「虹男」 [映画]
〔1949年/日本〕
ある山奥の別荘で火事があり、
焼け跡から遺体が出てくる。
どうやら、殺されてから、
放火されたらしい。
容疑者は、
別荘の持ち主・摩耶家の親類の娘・由利枝。
しかし、由利枝は、
記憶がないと言っては、泣くばかり。
偶然、警視庁で由利枝と会った、
新聞記者の美々は、
由利枝とは学校時代の親友。
美々は、由利枝が人を殺せるような人間ではないと、
調査を始めるが、
摩耶家には、恐ろしい秘密があった・・・。
〇〇男、なんてタイトルを見ると、
江戸川乱歩の小説を思い浮かべるけれど、
(「蜘蛛男」とか、「影男」とか)
これも、まぁ、乱歩の小説のような、
犯人探しの物語。
「虹男」という、
この世のものではない者が登場するわけではなく、
私は、
オカルトより、サスペンスの方が好きなので、
その設定で良かった。
舞台となる、摩耶家は、
代々、人口虹を作り出す研究をしていて、
だったら、虹が好きなんじゃないかと思うけど、
そうではなく、
なぜか虹に怯えている。
そもそも、この摩耶家は、
おかしな人間の集まりで、
こんな中にいたら、
気が変になっても
不思議はない感じで。
それにしても、
主人公の由利枝は、
昔気質の女なんだろうけど、
メソメソメソメソ泣いてばかりいる。
そして、時々、
意を決したように、
美々に、
「秘密を打ち明けますわ」と
言いかけるんだけど、
必ず何かの邪魔が入って、
中断される。
さっさと話せよ、と思う(笑)。
この映画、
基本は白黒なのだけれど、
登場人物たちの見る虹の幻覚部分だけが、
カラーで映し出される。
これは昔は、
とても衝撃的な演出だったそうだ。
ただ、カラーの部分のフィルムが見つからないそうで、
現在、観られるのは、
復元したものだとの事。
評価 ★★★☆☆
幻覚部分だけがカラー?!
なかなかシュールな感じ。ポスターも妖しさ満載!
by よーちゃん (2020-03-17 14:28)
つい浮かんでしまった・・・虹郎・・村上。
「デッドストック」という深夜番組のこの方が素晴らしかった。。。
by Ginger (2020-03-17 17:05)
確かに、江戸川乱歩の作品のような題名ですね。
観てみたいですね。
by 拳客 (2020-03-17 19:58)
よーちゃんさん
コメントありがとうございます。
言われる通り、
本当にシュールでした^^
怪しい映画もたまにはいいです^^
by 青山実花 (2020-03-19 16:25)
Gingerさん
コメントありがとうございます。
村上虹郎さん、
最近、ご活躍ですね。
「デッドストック」は未見です。
面白そうですね。
私が直近で観たのは、
映画「楽園」です。
こちらも面白かったです。
by 青山実花 (2020-03-19 16:30)
拳客さん
コメントありがとうございます。
まだ乱歩がご健在の時代ですし、
そういうものが流行っていたのかもしれませんね^^
by 青山実花 (2020-03-19 16:32)
なかなか「通」ですね。
この映画、特撮ファンにも人気が高いんです。
映画の歴史は古い。
紙芝居からはじまり、連続写真、
そしてついに写真が動くようになった。
人はそれを「活動写真」と呼んだ。
そして時は流れ、音が付きはじめる。
トーキーの誕生である。
だが、まだ足りない。
そう、映画は白黒だった。
だが高価なカラーフィルムは、開発された後でも、
そう易々とは使えなかった。
テレビでも、まだ1970年は
白黒製作の番組があったほど。
やがて、カラー映画があたりまえとなる。
「総天然色」である。東映カラー、大映カラー、
それからーと、実は使うフィルムによって色味が
違っているのである。
マニアが見ると、「あぁ、あれはコダックだね」とか、
「イーストマンカラーだよ」と見分けてしまう。
それはさておき、白黒からカラーへの過渡期、
本編の一部だけ、カラーにする…。
そんな風潮があった。フィルムが高価なのもあるが、
ここぞ!という場面を演出するにはもってこい
だったのだろう。
映画に色がついたってよ!。
そりゃあもう、町中の話題さね。
そんな映画を「パートカラー」と呼んだ。
本作「虹男」のカラー部分が紛失している…、
というのは、ボクの長年の研究によれば、
最初からカラーでは撮影されていないのでは
ないか?と、推測している。
「パートカラー」というぐらいだから、
パートのオバちゃんが近所の文房具屋で、
色セロハンを買ってきて、上映中に
ライトで照らしたのではないか?…と。
これは映画界の常識を覆す大発見なのである…。
実際のところは初期のカラーフィルムなんて、
品質が安定していないので、退色して色が
飛んでしまったのではなかろうか。
大手の大映映画で紛失なんて…。
by 裏・市長 (2020-03-22 05:25)
裏・市長さん
コメントありがとうございます。
さすがは裏・市長さんですね。
後期高齢者だけの事はあり、
映画の歴史に大変にお詳しい。
あれでしょう、
裏・市長さんは、
初めて、映画というものが公開されたとき、
走ってくるスクリーンの中の汽車を見て、
逃げまどった群衆の中におられたのでしょう?
さすが、生きる映画生き字引!
なるほど、そうなんですか、
この映画はそんなに人気なのですか。
わたくしは何も知らず、
ただただ、古い映画が好きという理由だけで、
観てしまいましたわ。
映画には、「一部だけ〇〇」というのが、
色々ございますわね。
一部だけカラー、
一部だけ英語、
一部だけ裏・市長
などなど。
「一部だけ裏・市長」というのは、
映画「昼顔」の撮影中、
腹を下した斎藤工さんに代わり、
一部だけ、裏・市長さんが代役を務めているとか。
試写を観た人たちからは
大ブーイング、
スクリーンに向かって、
座布団
みかん
卵などが投げつけられたそうですわね。
実はこれ、
斎藤工さんと上戸彩さんの
ラブシーンの撮影前日に、
斎藤工さんの飲み物に、
裏・市長さんが下剤を仕込んだ、というのが
もっぱらの噂でございますが・・・。
これは映画界の常識を覆す大発見なのである…。
by 青山実花 (2020-03-25 18:33)