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「長崎の鐘」 [映画]

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〔1950年/日本〕


長崎大学医学部の学生・永井隆は、
内科医を志していたが、
雨に打たれた事が原因で、
急性中耳炎をおこし、
右耳が不自由になってしまう。


そんな状態では、
聴診器を使っての診察ができない。
泣く泣く、内科医を諦めた永井は、
物理療法科(レントゲン科)の道に進む。


当時、物理療法科は、
他の医学より、一段下に見られ、
永井も失意の中にいたが、
次第に研究にのめり込むようになる。


看護婦の山田幸子(津島恵子)は、
そんな永井を支える一人。
内科への転科の話を断り、
永井の傍にいる事を決める。


もう一人、永井の身近にいる女性が、
下宿先の娘・森山みどり(月丘夢路)。
みどりの両親は、
永井とみどりの結婚を望んでおり、
永井はそれを承諾する・・・。





実在の医師・永井隆の半生を描いた映画。


耳を悪くしたせいで、
内科医を諦めた永井が、
不本意ながら、
レントゲン科の道に進むが、
その研究に没頭してゆく様子がいい。


人間、誰しもが、
希望する進路に進めるわけでなく、
時として、失意の中、
嫌々、その道に進む事もあろう。


それでも、
そんな状況の中から、
生き甲斐を見出し、
まるでそれが天職のようになってゆく、
永井先生の仕事への取り組み方は
見習いたいものがある。


そんな真面目で、素敵な永井先生は、
女性からもモテモテである(笑)。


看護婦の幸子と、
下宿先の娘・みどり。
先生はどちらを選ぶのかと、
気になって観ていたら、
選んだのみどり。


そっかぁ、
私は、どちらかというと幸子の方が好きだけど・・・
・・・って、
私の好みはどーでもよろしい(笑)。


実は、この映画、
日本で初めて、
原爆が描かれた映画なのだそうだ。


長崎在住の永井先生は、
原爆で妻を失う。
被爆状況などを、
もっと詳しく描きたかったようだけれど、
GHQの検閲が入り、
叶わなかったそうだ。


評価 ★★★☆☆

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