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「ゼロ・ダーク・サーティ」 [映画]

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〔2012年/アメリカ〕


2001年9月11日の同時多発テロ以降、
アメリカ政府は、
首謀者である、オサマ・ビンラディンの
消息を追っていた。


しかし、その行方は杳として知れず、
情報を知っていると思われるアラブ人に対する
拷問に頼るしかなかった。


そこへ、情報収集能力と分析力に優れた、
CIAの女性マヤ(ジェシカ・チャスティン)が
加わる事となる。


マヤの必死の捜査と分析も、
思うようにはいかず、
アルカイダによるテロ事件は
世界中で後を絶たない。


ある日、マヤの仲間が自爆テロで亡くなり、
彼女の執念はさらに強くなる。


そんな中、パキスタン国内で、
不審な家がある事に気付く。
高い塀に囲まれた、その豪邸は、
内部が窺えない作りになっており、
男が多数の家族と住んでいるらしいというのだ。


マヤは、その男こそビンラディンだと主張。
ついに突入の日がやって来る・・・。





アメリカ同時多発テロは、
私が記憶する大きな事件の中でも、
その衝撃の度合いは大変なものであるし、
おそらくは、多くの方が同じであろうと推定する。


テロの首謀者がオサマ・ビンラディンという人だというのは、
事件後知ったわけだが、
その、ビンラディンについては、
当時、情報が錯綜していた事を思い出す。


その割にビンラディン殺害の記憶が薄いのは、
私だけなのか、
他の方もそうなのかは分からないけれど、
日本の、カルト集団の教祖が逮捕された時のような、
喜びと安堵の気持ちに浸った覚えがない。


なので、逆にこの映画は、
「なるほど、そんな風だったんだ」と、
初めて知ったラディン殺害の状況として、
新鮮な気持ちで観る事が出来た。


特に、隠れ家と思われる家に突入してからの場面は
大変な緊迫感だ。
物凄くリアル。
息をするのも忘れちゃうくらい、
真剣にスクリーンを見つめていたよ。


マヤ役のジェシカ・チャスティンという女優さんの
アゴが凄い。
割れてるのよ、ザキヤマみたいに!
なんて意志の強そうなアゴなんだろう。
そんな彼女が、
ビンラディンの行方を追うというのが、
大変に面白い。


なにせ、隠れ家と思われる家に住む男を、
他の人たちは、60%の確率で本人と言っている所を、
彼女は、「100%」と主張する。
あんな意志の強そうな顔でそう言われたら、
「そ、そうかな」と思ってしまいそう(笑)。


前半はアラブ人に対する拷問の場面が多い。
苦手なかたには観るのが辛いかも。
拷問をするアメリカ人だって、
元は普通の人なんだろうし、
国に帰れば、普通の人に戻るんだろう。


人って、心の痛みを一つも感じずに、
あんな事ができるんだろうか。
まぁ、出来るんだろうな。
現にやってるわけだし。
「私には出来ない~」なんて事を言うつもりもない。
同じ状況にならなければ、
自分がどうなるかなんて分からない。
絶対という事はない。


ビンラディンを殺しても、
その後平和になるんだろうか。
目の前で父親ラディンを殺された子供が、
アメリカに復讐しないという保証はない。
段々、考えるもの面倒臭くなってくる。


評価 ★★★★☆

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