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「あゝ結婚」 [映画]

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〔1964年/イタリア〕


金持ちの伊達男マルチェロ・マストロヤンニ(50歳)は、
若い婚約者にウェディングハットを選んでやる事に夢中。


すると、彼の愛人ソフィア・ローレン(40歳)が危篤との連絡が入り、
慌てて駆け付ける。
ローレンは、今にも死にそうで、
医者より神父を呼んでくれと言う。


マストロヤンニの胸に、ローレンとの出会いから、
現在までの出来事が去来する。


戦争中、2人は娼館で出会った。
17歳だったローレンは娼婦になりたてで、
大変に可愛らしい少女。


次に会った時は、ずいぶん世慣れた女になっていたが、
マストロヤンニは、彼女を身請けする。
しかし、自分の家に連れて行った時は、
女中部屋に住まわせ、
母親の介護をさせ、
また、客には決して彼女を紹介しようとはしなかった・・・。


ローレンは、死に際に、
形だけでも、結婚式の真似事をしたいと、
ベッドに横たわったまま、
それを実行する。


ところが式が終わった所で、彼女は起き上がる。
彼女は危篤などではなく、
煮え切らないマストロヤンニに対して、
強行手段に出たのだ。
この結婚は、有効なのか、無効なのか・・・。





マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンといえば、
名作「ひまわり」を思い出すが、
これはあちらと違って、コメディ映画。


と言っても、結構重い。
コミカルな所が殆どないし、
ローレンに対するマストロヤンニの態度は、
笑うに笑えない。
立場上、仕方ないとはいえ、
客にコーヒーを出そうとしたローレンを、
キッチンに押し戻し、出てくるなと言ったマストロヤンニの言葉は、
普通に悲しくなる。


それから、途中で突然、
ローレンに、田舎に預けている子供がいる事が分かる。
しかも3人も!
そんな伏線はなかったので、
「一体いつ産んだのよ?」と思う。
マストロヤンニとの関係は、
付かず離れず、長期に渡って会わない期間もあるので、
その間に産んだらしいのだけれど、
それにしても3人て(笑)。
しかも、マストロヤンニの実子はその中の一人だけらしい(笑)。


子供の存在を、
ローレンは結婚式のあと、打ち明ける。
マストロヤンニは衝撃を受け、
どの子が自分の実子なのか、
なんとかして知ろうとするけれど、
絶対に口を割らないローレン。
「子供は皆平等。一人だけ特別扱いはしたくない」と。


“子は鎹”ということわざは、
日本だけかと思っていたけれど、
イタリアでもそうなんだなぁと、
ちょっとしみじみ。


子供たちと接する場面での、
ローレンの顔が、演技とはいえ大変に輝いていて美しく、
母だった。
その場面が一番好き。


評価 ★★★☆☆

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