★★☆☆

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