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「虹男」 [映画]

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〔1949年/日本〕


ある山奥の別荘で火事があり、
焼け跡から遺体が出てくる。
どうやら、殺されてから、
放火されたらしい。


容疑者は、
別荘の持ち主・摩耶家の親類の娘・由利枝。
しかし、由利枝は、
記憶がないと言っては、泣くばかり。


偶然、警視庁で由利枝と会った、
新聞記者の美々は、
由利枝とは学校時代の親友。


美々は、由利枝が人を殺せるような人間ではないと、
調査を始めるが、
摩耶家には、恐ろしい秘密があった・・・。





〇〇男、なんてタイトルを見ると、
江戸川乱歩の小説を思い浮かべるけれど、
(「蜘蛛男」とか、「影男」とか)
これも、まぁ、乱歩の小説のような、
犯人探しの物語。


「虹男」という、
この世のものではない者が登場するわけではなく、
私は、
オカルトより、サスペンスの方が好きなので、
その設定で良かった。


舞台となる、摩耶家は、
代々、人口虹を作り出す研究をしていて、
だったら、虹が好きなんじゃないかと思うけど、
そうではなく、
なぜか虹に怯えている。


そもそも、この摩耶家は、
おかしな人間の集まりで、
こんな中にいたら、
気が変になっても
不思議はない感じで。


それにしても、
主人公の由利枝は、
昔気質の女なんだろうけど、
メソメソメソメソ泣いてばかりいる。


そして、時々、
意を決したように、
美々に、
「秘密を打ち明けますわ」と
言いかけるんだけど、
必ず何かの邪魔が入って、
中断される。
さっさと話せよ、と思う(笑)。


この映画、
基本は白黒なのだけれど、
登場人物たちの見る虹の幻覚部分だけが、
カラーで映し出される。
これは昔は、
とても衝撃的な演出だったそうだ。


ただ、カラーの部分のフィルムが見つからないそうで、
現在、観られるのは、
復元したものだとの事。


評価 ★★★☆☆

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