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「エデンの園 Il giardino dell'Eden」 [映画]

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〔1980年/日本〕


大富豪のお嬢様・アレッサンドラ(レオノーラ・ファニ)は、
ローマで絵画の勉強をしている中、
ミケーレ(ロニー・バンレテ)というスリの少年に、
財布を盗まれる。


翌日、アレッサンドラに財布を返したミケーレは、
エトルリアの壺を見せると、
アレッサンドラを誘い、
バイクで誰もいない海辺に行く。


2人は、数日間を、誰にも邪魔されずに過ごすが、
その頃、アレッサンドラの家は大騒ぎになっていた。
アレッサンドラの両親は、
ミケーレが娘を連れ出した事を知り、
誘拐ではないか、と新聞に2人の写真を載せたのだ。


一方、
新聞を見た、ミケーレの兄は、
誘拐事件を本物にして、
身代金を要求し・・・。





大好きな増村保造監督が、
なぜか、イタリアで作った映画。


出だしは、増村監督の特徴である、
俳優さんたちの大仰な演技がそこまで感じられず、
「やっぱり、外国に行くと勝手が違うのね」
と思いながら観ていたのだけれど、
ラスト近くになって、
段々それが発揮されてきたので、
「これよ、これ。これこそが私の観たかった増村監督よ」
と嬉しくなった(笑)。


普段から、多少強引な人物設定の
増村監督だけど、
そこは、この映画でも変わらない。


なにせ、
主人公のカップルの男の子が家ってのが、
泥棒一家(笑)。
母親がボスのようで、
毎日、3人の息子たちの盗品をチェック。


この家では、
盗んだ品や金が、高価であるほど、
立派な息子と言われるようで、
末っ子のミケーレは馬鹿にされっぱなし。


そんなミケーレが、
富豪のお嬢様・アレッサンドラに恋をして、
誰もいない地中海に
恋の逃避行を決め込むんだけど、
そこからは、
「青い珊瑚礁」状態(笑)。


ここには2人だけ、
2人だけのエデンの園よ、
と言わんばかりに、
もう、服を着るのも面倒くさそう(笑)。


けれど、同じ頃、アレッサンドラの家では、
多数の刑事が上がりこんで、
電話の逆探知の機械を設置。
そりゃそうだ、
娘が泥棒一家の末っ子にさらわれたんだから、
誘拐と思うのが当然。


一方、ミケーレの家では、
いままで馬鹿にしてたミケーレが、
そんな大胆な犯罪を犯したってんで、
よくやった!と、
母親と兄たちが大喜びしておった(笑)。


評価 ★★★☆☆





以前、リクエストをいただきましたので、
増村保造監督の映画を観た際は、
リストを載せる事にしています。


(★は観た作品)
(全制覇まで、残り3本)


★くちづけ(1957年)
★青空娘(1957年)
★暖流(1957年)
★氷壁(1958年)
★巨人と玩具(1958年)
★不敵な男(1958年)
★親不孝通り(1958年)
★最高殊勲夫人(1959年)
★氾濫(1959年)
★美貌に罪あり(1959年)
★闇を横切れ(1959年)
★女経(オムニバス・第1話 耳を噛みたがる女)(1960年)
★からっ風野郎(1960年)
★足にさわった女(1960年)
★偽大学生(1960年)
 恋にいのちを(1961年)
★好色一代男(1961年)
★妻は告白する(1961年)
★うるさい妹たち(1961年)
★爛(1962年)
★黒の試走車(1962年)
★女の一生(1962年)
★黒の報告書(1963年)
★嘘(オムニバス・第1話プレイガール)(1963年)
 ぐれん隊純情派(1963年)
★現代インチキ物語 騙し屋(1964年)
★女の小箱より 夫が見た(1964年)
★卍(1964年)
★黒の超特急(1964年)
★兵隊やくざ(1965年)
★清作の妻(1965年)
★刺青(1966年)
★陸軍中野学校(1966年)
★赤い天使(1966年)
★妻二人(1967年)
★痴人の愛(1967年)
★華岡青洲の妻(1967年)
★大悪党(1968年)
★セックス・チェック 第二の性(1968年)
★積木の箱(1968年)
★濡れた二人(1968年)
★盲獣(1969年)
★千羽鶴(1969年)
★女体(1969年)
★でんきくらげ(1970年)
★やくざ絶唱(1970年)
★しびれくらげ(1970年)
★遊び(1971年)
★新兵隊やくざ 火線(1972年)
★音楽(1972年)
 御用牙 かみそり半蔵地獄責め(1973年)
★悪名 縄張荒らし(1974年)
★動脈列島(1975年)
★大地の子守歌(1976年)
★曽根崎心中(1978年)
★エデンの園 Il giardino dell'Eden(1980年)
★この子の七つのお祝いに(1982年)

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