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「フラッシュバック」 [映画]

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〔1990年/アメリカ〕


FBIの若き捜査官・キーファー・サザーランドは、
デニス・ホッパーの護送を任される。


ホッパーは60年代にカリスマ的存在だったヒッピーで、
長年逃亡生活を送っていたが、
密告により、逮捕されたのだ。


2人は長距離列車に乗り込み、
刑務所のある町へ以上移動する事になった。
到着は明日。
真面目なサザーランドは、
最初はホッパーに対して、隙を見せなかったが、
食堂車で口車に乗せられ、
大量の酒を飲んでしまう。


気が付いた時は、
服を取り換えられ、
ホッパーがFBIを名乗り、
サザーランドは留置所に入れられてしまう。


ホッパーはそのまま逃げ切れると思われたが、
途中、トラブルがあり、
サザーランドと再び行動を共にする事になる。


実はサザーランドの両親はヒッピーで、
彼自身、幼い頃、ヒッピーのコミューンに住んでいた過去があった。
そのせいで、学校でいじめられたサザーランドは、
ヒッピー文化が嫌いなはずだったのだが・・・。





日本未公開のようだけれど、
なかなか面白かった。


60年代のヒッピー文化の「その後」を表現しているようで、
可笑しくてたまらない。


なにせ、自分はまだまだ忘れられていないと思い込んでいる、
デニス・ホッパー演じる、伝説のヒッピー。
けれど、道行く人は誰も彼の事など知らないし、
逮捕のニュースも新聞に3行載っただけ。


ただ、一部にはまだ、彼を崇拝している人間もいる。
酒場にいた中年の2人組みは、
ジュークボックスに、
「Born To Be Wild」が入っていないと
怒ったりしている。
この2人が、あとで結構なキーパーソンとなるのだが。


そう、この映画は、
1969年の「イージー・ライダー」で主演したデニス・ホッパーが
伝説のヒッピーを演じる所に
意味があるのだろう。
ビデオであの映画を観た私には、
今一つピンと来ない内容だったけれど、
公開された当時は、
大変な衝撃を持って受け入れられたと聞いている。


「Born To Be Wild」が何度もかかる。
やっぱり明らかに「イージーライダー」を
意識している。
リアルにヒッピー文化を体験した方なら、
楽しめるに違いない。


キーファー・サザーランドは、
ホッパーを、自分が育ったヒッピーのコミューンに
連れてゆく。
そこには、サザーランドの幼い頃を知る、
中年女性が一人で住んでいて、
文化を守っている。
伝説の男・ホッパーに会えた事を、
大喜びもしている。


しかし、彼女jは言う。
「時々、電子レンジが欲しくなるの。
 それって負けたって事かしら」と。
ヒッピーの人たちは、
一体何と戦っていたのだろう。


一つ、違和感を感じたのは、
サザーランドがFBIに入ったと知った彼女が、
「ヒッピー時代と比べて、あなたは幸せだとは思えない」
というセリフ。
ヒッピーでいれば幸せで、
FBIが不幸せだと、決めつけちゃだめでしょ。
そんなにヒッピーが幸せなら、
文化が廃れるわけないしね。


ホッパーとサザーランドが、
友情を感じてゆく様子がとってもいい。
ホッパーは、
「自分は伝説になるような男じゃない、偽物だ」と
サザーランドに打ち明ける。
そんな風に、自分の弱い部分を認められる人が、
私は好き。


評価 ★★★☆☆

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