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「東京マダムと大阪夫人」

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〔1953年/日本〕


東京の端っこの
「あひるが丘」にある社宅。
大阪から引っ越してきたばかりの
西川隆吉・房江(大坂志郎・水原真知子)夫妻の家に、
洗濯機が届いた事から、
他の主婦たちは、
それはもう大騒ぎ。


西川家の隣に住む
伊東美枝子(月丘夢路)は、
房江の事が気になって仕方なく、
夫の光雄(三橋達也)の職場に電話をし、
自分も洗濯機が欲しいとせがむ始末。


そんなある日、房江の弟・八郎(高橋貞二)が、
転がり込んでくる。
八郎は小型飛行機の操縦士で、
当分の間、この社宅で暮らすと言う。


また、美枝子の妹・康子(芦川いづみ)も、
美枝子の所に転がり込んでくる。
美枝子の実家は、
日本橋で老舗の傘屋を営んでおり、
康子は父親に、
無理矢理、結婚させられそうなのだ。


八郎と康子は、
隣同士で暮らすうちに、
互いに惹かれ合うようになる。
しかし、房江は、
八郎と、専務の娘・百々子(北原三枝)を結婚させ、
隆吉の出世に有利になるようにと目論み・・・。





タイトルが、
なんとなく、「東京」対「大阪」みたいな雰囲気なので、
楽しみにして観に行ったのだけれど、
そういった形のバトルは少なく、
単なる主婦同士の見栄の張り合いの映画であった。


大阪から来たという設定の
水原真知子さんには、
もっと大阪弁を捲し立てて、
月丘夢路さんとやり合ってほしかったな。


捲し立てるといえば、
水原さんなど問題外なくらい、
うるさい(ウザい(笑))のが課長の妻。
この人は、社宅の中で
権力を振るっていて、
各家庭の事情を詮索しては、
腰巾着のような他の主婦たちと
一日中、立ち話している。


こんな映画を観ると、
社宅って、とっても面倒な所のようなイメージが
付いてしまうけど、
私の知り合いは、
社宅の他の奥様たちと、とっても仲良くて、
幸せそうにしていたよ。
何事も、人間次第という所じゃないのかな。


1953年当時の、
人々の生活が垣間見られて、
興味深い。
他人が洗濯機を買ったと言っては大騒ぎ、
次は冷蔵庫がほしい、などと、
家事はまだ、ほとんどが手動式(笑)。
その洗濯機にしても、
見ていると、脱水の機能などは無く、
グルグルかき回すだけのようだ(笑)。


働く主婦や、パートに出る概念なんて
全く無いようで、
関心といえば、夫の出世だけ。
ある意味、呑気で幸せな時代だったのね。


専務の娘役の北原三枝さんの
スタイルの良さが、群を抜いている。
ずんぐりした人が多い中、
北原さんだけは、現代でも通用しそうな体型。
石原裕次郎が惚れるだけの事はある。


芦川いずみさんにとっては、
これがデビュー作なのだそうだ。
とってもキュートで愛らしい。
こちらも、
藤竜也が惚れるだけの事はある。


評価 ★★★☆☆

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