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「『エロ事師たち』より 人類学入門」 [映画]

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〔1966年/日本〕


「エロ事師」、スブやん(小沢昭一)。
彼は、“エロ”に関するあらゆる事を生業にしている。


男女の絡みを8ミリフィルムで撮影し、
エロ小説を編集し、
合成エロ写真(アイコラみたいなものか?)を作製したり、
はたまた、
死ぬまでにどうしても生娘と関係したいという、
企業の重役の願いを叶えてやったりする。


スブやんは、内縁の妻・春(坂本スミ子)と暮らしている。
春には、20歳の息子・幸一(近藤正臣)と、
15歳の娘・恵子(佐田啓子)がおり、
スブやんは、子供たちの事もそれなりに可愛がっていた。


そんなある日、春が病に倒れ入院する。
また、スブやん自身も、
わいせつ罪で逮捕されてしまう。


恵子の生活は荒れ、
彼女もまた警察に捕まってしまう。
家に戻ったスブやんと恵子は、
何やらおかしな関係になってしまう・・・。





野坂昭如さんの原作を
今村昌平監督 が映画化。


小沢昭一演じるスブやんの、
小市民的な「エロ事師」っぷりは面白いと思う。
彼は“エロ”で一攫千金を狙っているのではなく、
(もちろん、そうなればそれに越した事はないだろうが)
“エロ”を求める人々の欲求に応えたいという、
そんなサービス精神が見えるような気がする。


しかし、だ。
内縁の妻の娘に手を出すってどうなのよ。
そこで一気に冷めた。
この映画が作られた時と今とでは、
時代が違うんだろうけど、
それにしても、
今のモラルで生きている私には、受け付けられない。


エロフィルムの上映会で、
多数の男たちが、食い入るようにスクリーンを見つめていた。
現代ではいとも簡単に、
それこそ、子供でも手に入る程度の“エロ”でも、
入手困難だったのでしょうね。
当時の風俗が分かるのは楽しい。


どうしても生娘と関係したいという、
会社の重役を、
中村玉緒のお父さん、中村鴈治郎が演じておった。
先日、「続 悪名」でレビューに書いたばかりなので可笑しかった。
全然違う役柄なんだもん。
「お父さん、玉緒さんという娘がいるのに、そんな事言っちゃ駄目だよ」と
言いたくなったよ(笑)。


しかも、スブやんが連れてきたのが、
先月、出産したばかりの女。
黙ってれば分かりゃしないと、
セーラー服着せちゃって(笑)。


ラストは、味わい深い。


評価 ★★★☆☆

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