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「殺陣師段平」 [映画]

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〔1950年/日本〕


大正時代。大阪。
「新国劇」で、役者たちに殺陣をつけていた
殺陣師・市川段平(月形龍之介)は、
創立者の沢田正二郎(市川右太衛門)から、
もっと、殺陣にリアリティがほしいと言われてしまう。


文字も読めない段平は、
リアリティとか、写実とか言われても、
意味がわからず苦しむが、
それでも、沢田が気にいるような殺陣を考え出す。


そんな段平を、
女房のお春(山田五十鈴)は
力強く支えている。


そんなある日、
段平は、
「新国劇」の東京公演のため、
大阪を離れるが・・・。





殺陣に生涯を捧げた、
男の物語。


市川段平というのは、
実在の人物なのだそうだ。


無学だけれど、
芸に賭ける情熱は誰にも負けない
段平という人は、
「芸のためなら女房も泣かす」
という歌を地でいっている。


いや、別に、
女房に酷い仕打ちをするわけじゃないんだけど、
色々あって、
やっぱり女房も寂しさを覚える事も
あったのではなかろうかと。


その女房を演じる、
山田五十鈴さんがとってもいい。


彼女は髪結いをしながら、
段平を支えている。
段平の気性を知り抜いていて、
彼が、意地を張っていると、
わざと反対の事を言って、
彼が次の行動に移りやすいように、
仕向ける。
さすがとしか言いようがない。


段平は、
仕事柄、女性から恋文などをもらう事もあるのだが、
水に濡れたそれを、
ちゃんと乾かして、
渡してやったりもする。
うーん、すごい。
私に、そんな真似ができるだろうか(笑)。
いや、段平は文字が読めないから、
そこまで心配していなかったのかもしれないが。


この映画、
12年後の1962年に、
リメイクされている。


段平役を中村鴈次郎さんが、
沢田役を市川雷蔵さんが演じているようだ。


次はそちらを観るつもり。
お二人とも大好きだから、
めっちゃ楽しみ。


評価 ★★★☆☆

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