SSブログ

「ベルヴィル・ランデブー」 [映画]

bellevillerendezvous.jpg
〔2002年/フランス〕


両親を亡くし、
どんなものにも興味を示さない少年・シャンピオン。
おばあちゃんはそんなシャンピオンを心配するが、
彼は心を閉ざしたままだ。


ある日、シャンピオンのスクラップブックを見たおばあちゃんは、
彼が自転車に興味を持っている事を知り、
早速、買い与える。
今まで見た事もないような、
生き生きとした表情で自転車を漕ぐシャンピオンに、
おばあちゃんは安心する。


大人になったシャンピオンは、
自転車の名手となり、
ついには“ツール・ド・フランス”に出場するまでになる。
おばあちゃんは、
そんなシャンピオンの為に、
あらゆるサポートをして、彼を支えていた。


ところが試合当日、
シャンピオンはニセの救護車に乗せられ、
そのまま誘拐されてしまう。


愛犬ブルーノの嗅覚を頼りに、
シャンピオンを追いかけるおばあちゃんは海を渡る。
そこは“ベルヴィル”という摩天楼がそびえ立つ大都会だった。
おばあちゃんはシャンピオンを助け出す事ができるのか・・・。





フランス製のアニメ。
日本人が感じるような、
いわゆる、「可愛い」絵柄ではないけれど、
独特の雰囲気があって、
大変に楽しめる。


おばあちゃんが孫のシャンピオンを思う気持ちに
胸を打たれる。
シャンピオンの両親が、
なぜ亡くなったのかは説明がないし、
彼が内向的なのが、
両親がいないせいなのかも分からないけれど、
おばあちゃんは、彼の心を開かせようと、
一生懸命だ。


分かるよ、おばあちゃんのその気持ち。
自分の大切な身内が沈んでいたら、
何とかして笑顔にしてあげたいって思うのは、
自然な感情だものね。


シャンピオンが自転車に乗るようになってからも、
おばあちゃんの日常は彼のためだけにある。
自転車の調整や修理までしてしまうのだから凄い。


シャンピオンは誘拐された後、
大型船に乗せられるのだけれど、
その船の形というのが、
思い切りデフォルメされていて、
ちょっとしたショックを受ける。
あんな風に描かれた船を見たのは初めて。


そして、おばあちゃんは、
なんと、足漕ぎボートで船を追いかける。
そこはアニメらしくて、
ちょっとブラックで、笑える場面。


“ベルヴィル”はニューヨークを思わせる街なのだけれど、
もしかして、フランス人の監督が、
アメリカを揶揄してる?と憶測したくなるくらい、
大げさなほどにデフォルメされていて笑える。
まぁ、分からなくもないけど。
アメリカ人って、本当にこのアニメみたいな感じだもの。


評価 ★★★★☆

nice!(31)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画