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「ガール」 [映画]

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〔2012年/日本〕


広告代理店に勤務する香里奈は、
ガーリーなお洋服や小物が大好き。
今日も仕事帰りに、花柄のワンピースを衝動買い。


それを着て、女友達との飲み会に出掛けると、
友人たちは、言いにくそうに口を揃えた。
「自分の年を考えたら。もうガーリーは似合わない」と。


ショックを受ける香里奈。
さらに、「女子」が口癖の彼女は、
仕事先のデパートのイベントの会議で、
担当の加藤ローサから、
「女子という言葉は嫌いです。未熟な自分を誤魔化そうとしているだけ」と
痛烈に批判されてしまう。


香里奈の服装を指摘した3人の女友達、
大手不動産会社勤務の麻生久美子は、
課長に抜擢されるが、年上の部下・要潤から、
女というだけで、見下され、敵対視される。
夫・上地雄輔は優しいが、
上地より収入が多い事や、
子どもを作らない自分に、迷いが生じている。


文具メーカー勤務で独身の吉瀬美智子は、
新入社員の林遣都の教育係を任されるが、
女子社員たちから注目される林が気になり、
一回りも下の彼に、自分も恋をしたのかと、
自分で自分を持て余す。


板谷由夏はシングルマザー。
仕事は順調だが、
6歳の息子の為に、
夜は走って家に帰るくらい、忙しい毎日。
休日も、息子にキャッチボールや鉄棒を教えるなど、
父親の役割も果たそうと懸命だ・・・。





完全なる女性映画。
男はみんな、女たちを飾る脇役。
「隣の芝生は青い」とは普遍のテーマだし、
ありきたりといえばありきたりな話だけど、
やっぱり考えさせられるし、涙が出る場面もある。


「選択肢が増えた分、迷いも多くなった」というセリフが、
本当によく理解できる。
結婚するのか、しないのか、
仕事を続けるのか、続けないのか、
子どもを産むのか、産まないのか。


昔だったら、悩みもしなかったであろう事に、
女は悩み、迷っている。
変な例えだけど、
「サザエさん」のお舟さんみたいな女ばかりだったら、
こんな話は成り立たないだろう。


4人の女たちの境遇が、
必ずしも観客と重なるわけではない。
私と重なる女もいない。
でも、何か分かる。
「ああ、みんな頑張ってるんだよね」というのが、
伝わってくる。
それだけでいい。


個人的に一番ストレスが溜まりそうなのは、
麻生久美子。
彼女の部下の要潤がめっちゃイヤな男で。
私は、男の上に立つのは無理だな。
いつまでも男の下で働く部下でいいやと思った瞬間(笑)。


正直、今、流行りの「女子」とか、
よく分からないけれど、
私だって、やっぱり可愛い物やキャラクター物が大好きだ。
自分が着たい服を着てればいいじゃないか。
周囲から浮き過ぎない程度にという条件付きではあるけれど(笑)。


評価 ★★★★☆