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「新・黄金の七人 7×7」 [映画]

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〔1968年/イタリア〕


イギリスのある刑務所で、
「サッカーの試合を見せろ!」と囚人たちがハンストを起こした。
しかし、当然取り合ってもらえず、
次々脱落する中、6人が最後まで残る。


空腹で倒れそうになった6人は、
刑務所内の病院に運ばれるが、
実はこれ、全てが作戦。
彼らは医者の助けを借り、
脱獄するつもりなのだ。


すると、仲間に入れる予定のなかった、
入院中の老囚人が1人、付いてきてしまう。
仕方ない、そやつも仲間に加え、
合計7人で、
なんとか脱獄に成功する。


彼らの目的は、造幣局に忍び込み、
紙幣を印刷する事。
猶予は、イギリス中の国民がサッカーを見ている時間。
計画は上手くいくのか・・・。





以前観て、めっちゃ面白かった、
「黄金の7人」。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2013-09-12
以降、シリーズを公開順に観ていったけれど、
回が進むにつれて、
尻すぼみになっていったのを残念に思っていた。
しかし、シリーズ最後の本作は、
面白さが盛り返されている。


囚人たちが脱獄し、
ある一定の時間内に犯罪を犯し、
また刑務所に戻るという設定が可笑しい。


その「一定の時間」というのがまた、
サッカーの試合だってんだから、笑える。
刑務所の看守も、警察も、工場の守衛さんも、
定期バスや船の運転手さんも、
全ての人がテレビに釘付けで、
その間、仕事がお留守になってしまうという設定が、
絶妙に生かされている。


囚人たちの計画が進むのと同時に、
サッカーの試合の場面が挟み込まれる。
その演出によって、
彼ら残り時間があとどれくらいかが分かる仕組み。
上手い。


「自分たちは、刑務所にいた事になっている。
これぞ最大のアリバイだ」って、確かにそうだ(笑)。
で、一仕事終えて、
石炭車に乗って、ムショに戻った時の、
守衛さんのセリフが笑える。
「中身の検査はしないよ。ここを出たい奴はいても入りたい奴はいないからな」
って、いるんだよ、この車の中に(笑)。


全国民が、仕事をほっぽり出してまで夢中になるスポーツって、
よその国の事は分からないけど、
今の日本で、あるのかと考えた。
うーん、ちょっと思い付かない。
それだけのイベントは今後あるのだろうか。
4年後のオリンピックはどうだろう。
いや、そこまで盛り上がるのかどうか、
今の状態では疑問(笑)。


評価 ★★★★☆

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