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「我等の生涯の最良の年」 [映画]

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〔1946年/アメリカ〕


長かった第二次世界大戦が終わり、
復員兵たちが、アメリカ本土に戻りつつある頃。
軍曹のアル(フレドリック・マーチ)、
飛行大尉のフレッド(ダナ・アンドリュース)、
水兵のホーマー(ハロルド・ラッセル)の3人は、
故郷が同じだったため、
軍用輸送機に乗せてもらい、帰ってくる。


アルは、妻や、
成長した子供たちに迎えられ、
その後、元の勤め先の銀行に
副頭取として勤務することになるが、
融資を希望する復員兵に、
担保無しで金を貸してしまい、
頭取から軽く注意を受ける。


フレッドは、中々仕事が決まらず、
派手好きな妻・マリーから馬鹿にされる。
外出や外食を好むマリーに、
質素な生活を望んでも、伝わらない。


ホーマーは、戦地で両手を失い、
義手を器用に使いこなすが、
婚約者のウィルマと、彼女の両親は、
ショックを隠し切れない。


そんな中、
アルの娘・ペギーが、
フレッドに恋をしてしまう・・・。





「ローマの休日」で有名な、
巨匠ウィリアム・ワイラー監督の作品。


第二次世界大戦後の
復員兵の愛と苦悩を描いた
172分の大作で、
アカデミー賞作品賞を受賞した映画でもある。


作品の所々で、
第二次世界大戦を批判するような
セリフがある。
アメリカが戦争について、
自己批判する映画は、
数少ないそうだ。
確かに、そう言われてみると、
日本に原爆を落とした事も、
多くのアメリカ人が、
「必要な事だった」と答えた統計を見た事がある。


アルの息子が、
「日本人は家族を大切にすると聞いた。
 原子力でなく、人間は共存すべきだ」
などと発言したり、
フレッドとホーマーが、
見知らぬ老人から、
「君たちは犠牲者だ」と言われたり。


これが最近の映画なら、
戦争から大分時間が経って、
昔の事を俯瞰で眺める事ができるようになったのだと
思うんだろうけど、
戦争の翌年の映画なのだから驚く。
私は、アメリカは勝利に浮かれているのだとばかり思っていた。


そして、そんな復員兵たちを支え、
また、時に、苦しめる女性たち。


ホーマーとウィルマの事は、
多くの方が書かれているので、
言及しないけど、
私は、フレッドとマリーの夫婦が
面白かったな。
こういう悪妻って、
いつの時代もいたんだなぁ、と(笑)。


最後は、とりあえず、みんなハッピーに。
もちろん、現実は、
この先も人生は続くわけだけど。


評価 ★★★★☆

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