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「愛の化石」 [映画]

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〔1970年/日本〕


報道カメラマンの日比野(高橋悦史)は、
人気デザイナー・沢由紀(浅丘ルリ子)の写真を撮るという仕事を
渋々引き受ける。


由紀は、繊維メーカー・ロンシャンの専属で、
今や、タレント並みの売れっ子。
ロンシャンの企画部長・原田(田宮二郎)も、
彼女を高く買っている。


日比野は謎に包まれた由紀の過去を探るが、
中々正体が掴めない。


そんなある日、
由紀は、かつての恋人・碧川が、
ローマから帰国した事を知り、
必死に探し回るが・・・。





コテコテのメロドラマ。
そして登場人物全員は、
何も得る事がなく、映画は終わる。


おそらく1970年前後、
時代の最先端だったであろう、
デザイナー
カメラマン
パリ
ローマ
ニューヨークなどのアイコンが
いくつも散りばめられていて、
ちょっと華やかな感じがする映画だったのでは、
と想像する。


そして、浅丘ルリ子さんは、
スポーツカーをぶっ飛ばしている。
当時、女性が車を運転するって、
カッコいい事だったんだろうなぁ。


ジャケット写真のイメージからだと、
高橋悦史さんと田宮二郎さんと浅丘ルリ子さんの
三角関係の物語?と思ってしまうけど、
そのような事はなく、
どちらかというと、
高橋さんと浅丘さんと、
高橋さんの恋人が、
微妙な三角関係の様相を見せる。


高橋さんの恋人が、
「私、〇〇さんにプロポーズされたの」と言い、
駆け引きに出るんだけど、
昔って面白いな。
お付き合いもしていないのに、
つまり、恋人同士の期間もないのに、
いきなりプロポーズ。
古い映画を観ていると、
そういう場面は結構多い。


それにしても、
「昨日ローマから帰ってきて、
 今日はニューヨーク」
などと、普通に言える事が、
今は心の底から羨ましい。


まさか、この映画から50年後、
世界が目に見えないウイルスに
振り回される事になろうとは、
誰も想像しなかっただろう。


早く、一日も早く、
何の不安もなく、
ローマやニューヨークに行ける日が来ることを
心から願っています。


評価 ★★★☆☆

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