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「としごろ」 [映画]

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〔1973年/日本〕


中学でバレーボールの指導にあたる和田アキ子は、
姉御肌で元気いっぱい。
部員たちから慕われている。


今年卒業した森昌子は工場に就職し、
秋谷陽子はバレーの名門校へ進学。
しかし、大工である秋谷の父が怪我をし、
学費の工面ができないため、
彼女は高校を退学しようと決心する。


しかし、バレー部の顧問・森次晃嗣は彼女の才能を惜しがり、
自分の家に下宿させて、学費も出すから、
高校を続けるようにと説得する。


そんなある日、
森と待ち合わせをしていた石川さゆりが
3人のチンピラに絡まれ、
凌辱されるという事件が起きてしまう。


そのせいで石川は妊娠。
誰にも話せないその事実に、
石川は苦しむ。


また、秋谷を下宿させた事で、
森次と妻の仲は険悪となり、
ついに、離婚騒動にまで発展してしまう。


和田は、そんな彼女たちを、
励まし、見守るが・・・。





ホリプロのアイドル総出演映画だからと、
のんきに観始めたけれど、
あまりの不幸のてんこ盛りにビックリ。


まずは実質主役ともいえる、出番の多い秋谷陽子のエピソード。
部活の顧問の先生の家に、
下宿したのはいいけれど、
結果的に、先生夫婦を離婚寸前にまで追いやってしまうという、
やるせなさ。
自分の存在そのものが、他人の人生を左右してしまうって辛いよなぁと、
本気で観てしまった。


その後、彼女自身にも不幸が降りかかり、
先生とも決裂する事になる。
他人の子供を預かるという事は、
その子の人生を丸ごと引き受けるという事。
何があっても途中で投げ出す事はできないとの覚悟で
臨まなければならない、
大変に重い事なのだと痛感する。


そして、やっぱり一番ショックな石川さゆり。
デビュー間もない15歳の彼女が、
チンピラたちに凌辱されるという役を演じているのが、
なんだかよく分からない。


その場面は強烈で、意外と長く、
全裸の少女がハッキリと映っている。
裸は吹き替えだろうと思っていたら、
ウィキペディアには、本人みたいな事が書かれているし、
これまた、よく分からない。
(ウィキペディアも絶対ではないし)


これって当時、子供も観にいったのでしょうね。
きっと親も、アイドル映画だからと
安心していたのではないかと想像するけれど、
この内容では、
子供の目を覆いたくなったのではないかと思う。


そんな中、
森昌子だけが、
工場で知り合ったカッチョいい先輩と、
爽やかな恋愛を繰り広げている(笑)。
当時の一番スターは森さんだったという事ね。
山口百恵がほんのチョイ役というのも、
今になってみると可笑しい。


評価 ★★★☆☆

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