SSブログ

「誰よりも狙われた男」 [映画]

dareyorimonerawaretaotoko.jpg
〔2013年/アメリカ〕


ドイツ・ハンブルグ。
諜報機関でテロ対策チームのリーダーをする
バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、
チェチェン人の青年・イッサ・カルポフの
密入国を確認する。


イッサは、イスラム過激派として、
国際指名手配されている人物。
バッハマンは、
すぐに彼を捕まえる事をせず、
泳がせて、
さらなる大物を狙おうと決める。


イッサは、
人権派の女性弁護士・アナベル(レイチェル・マクアダムス)を
通して、
銀行家・ブルー(ウィレム・デフォー)と接触。
その理由は、
イッサの父が残した、
莫大な遺産を手に入れる事。


バッハマンはアナベルを、
拉致に近い方法で拘束し、
イッサの行動を報告するよう、
働きかける・・・。





フィリップ・シーモア・ホフマン主演の、
スパイもの。


チェチェン人の青年・イッサがドイツに入国し、
すぐに彼を捕まえるか、
泳がせて、
さらなる大物を狙うか、
CIAとも対立しながら、
迷うホフマンの葛藤が見どころ。


テロリストと言われるイッサも、
単なる悪人とは描かれていない。
彼は、複雑な幼少期を過ごした、
悩める青年で、
「本当にテロリストなの?」と、
鈍い私には最後まで分からないくらい、
物静かな人間にしか見えない。


彼を匿う、
レイチェル・マクアダムスも、
思いは同じようで、
イッサをどう扱っていいのか、
迷いがあるように感じられた。


それは、マクアダムスが、
ホフマンのチームに、
拉致されるように車に押し込められた時、
「それほど抵抗しなかったな」
「もう、この案件は、手に余っているのではないか」と
投げかけられたセリフからも、分かる。


ラストのショックったら、ない。
あれはないよ。


フィリップ・シーモア・ホフマンは、
2014年に、薬物のオーバードーズで亡くなり、
これが遺作となった。


彼ほどの年齢になり、
俳優としての地位も確立しているというのに、
それでも薬物が止められないって、
どういう事なんだろう。


彼と、ウィレム・デフォーが
同じ画面におさまった場面は、
良かったなぁ。


2人とも、
華やかなトップスターでなく、
イケメン俳優というのでもないけれど、
渋く、
主役・脇役の両方を演じられる、
中堅どころの、
素晴らしい俳優さんだ。


ホフマンは亡くなってしまったけれど、
ウィレム・デフォーは、
この先も、ずっと頑張っていってほしい。


評価 ★★★★☆

nice!(141)  コメント(4) 
共通テーマ:映画