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「フロントランナー」 [映画]

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〔2018年/アメリカ〕


1988年。
アメリカの大統領選。
コロラド州から選出された、
ゲイリー・ハート(ヒュー・ジャックマン)。


若く、イケメンで、爽やか、
知的で、カリスマ性も兼ね備えたハートは、
フロントランナー=最有力候補者として、
当選確実と目されていた。


しかし、新聞社・マイアミ・ヘラルド紙が、
ハートのある疑惑をスクープする。
明確な証拠はないものの、
彼は窮地に追い込まれてゆく・・・。





これは実話?・・・なのよね?
ゲイリー・ハートさんって、
実在の人物なのよね?


なんというか、
こんな題材で映画にされる
ハートさんの気持ちって、どうなのよ(笑)。


伝記映画といえば、
偉大な業績を上げた人とか、
もしくは、逆に、
とんでもない悪事を働いた人の、
両極端なケースが多い気がするんだけど、
「たかが」こんな事で、映画にされて、
永遠に残るって(笑)。


ハートさんたら、
何で選挙期間中の、
一番大事な時に、
そんなつまらない事をしたかな。


アメリカの大統領選ともなれば、
アメリカ国内だけでなく、
世界中が注目しているのだから、
そんな間くらい、色々我慢しろよ、って(笑)。


ただ、彼は、
立候補する以前から、
似たような事をしていたようで、
それが、このような騒動の前から、
囁かれてもいたようだ。
英雄色を好む?(笑)


有名になるって、
大変な事だ。
特に、人の上に立つようなものに、
立候補するときは、
自分の過去を振り返って、
「ヤバい」事は、解決しておいた方が
いいような気がする。


1988年でこれなのだから、
ネットが発達した今は、
どんな過去が暴かれるか分からないし、
もっと大変ね。
有名になりたいのなら、
丸裸にされる覚悟をしなければ。


まぁ、今の日本でも色々ある。
あのような過去がありながら、
よく婿に立候補したよな、と思われる人とか(笑)。
いや、関係ないですね、
すみません(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「ファースト・マン」 [映画]

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〔2018年/アメリカ〕


1961年。
空軍のテストパイロット、
ニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)は、
幼い娘を病で亡くす。


その悲しみから逃れるように、
NASAのジェミニ計画に応募したニールは、
見事合格し、
宇宙飛行士への道を歩み始める。


様々な困難や非難はあったが、
訓練を積んだニール
アポロ11号の船長に任命され・・・。





人類初の月面着陸を果たした、
ニール・アームストロング船長の伝記映画。


どこまでがフィクションかは分からないけど、
基本は、事実に基づいている話だと思う。


まず、単純に驚いたのは、
今から50年以上前に、
人間は既にもう、宇宙に行けるロケットを開発し、
月面に立ってしまったという事実。


当時、アメリカとロシアは、
宇宙開発でしのぎを削っていたというけれど、
国に関係なく、
人間の英知の凄さを痛感する。


しかも、単純にロケットを一基、
宇宙に飛ばすのでなく、
途中で切り離したり、
ドッキングさせたりと、
未知の宇宙空間において、
なぜ、それが絶対「できる」と確信できたのだろう。


もちろん、そこに行き着くまでには、
それはもう、
大変な犠牲があり、
尊い命がいくつも犠牲になる場面がある。
そして、
一般の人々にとっては、
そんな「無駄」な開発より、
明日のパンが買えない現実をどうにかしろ、という
デモがあったり、
こんな簡単な文章では描き切れない、
大変な経過がある。


だからこそ、
ニール船長が、
月面に立った瞬間の場面は感動。
「ついにやった!」という思いで
胸がいっぱいになる。


このニール船長、
そこまで宇宙に固執して見えず、
「夢叶え物」になっていないのが、
かえっていい。


たとえば、彼が、
子供の頃から宇宙や星が好きで好きで、
となると、
普通の成功物語となってしまいそうだけど、
そのような場面はなく、
そういう点では割と淡々としている。


それより、彼の心は、
幼くして亡くした娘の事の方が大切なようだ。


彼は、降り立った月面で、
娘を思いながら、ある事をする。
あれが事実なのか、フィクションなのかは、
分からないけれども。


評価 ★★★☆☆

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「誰よりも狙われた男」 [映画]

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〔2013年/アメリカ〕


ドイツ・ハンブルグ。
諜報機関でテロ対策チームのリーダーをする
バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、
チェチェン人の青年・イッサ・カルポフの
密入国を確認する。


イッサは、イスラム過激派として、
国際指名手配されている人物。
バッハマンは、
すぐに彼を捕まえる事をせず、
泳がせて、
さらなる大物を狙おうと決める。


イッサは、
人権派の女性弁護士・アナベル(レイチェル・マクアダムス)を
通して、
銀行家・ブルー(ウィレム・デフォー)と接触。
その理由は、
イッサの父が残した、
莫大な遺産を手に入れる事。


バッハマンはアナベルを、
拉致に近い方法で拘束し、
イッサの行動を報告するよう、
働きかける・・・。





フィリップ・シーモア・ホフマン主演の、
スパイもの。


チェチェン人の青年・イッサがドイツに入国し、
すぐに彼を捕まえるか、
泳がせて、
さらなる大物を狙うか、
CIAとも対立しながら、
迷うホフマンの葛藤が見どころ。


テロリストと言われるイッサも、
単なる悪人とは描かれていない。
彼は、複雑な幼少期を過ごした、
悩める青年で、
「本当にテロリストなの?」と、
鈍い私には最後まで分からないくらい、
物静かな人間にしか見えない。


彼を匿う、
レイチェル・マクアダムスも、
思いは同じようで、
イッサをどう扱っていいのか、
迷いがあるように感じられた。


それは、マクアダムスが、
ホフマンのチームに、
拉致されるように車に押し込められた時、
「それほど抵抗しなかったな」
「もう、この案件は、手に余っているのではないか」と
投げかけられたセリフからも、分かる。


ラストのショックったら、ない。
あれはないよ。


フィリップ・シーモア・ホフマンは、
2014年に、薬物のオーバードーズで亡くなり、
これが遺作となった。


彼ほどの年齢になり、
俳優としての地位も確立しているというのに、
それでも薬物が止められないって、
どういう事なんだろう。


彼と、ウィレム・デフォーが
同じ画面におさまった場面は、
良かったなぁ。


2人とも、
華やかなトップスターでなく、
イケメン俳優というのでもないけれど、
渋く、
主役・脇役の両方を演じられる、
中堅どころの、
素晴らしい俳優さんだ。


ホフマンは亡くなってしまったけれど、
ウィレム・デフォーは、
この先も、ずっと頑張っていってほしい。


評価 ★★★★☆

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「ずべ公天使」 [映画]

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〔1960年/日本〕


インテリヤクザの岸田(高倉健)は、
街のズベ公たちを利用して、
金を儲ける方法を思い付く。


それは、ズベ公たちに、
英語の勉強や行儀見習いをさせ、
大企業に就職させて、
会社の秘密を掴み、
ゆすりのネタにしようという作戦だ。


けれど、努力の甲斐もなく、
ズベ公たちは全員、
就職試験に落ちてしまう。


しかし、ある事がきっかけで、
4人が大手火薬会社に採用され、
働き始めると・・・。





すごいタイトルだわ。
「ずべ公」って、今、言わないよね(笑)。
っていうか、
私が今まで生きてきた中で、
「ずべ公」なんて言葉は、
一度も口にした事がない気がする。


で、この映画、
ヤクザの高倉健さんが、
そんなずべ公たちを、大企業に就職させて、
会社の秘密を掴むって話だけど、


なんでまた、そんな遠大な計画を(笑)。
まずは、勉強や行儀見習い?
のんきすぎやしないか?(笑)


その後、入社できたとしても、
一介の女子社員が、
会社を強請るほどの情報を得るなんて、
そこまで行くのに、
一体何年かかると思ってるんだ?(笑)。


まして、この映画は1960年。
女が重要なポストに就く事など、
殆どなかったんじゃないのかな。
その前に定年になっちゃうんじゃない?(笑)。


そんな事より、
清川虹子さんがいい。


清川さんは、
高倉さんとは別のヤクザの組を仕切る、
女組長。


で、何かと高倉さんに迫り、
高倉さんはタジタジ(笑)。


清川さんの演技は最高だし、
高倉健さんにも、こんな時代があったというのも
可笑しい。


評価 ★★★☆☆

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「チャタレイ夫人は日本にもいた」 [映画]

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〔1953年/日本〕


職業軍人の夫・高島(岡譲二)と妻・朋子(轟夕起子)は
深く愛し合っていたが、
高島は演習中の怪我が原因で、
性的不能者となってしまう。


それでも献身的に夫に尽くしてきた朋子だが、
ある日、
高島の知人で画家の酒井(宇野重吉)から
強引に迫られ、妊娠。


高島は大変なショックを受けるが、
生まれた娘・咲子を自分の子として、
可愛がる。
年頃になった咲子(若尾文子)に
縁談話が持ち上がるが・・・。





この映画を知った時から、
私はずっと、
エロティックコメディを想像していたのだけれど、
とっても真面目なお話しであった。


原作は直木賞作家の川口松太郎さんだけど、
これ、ちょっとズルくないか?


だって、D・H・ローレンスの小説、
「チャタレー夫人の恋人」のストーリーを
丸々、日本に置き替えただけ。
川口松太郎さんが創作したのは、
娘が生まれた以降の部分のみ。


でも、まぁ、いいや。
川口松太郎さんといえば、
川口浩様のお父様で、
私にとっては舅と同じ。
もう何でも許しちゃう(笑)。


「チャタレー夫人の恋人」は、
芸術家、猥褻か、で、
裁判にまでなったらしいけど、
この映画は、
そのようなエロシーンはなく、
不能になった夫と、
悩む妻、
そして、その妻を愛しながらも、
日陰の身でいるしかなかった画家の苦悩が
大真面目に描かれる。


ちなみに、日本で、
「チャタレー夫人の恋人」が
修正されて出版されたのが1935年。
無修正が出版されるも、猥褻だと摘発されたのが1950年。
裁判で負けて、性描写が削られたのが1964年。
完訳版が出たのが1996年。
(Wikipediaより)


61年もの間に、
世の中の方がどんどん進んじゃって、
「これのどこが猥褻なの?」って時代になっちゃってるのが
可笑しい。


私は「チャタレー夫人の恋人」、好きだけどな。
チャタレー夫人=コニーは、
とても可愛い女だし、
それに、文庫本の紹介にもあるように、
そもそも、この物語は至高の恋愛小説なのだ。


エロにばかり気を取られて、
本質を見逃してしまっては、
勿体ない。


評価 ★★★☆☆





この作品で、
若尾文子さんの出演映画、161本中123本を観た事となりました。


(★は観た作品)


★春の雪 (2005)
★竹取物語 (1987)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
 幻の殺意 (1971)
★男はつらいよ 純情篇 (1971)
★スパルタ教育 くたばれ親父 (1970)
 座頭市と用心棒 (1970)
★天狗党 (1969)
★千羽鶴 (1969)
★濡れた二人 (1968)
★積木の箱 (1968)
★不信のとき (1968)
★鉄砲伝来記 (1968)
★華岡青洲の妻 (1967)
★砂糖菓子が壊れるとき (1967)
★妻二人 (1967)
★夜の罠 (1967)
★雪の喪章 (1967)
 処女受胎 (1966)
★赤い天使 (1966)
★雁 (1966)
★氷点 (1966)
★処女が見た (1966)
★刺青 (1966)
★妻の日の愛のかたみに (1965)
★不倫 (1965)
★清作の妻 (1965)
★帯をとく夏子 (1965)
★女めくら物語 (1965)
★波影 (1965)
★花実のない森 (1965)
★幸せなら手をたたこう (1964)
 悶え (1964)
★卍(まんじ) (1964)
★獣の戯れ (1964)
★傷だらけの山河 (1964)
★「女の小箱」より 夫が見た (1964)
★温泉女医 (1964)
★新・忍びの者 (1963)
★越前竹人形 (1963)
 女が愛して憎むとき (1963)
★わたしを深く埋めて (1963)
★女系家族 (1963)
 八月生れの女 (1963)
★雪之丞変化 (1963)
★しとやかな獣 (1962)
★秦・始皇帝 (1962)
★瘋癲老人日記 (1962)
★その夜は忘れない (1962)
★やっちゃ場の女 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★閉店時間 (1962)
★爛(ただれ) (1962)
★雁の寺 (1962)
★家庭の事情 (1962)
★妻は告白する (1961)
★新源氏物語 (1961)
★銀座のぼんぼん (1961)
★女は二度生まれる (1961)
★女の勲章 (1961)
★東京おにぎり娘 (1961)
★好色一代男 (1961)
★お嬢さん (1961)
★婚期 (1961)
★花くらべ狸道中 (1961)
★銀座っ子物語 (1961)
 素敵な野郎(1961)
 鎮花祭 (1960)
★偽大学生 (1960)
★安珍と清姫 (1960)
★勝利と敗北 (1960)
★ぼんち (1960)
★からっ風野郎 (1960)
★女は抵抗する (1960)
★女経(じょきょう) (1960)
★初春狸御殿 (1959)
★浮草 (1959)
 実は熟したり (1959)
★美貌に罪あり (1959)
 花の大障碍 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★氾濫 (1959)
★山田長政 王者の剣 (1959)
★薔薇の木にバラの花咲く (1959)
★最高殊勲夫人 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
 新婚七つの楽しみ(1959)
★母(1958)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
 嵐の講道館(1958)
★一粒の麦 (1958)
★息子の結婚 (1958)
★口笛を吹く渡り鳥 (1958)
★愛河 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★螢火 (1958)
★東京の瞳 (1958)
 妻こそわが命(1958)
★青空娘 (1957)
★夕凪 (1957)
★誘惑からの脱出 (1957)
★永すぎた春 (1957)
★朱雀門 (1957)
★慕情の河 (1957)
 続銀河の都 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
 銀河の都 (1957)
 君を愛す (1956)
★四十八歳の抵抗 (1956)
★日本橋 (1956)
★涙 (1956)
 スタジオは大騒ぎ (1956)
 あさ潮ゆう潮 (1956)
★滝の白糸 (1956)
★処刑の部屋 (1956)
★新婚日記 恥ずかしい夢(1956)
★新婚日記 嬉しい朝(1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新妻の寝ごと (1956)
★花嫁のため息 (1956)
 薔薇の絋道館 (1956)
★弾痕街 (1955)
 七人の兄いもうと (1955)
★珠はくだけず (1955)
★長崎の夜 (1955)
★幻の馬 (1955)
 娘の縁談 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
★月に飛ぶ雁 (1955)
 幸福を配達する娘 (1955)
★螢の光 (1955)
 勝敗(1954)
荒城の月 (1954)
★月よりの使者 (1954)
 緑の仲間 (1954)
★浅草の夜 (1954)
 慕情 (1954)
★舞妓物語 (1954)
★酔いどれ二刀流 (1954)
★或る女 (1954)
★心の日月 (1954)
 十代の誘惑 (1953)
 無法者 (1953)
 続続十代の性典 (1953)
 春雪の門 (1953)
★祇園囃子 (1953)
 続十代の性典 (1953)
★チャタレー夫人は日本にもいた (1953)
 怒れ三平 (1953)
★十代の性典 (1953)
 彼女の特ダネ (1952)
 街の小天狗 (1952)
 秘密 (1952)
 明日は日曜日 (1952)
 花嫁花婿チャンバラ節(1952)
★母子鶴 (1952)
 猛獣使いの少女 (1952)
★死の街を脱れて (1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)

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