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「リリィ、はちみつ色の秘密」 [映画]

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〔2008年/アメリカ〕


1964年、黒人の権利がやっと認められた頃のアメリカ。


4歳の白人少女・リリィは、
両親が激しく言い争っている際、
たまたま手にした拳銃で、
誤って最愛の母親を撃ち殺してしまう。


それから10年。
14歳になったリリィ(ダコタ・ファニング)は、
父(ポール・ベタニー)と暮らしていたが、
冷酷な彼は、
常にリリィに辛く当たり、
「お前の母親はお前を捨てようとした」と言い放つ。


そんな日々の中、
リリィの家の黒人家政婦・ロザリン(ジェニファー・ハドソン)が、
やっと認められた黒人の投票権の登録の為、
リリィと町に出た所、
差別主義者の男たちに目を付けられ、
怪我を負わされる。


嫌な事ばかりの日々に嫌気が差したリリィは、
病院からロザリンを連れ出し、
2人で姿を消す。


ある町で、
黒人の姉妹ばかりで養蜂場をする裕福そうな家に
辿り着いた2人は、
その家にやっかいになる事になるが・・・。





アメリカの黒人差別の映画を観る度に、
たった50年ほど前もまだ、
彼らには選挙権さえなかったのかと、
いつも驚かされる。


この映画は、
誤って母を撃ち殺してしまった少女・リリィの苦しみと、
黒人差別問題とが、平行して描かれる。


黒人家族の中に、
白人の少女が1人混じるというのが、
ちょっと変わった展開で興味深い。
ただ、ここでも黒人の立場は、
あくまでも白人より下なようで、
裕福な黒人家族も、
元は白人に雇われたベビーシッターだったらしい。


実際、シッターだった女性が、
自分が面倒をみた白人の子供に対する感情は
複雑なようだ。
幼い事から世話をしてきた子供を、
愛してはいるけれど、
それだけでは言葉足りないような。
そのあたりは、昨年上映された、
「ヘルプ 心がつなぐストーリー」と
共通するものがある。


黒人家族の世話になっているリリィが、
黒人の少年と映画に行って、
そこで、少年が暴行されるという事件が起こるけれど、
何でまた、同じ間違いを起こすかなと、
ちょっと思った。
リリィ自身に差別の気持ちがないのは分かってるけれど、
黒人の少年と、白人の少女が一緒に歩けば、
少年の方が殴られるのは十分想定できる。
ロザリンの時も、同じような目に遭ったのだから、
ここはやっぱり無難に過ごした方が・・・
と思うのは、
私が事なかれ主義だからなのか。


とても良い話しだとは思うけれど、
偶然すぎる事があって、
ちょっと鼻白んでしまうのが残念。


評価 ★★★☆☆

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