SSブログ

「踊り子行状記」 [映画]

odorikogyojoki.jpg
〔1955年/日本〕


旗本の軽輩、
安堂左馬之助(市川雷蔵)と武智十郎太(勝新太郎)は、
親友同士。


剣の腕を買われた2人は、
共に、異例の出世し、
その祝宴の席に呼ばれた
踊り子・誰弥(山本富士子)と団七(長谷川裕美子)は、
どちらも、馬之助に心惹かれる。


その翌日、
2人の出世を快く思わない香東玄六(河野秋武)から、
ひどく絡まれた安堂左と武智。
武智は香東の無礼な物言いに怒り、
彼を斬って、死なせてしまう。


安堂左は、
自分の妹と武智が婚約している事、
武智には母親がいる事などの理由で、
自分が罪をかぶり、
身を隠すため、誰弥の家に匿ってもらうのだが・・・。





これはちょっと納得がいかないなぁ。


香東玄六という、酒乱で、いけ好かないおっさんに、
理不尽に絡まれた、
雷蔵さんと、勝新さん。


勝新さんは、思い余って玄六を斬り捨てるのだけれど、
これって、どう見ても正当防衛じゃないか。


あの場で、玄六を斬らなければ、
逆に自分たちが斬られていただろうことは、
十分あり得ることで、
勝新さんが悪いとは、とても思えない。


時代劇って、
バッタバッタと人を斬り殺す場面があるかと思えば、
たった一人の人間を、
正当防衛で殺めてしまっただけで、
罪に問われるなど、
どうも、基準がよく分からない。


まぁ、よい。
そんな事より、
勝新さんの罪を被って、
ほとぼりが冷めるまで、隠れるつもりの雷蔵さんは、
踊り子・山本富士子さんの家の二階に。


山本富士子さんは、
先の宴席で、雷蔵さんに惚れちまったもんだから、
「きゃ☆」てなもんである(笑)。


そりゃそうだ、
私だって、自分ちの二階に雷蔵さんを置いてやってくれ、
なーんて言われたら舞い上がる(笑)。
どーぞどーぞ、
永遠にいてちょうだい、と大歓迎するであろう(笑)。


けれど、それを面白く思わないのが、
山本さんのライバルの踊り子・長谷川裕美子さん。


長谷川さんは、女の勘で、
雷蔵さんが、山本さんちの二階にいると察する。
そこから、色々物語が発展するんだけど、
長谷川さんも、
山本さんと違った意味で、いい女である。


彼女は、悪女のようで悪女でなく、
場面によっては、
山本さんより洒落た事を言ってのける。


長谷川さんは、名前の通り、
長谷川一夫の姪なのだそうだ。


それから、船越英二さんの奥さんでもあるそうで、
それってつまり、あの松居一代さんの姑って事よね(笑)。
いや、まさか、
このような時代劇から、松居一代さんに辿り着くとは思ってもみなかった(笑)。


評価 ★★★☆☆

nice!(122)  コメント(8) 
共通テーマ:映画