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「大統領の料理人」 [映画]

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〔2013年/フランス〕


南極の基地で、
テキパキと働く、女性料理人・カトリーヌ・フロ。
取材に来ていたTV局の女性クルーは、
こんな辺境の地で働くフロに興味を持ち、
執拗にカメラを向けるが、
彼女は何故かそれをとても嫌がる。
しかし、次第にフロの過去が分かってくる・・・。


フランスの片田舎でレストランを営んでいたフロは、
ある日、政府の公用車に乗せられ、
大統領官邸に連れて行かれる。


彼女は、ミッテラン大統領の、
専属料理人に任命されたのだ。
ミッテラン大統領は、
凝った料理ではなく、
母や祖母が作ってくれたような料理を望んでおり、
フロの腕前は、その希望にピッタリなのだ。


しかし、男性ばかりだった厨房内は、
嫉妬で溢れかえっていた。
冷たい視線の中、
フロは料理の才能を発揮し、
ついには大統領と直接会話するまでになる・・・。





フランスといえば、
何事にもフレキシブルに対応できる国、
と、勝手にそんなイメージを抱いていたのだけれど、
意外と日本と変わらない、
お役所仕事なんだなぁ、というのが、
最初の感想。


カトリーヌ・フロが大統領官邸に入ったその日、
最初に伝えられたのは、
細かい決まり事。
料理を作るより、
そちらを覚える事に神経を使ってしまいそうな。


もちろんフロは、
そんな規則は意に介さず、
どんどん自分流に料理をするわけだけど。


月並みだけど、
やっぱり、出てくるお料理は、
どれもこれも美味しそうで、
お腹が空いてくる(笑)。
凝っていない料理というけれど、
私にしたら、
ものすごく手のかかった素晴らしいお食事だと思うんだけど(笑)。


そういった正規のお食事以外に、
夜中にお腹の空いた大統領の為に、
フロが手早く作った、
バターを塗ったバゲッドに黒トリュフを乗せた軽食も、
とっても美味しそうだった。


それから、フロが作ったわけじゃないけど、
大きなプレートに乗った生牡蠣には、
目が釘付け!
厨房の冷蔵庫が借りられなくて、
「このままでは痛んでしまう」と言うフロに、
「それなら私が食べたい!」と思ってしまったよ(笑)。


食べ物の事ばっかり(笑)。
まぁ、いいか。
この手の映画の半分の目的は、
お料理を楽しむ事だものね。
ストーリーは大体察しがつくし。


評価 ★★★☆☆

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「続 黄金の七人 レインボー作戦」 [映画]

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〔1967年/イタリア〕


今回もまた、
銀行からの金庫強奪に成功した、
7人の男+ロッサナ・ポデスタの8人。
ところがトンネルを出た所で、
銃を構えた男たちが包囲しており、
連れてゆかれる。


どこかの部屋に通された8人は、
ある極秘の仕事の依頼を受ける。
南米の独裁国家の革命家の将軍を
誘拐してほしいというのだ。
その為には、
原子力潜水艦を始め、
あらゆる武器を貸し出し、
多額の報酬を出すとも約束される。


8人は早速行動を開始する。
実は彼らは、
誘拐とは別に、大きな目的があった。
将軍が保有する、
大型船いっぱいに積まれた金塊を、
どさくさに紛れて奪ってしまおうと考えているのだ・・・。





前作が良すぎたせいか、
これは期待とはちょっと違っていた。


8人は、もっと単純に、
泥棒だけをしてほしかったなぁ。
彼らは泥棒にかけてはプロだけど、
南米の革命家を誘拐するほどの
度量はないと思われる(笑)。


前作で、
「極端に鈍臭い人がいないのがいい」と書いたけれど、
今回はミスが多い。
高い所からスパナを落としたりとかの凡ミスが。
それから、相当な訓練を積んでいるはずであろう、
革命軍の兵士たちが、
泥棒たちに頭を殴られただけで、
簡単に倒れてしまうのも変。
泥棒たちは、腕力が無い事を、
知恵と工夫でカバーしてきたのだから。


ロッサナ・ポデスタが、
前作と同様、
お色気を振りまいていて、
これは最高。


彼女は、アメリカ人の記者として、
将軍に接近して、
そのお色気で、
将軍を骨抜きにしてしまう。


将軍のじらされっぷりが笑える。
お部屋に2人きりになっても、
なかなか次の段階へ進めない。
彼は意外と紳士らしく、
そんな状態でも無理矢理押し倒したりはせず、
ポデスタの言いなり(笑)。


一番可笑しいのは、
兵士たちが一大事を告げに、
部屋にやって来たのに、
「そんな事はどうでもいいーー!
 俺は女の方が大事なんだーー!
 女、女、女だーー!」と
(実際は、そんな事言ってませんが(笑))
追い返してしまった場面。


「革命家なんて一皮剥けばそんなもん」って
揶揄しているようで、笑えた。
政治的問題は抜きにして。


評価 ★★★☆☆

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「マン・オブ・スティール」 [映画]

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〔2013年/アメリカ〕


宇宙の彼方に存在するクリプトン星は、
今、滅亡の危機に瀕していた。
ジョー・エル(ラッセル・クロウ)とララ夫妻は、
生まれたばかりの息子・カル・エルだけは
なんとか生かしたいと、
宇宙船に乗せ、地球へ出立させる。


地球に着いたカル・エルは、
農場を営む、ジョナサン・ケントとマーサ・ケントに拾われ、
クラークと名付けられ、
息子として育てられる。


幼い頃から他の子供とは違う、
超人的な力に気付いていたクラークは、
悩み、苦しむが、
父はそんな彼に、
その力を使う事はならないと、固く言い渡される。


成人したクラーク(ヘンリー・カヴィル)は、
旅に出るが、
行く先々でも、自分の特殊能力を思い知らされ苦悩する。


そんなクラークを探している者がいた。
クリプトン星の生き残り、ゾッド将軍とその一味で、
クラークはついに、彼らと対峙する事になる・・・。





アメコミヒーローの中で、
私が一番好きなのが、このスーパーマン。


なぜって、その理由はただ一つ。
「空を飛ぶ様子が、気持ち良さそうだから」。
彼が空を飛ぶのに、
何か他の力は必要としない。
スーパーマンスーツは着なくてはならないんだろうが、
それ以外は、自由。


で、この映画。
CGを使った戦闘場面は確かに凄いと思ったけれど、
「気持ちよく空を飛ぶ」という、
私が観たかった場面が、殆ど無かったのが残念で。


スーパーマンって、
昔はもっと能天気じゃなかったっけ?
新聞社に勤めるクラーク・ケントさんは、
スーパーマンじゃない時は、
ちょっと鈍臭くて、
ちょっと人から軽んじられてて、
でも、変身すると、
(それも電話ボックスか何かの中で(笑))
ビックリみたいな。


この映画のスーパーマンは、
ちょっと苦悩しすぎかなぁと思うんだけど、
私の感想が間違ってる?


戦闘シーンが派手で、
あの壊れたビルは、
あの後、どうなるのかなぁと、
本気で思ってしまう。
いつもの事だけどさ(笑)。


続編に期待したい。
その時は、私の、
「気持ちよく空を飛ぶ」という願いを叶えてほしいものだ。


評価 ★★★☆☆

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「黄金の七人」 [映画]

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〔1965年/イタリア〕


スイスのジュネーブの街角。
銀行近くの路上で、道路工事が始まった。
6人の男たちが、手際よく作業を進めてゆく。


その横を、高級車に乗った男女が通り抜けていった。
男女は、工事をする男たちに、
なにやら意味ありげな目配せをして、
近くの建物に入っていく。


実は彼らは全員が仲間であり、
今から、銀行に保管されている、
大量の金塊を盗み出すつもりなのだ。


リーダーの“教授”と呼ばれる男は、
知的で冷静沈着、
計算し尽くされた、この計画に抜かりはない。


彼らは金塊を盗み出せるのか・・・。





これは傑作。
犯罪ものなんだけど、
オシャレで軽妙で、
展開も素晴らしい。


90分という短い中に、
面白さが凝縮されていて、
魅入ってしまう。


どうでもいい、プロローグ的な説明がないのもいい。
いきなり道路工事の場面から始まって、
もうそこから、金塊強奪計画は始動している。


金塊強奪成功まで、
きっかり1時間だったのを、
タイムカウンターで確認した。
そんな長い時間、延々と泥棒の場面?と思われそうだけれど、
これが飽きないんだな(笑)。


周到に計画されているとはいえ、
何度も何度も、小さなアクシデントが起こる。
致命的出来事ではないけれど、
その度にハラハラドキドキして、
「早く~」と思ってしまう(笑)。
泥棒一味とはいえ、
こういう映画って、本気で犯罪者側に肩入れして観てしまう。


メンバーに極端な人間がいないのも、
楽しめる理由かも。
極端に鈍臭いとか、
極端に暴力的とか。
そういった輩が混じっていると、
話の腰を折られるばかりで、
犯罪自体が楽しめないものね。


1時間で金塊を盗み出した後、
残りの30分で、
お話しは二転三転する。
ラストまで軽妙な空気は変わらない。


こんなオシャレな犯罪映画、
一人でも多くのかたに観てほしいなぁと、
心から思う。


評価 ★★★★☆

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「女優ナナ」 [映画]

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〔1934年/アメリカ〕


母親の葬儀も出せないほど貧しい女・ナナ(アンナ・ステン)は、
その暮らしから抜け出したいと、
パリに出て、高級娼婦になる。


カフェで娼婦仲間と話し込んでいたナナは、
泥酔した兵士たちに絡まれ、
その中の1人を噴水に突き落とす。
それを見ていた、劇場の支配人・グライナーは、
ナナの美しさと度胸に、
女優としての才能を見出し、彼女をスカウトする。


初めての舞台に立ったナナの
演技と歌は素晴らしく、
たちまち男性客を魅了する。
公爵までもが、彼女に会いに、
楽屋まで来る始末。


そんな中、ナナは、
あの夜、噴水に突き落とした兵士の仲間・ジョルジュ・ミュファ中尉に再会し、
愛し合うようになる。


しかし、支配人のグライナーは、
2人の恋愛に激しく嫉妬する。
グライナーは、
ナナを女優にすると同時に、
愛人にもしていたのだ。
また、ミュファ中尉の兄で上司でもあるムファ大佐も2人の交際を苦々しく思い、
中尉を戦場へ送り込んでしまう。


2人の手紙は捨てられ、
ミュファ中尉に振られたと思い込んだナナは、
ムファ大尉に言い寄られ、受け入れてしまう。
そこへ、ミュファ中尉が帰ってきて・・・。





エミール・ゾラ原作の小説で、
何度も映画化されているらしい。


けれど、私はエミール・ゾラという人自体を、
よく知らないので、
原作との味わいの違いなどは、よく分からない。


おそらくは長いであろう原作を、
88分の映画におさめているため、
肝心な部分が省略されて、
全く感情移入ができない。


一番肝心な、
ナナとミュファ中尉が惹かれ合う過程など、
なんだかさらっとし過ぎていて、
「いつそんな気持ちに?」と思ってしまう。


ナナの変わり身の早さも凄い。
支配人⇒中尉⇒大尉、と、
88分の間に男を3人も変えている。
「結局、誰でもいいのかよっ!」と言いたくなるわ(笑)。


ウィキペディアで、
原作の粗筋を読んでみたら、
映画とは全然違っていた。
ナナが娼婦になったきっかけから違うし、
原作の彼女は、もっと魔性の女のようだ。
オチも違いすぎてビックリ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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