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「はりぼて」 [映画]

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〔2020年/日本〕


試写会で観た。


2016年に起こった、
富山市の市議会議員による、
政務活動費不正受給の発覚。
14人もの議員がドミノ辞職した、
その顛末を描いたドキュメンタリー。


政治家の皆さまが全員、不正をしているとは言わないけれど、
おそらく、この映画のような事は、
日常的にあるんだろうな、と思わされる内容。


なにせ、市会議員のおっさんたちは、
行われてもいない会議をしたとして、
場所代に何十万円もの金を計上したり、
自宅のコピー機で印刷したものを、
印刷屋に頼んだとして、
これまた、何十万もの領収書を添付したり、
まるで行った事もない福岡に視察に行った事にして、
政務活動費を受け取っている。


それに気付いた、
富山市のチューリップテレビの、
2人の記者が、
一人の議員を追及した事がきっかけになって、
まさしくドミノのように、
14人もの議員が辞職。


さらに、
問題が多少鎮火した頃、
今度は年若い30代の議員が、
女性職員の机を物色したり、変なメールを送り付けたりの事件が勃発。
老人は金問題で、
若手は痴漢?ストーカー?
一体どうなっちゃってるの?


しかも、おかしいのが市長。
映画の中で市長は、
「私はその件について、発言する立場ではない」
と千回くらい言う。
じゃあ、あなたは、
何の件なら、発言する立場にあるの?
と聞きたいくらい。
市長とは、市の長でしょう。
会社でいえば、社長でしょう。
何か問題が起こっているさ中、会社の社長がそんな事を言ったら、
大変な騒ぎになるよね。


なーんて、こんな風に書くと、
なんだか重苦しい、真面目な映画だと思われそうだけど、
議員のおっさんたちの、
見苦しい言い訳と謝罪の、
あまりに滑稽で、みっともない様子のバックに、
なにかすっとぼけたようなBGMが流れ、
劇場内は、笑いでいっぱい。


上映後、この映画の監督で、
元チューリップテレビの記者、
五百旗頭幸男さんと、
砂沢智史さんによる、
リモート舞台挨拶があった。

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お二人は、この映画を、
コメディとして見てほしい。
そして最後に憤ってほしいと話されていた。


それにしても、このような事は、
ほんの氷山の一角だろうし、
お金の単位だって、
もっと凄いところからしたら、微々たるものなんだろう。


この、チューリップテレビの記者さんのような方に、
もっと追及してほしい人がいるな。
誰とは言わないけど。
日本の政治ピラミッドの頂点の人とか。


評価 ★★★★☆

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