「チャタレイ夫人は日本にもいた」 [映画]
〔1953年/日本〕
職業軍人の夫・高島(岡譲二)と妻・朋子(轟夕起子)は
深く愛し合っていたが、
高島は演習中の怪我が原因で、
性的不能者となってしまう。
それでも献身的に夫に尽くしてきた朋子だが、
ある日、
高島の知人で画家の酒井(宇野重吉)から
強引に迫られ、妊娠。
高島は大変なショックを受けるが、
生まれた娘・咲子を自分の子として、
可愛がる。
年頃になった咲子(若尾文子)に
縁談話が持ち上がるが・・・。
この映画を知った時から、
私はずっと、
エロティックコメディを想像していたのだけれど、
とっても真面目なお話しであった。
原作は直木賞作家の川口松太郎さんだけど、
これ、ちょっとズルくないか?
だって、D・H・ローレンスの小説、
「チャタレー夫人の恋人」のストーリーを
丸々、日本に置き替えただけ。
川口松太郎さんが創作したのは、
娘が生まれた以降の部分のみ。
でも、まぁ、いいや。
川口松太郎さんといえば、
川口浩様のお父様で、
私にとっては舅と同じ。
もう何でも許しちゃう(笑)。
「チャタレー夫人の恋人」は、
芸術家、猥褻か、で、
裁判にまでなったらしいけど、
この映画は、
そのようなエロシーンはなく、
不能になった夫と、
悩む妻、
そして、その妻を愛しながらも、
日陰の身でいるしかなかった画家の苦悩が
大真面目に描かれる。
ちなみに、日本で、
「チャタレー夫人の恋人」が
修正されて出版されたのが1935年。
無修正が出版されるも、猥褻だと摘発されたのが1950年。
裁判で負けて、性描写が削られたのが1964年。
完訳版が出たのが1996年。
(Wikipediaより)
61年もの間に、
世の中の方がどんどん進んじゃって、
「これのどこが猥褻なの?」って時代になっちゃってるのが
可笑しい。
私は「チャタレー夫人の恋人」、好きだけどな。
チャタレー夫人=コニーは、
とても可愛い女だし、
それに、文庫本の紹介にもあるように、
そもそも、この物語は至高の恋愛小説なのだ。
エロにばかり気を取られて、
本質を見逃してしまっては、
勿体ない。
評価 ★★★☆☆
この作品で、
若尾文子さんの出演映画、161本中123本を観た事となりました。
(★は観た作品)
★春の雪 (2005)
★竹取物語 (1987)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
幻の殺意 (1971)
★男はつらいよ 純情篇 (1971)
★スパルタ教育 くたばれ親父 (1970)
座頭市と用心棒 (1970)
★天狗党 (1969)
★千羽鶴 (1969)
★濡れた二人 (1968)
★積木の箱 (1968)
★不信のとき (1968)
★鉄砲伝来記 (1968)
★華岡青洲の妻 (1967)
★砂糖菓子が壊れるとき (1967)
★妻二人 (1967)
★夜の罠 (1967)
★雪の喪章 (1967)
処女受胎 (1966)
★赤い天使 (1966)
★雁 (1966)
★氷点 (1966)
★処女が見た (1966)
★刺青 (1966)
★妻の日の愛のかたみに (1965)
★不倫 (1965)
★清作の妻 (1965)
★帯をとく夏子 (1965)
★女めくら物語 (1965)
★波影 (1965)
★花実のない森 (1965)
★幸せなら手をたたこう (1964)
悶え (1964)
★卍(まんじ) (1964)
★獣の戯れ (1964)
★傷だらけの山河 (1964)
★「女の小箱」より 夫が見た (1964)
★温泉女医 (1964)
★新・忍びの者 (1963)
★越前竹人形 (1963)
女が愛して憎むとき (1963)
★わたしを深く埋めて (1963)
★女系家族 (1963)
八月生れの女 (1963)
★雪之丞変化 (1963)
★しとやかな獣 (1962)
★秦・始皇帝 (1962)
★瘋癲老人日記 (1962)
★その夜は忘れない (1962)
★やっちゃ場の女 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★閉店時間 (1962)
★爛(ただれ) (1962)
★雁の寺 (1962)
★家庭の事情 (1962)
★妻は告白する (1961)
★新源氏物語 (1961)
★銀座のぼんぼん (1961)
★女は二度生まれる (1961)
★女の勲章 (1961)
★東京おにぎり娘 (1961)
★好色一代男 (1961)
★お嬢さん (1961)
★婚期 (1961)
★花くらべ狸道中 (1961)
★銀座っ子物語 (1961)
素敵な野郎(1961)
鎮花祭 (1960)
★偽大学生 (1960)
★安珍と清姫 (1960)
★勝利と敗北 (1960)
★ぼんち (1960)
★からっ風野郎 (1960)
★女は抵抗する (1960)
★女経(じょきょう) (1960)
★初春狸御殿 (1959)
★浮草 (1959)
実は熟したり (1959)
★美貌に罪あり (1959)
花の大障碍 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★氾濫 (1959)
★山田長政 王者の剣 (1959)
★薔薇の木にバラの花咲く (1959)
★最高殊勲夫人 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
新婚七つの楽しみ(1959)
★母(1958)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
嵐の講道館(1958)
★一粒の麦 (1958)
★息子の結婚 (1958)
★口笛を吹く渡り鳥 (1958)
★愛河 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★螢火 (1958)
★東京の瞳 (1958)
妻こそわが命(1958)
★青空娘 (1957)
★夕凪 (1957)
★誘惑からの脱出 (1957)
★永すぎた春 (1957)
★朱雀門 (1957)
★慕情の河 (1957)
続銀河の都 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
銀河の都 (1957)
君を愛す (1956)
★四十八歳の抵抗 (1956)
★日本橋 (1956)
★涙 (1956)
スタジオは大騒ぎ (1956)
あさ潮ゆう潮 (1956)
★滝の白糸 (1956)
★処刑の部屋 (1956)
★新婚日記 恥ずかしい夢(1956)
★新婚日記 嬉しい朝(1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新妻の寝ごと (1956)
★花嫁のため息 (1956)
薔薇の絋道館 (1956)
★弾痕街 (1955)
七人の兄いもうと (1955)
★珠はくだけず (1955)
★長崎の夜 (1955)
★幻の馬 (1955)
娘の縁談 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
★月に飛ぶ雁 (1955)
幸福を配達する娘 (1955)
★螢の光 (1955)
勝敗(1954)
荒城の月 (1954)
★月よりの使者 (1954)
緑の仲間 (1954)
★浅草の夜 (1954)
慕情 (1954)
★舞妓物語 (1954)
★酔いどれ二刀流 (1954)
★或る女 (1954)
★心の日月 (1954)
十代の誘惑 (1953)
無法者 (1953)
続続十代の性典 (1953)
春雪の門 (1953)
★祇園囃子 (1953)
続十代の性典 (1953)
★チャタレー夫人は日本にもいた (1953)
怒れ三平 (1953)
★十代の性典 (1953)
彼女の特ダネ (1952)
街の小天狗 (1952)
秘密 (1952)
明日は日曜日 (1952)
花嫁花婿チャンバラ節(1952)
★母子鶴 (1952)
猛獣使いの少女 (1952)
★死の街を脱れて (1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)