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「ペレ 伝説の誕生」 [映画]

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〔2016年/アメリカ〕


ブラジルの貧民街に住むエドソンは、
いつも友人たちとサッカーに興じる可愛い少年。


1950年。
地元ブラジルで開催されたW杯は、
大人も子供も大興奮でラジオを聞き入るが、
決勝で敗れ、人々の落胆はハンパない。


エドソンはいつかサッカー選手となって
ブラジルを優勝させたいという夢を持つようになる。
彼の才能に目をつけたスカウトマンの誘いで、
1956年、サントスFCに入団。
このとき、まだ15歳。


しかし、自分の今までのプレーを忘れろという指導に
難しさを感じた彼は、
荷物をまとめ、
故郷に帰ろうとする・・・。





試写会で観た。


初めて映画会社の試写室という所で映画を観た。
座席数が少なく、
椅子が大きく、
前後の幅が広いので、後ろの席の人から蹴られることもなく、
手でビニールを揉み続けながら映画を観る人もいない。
快適でした。
当選させていただけた事を感謝しています。


この映画は、
サッカーの神様のような存在、
ブラジルのペレの少年時代から、
わずか17歳で、W杯でブラジルを優勝に導くまでを描いた、
伝記映画。


元々、私自身が南米に大変な興味を持っていること、
そして、ブラジルに限らず、
世界各国の貧民街に心惹かれる事などから、
とても興味深く観た。


ペレという人を称える映画なので、
美化はしていると思うけれど、
彼の両親が素晴らしい。
父は元サッカー選手だが、
怪我で引退し、今は病院の掃除夫。
温厚で、声を荒げる事など決してない。


母も真面目で真っ当、
時に優しく、時に厳しく、
子供の躾にあたる。
とても素敵な女性だ。


映画って面白いな。
例えば「シティ・オブ・ゴッド」と、この映画とでは、
同じファベーラでも、
まるで違った場所に思える。
どちらが本当なのか、と思うけど、
どちらも間違ってはいないのだろう。
描くテーマによって、強調する部分も変わる。


私はペレという人の事も、
サッカーについても、詳しくはないのだけれど、
ブラジルのサッカーが、
元々、ジンガという武芸を取り入れた形のものだという事を知って、
とても面白く感じた。


それが1950年のW杯で敗れたとき、
「犯人探し」として、
ジンガは古い、これからは欧米のサッカーを真似なければ、
という事になり、
ジンガは禁止という流れに。


いやいや、
敗れたのはたまたまその時の運であって、
ジンガは関係ないでしょ、と、
今となっては思うけど、
その時のブラジルはもう必死。


ペレもジンガ禁止で苦しむけれど、
ポスターにも書かれているように、
初めてのW杯で窮地に追い込まれたとき、
「禁じられた切り札」を!


彼が決勝のスウェーデン戦で
初ゴールした時は、
私も立ち上がって「やった!」と叫びたくなった(笑)。


評価 ★★★☆☆

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