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「新宿アウトロー ぶっ飛ばせ」 [映画]

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〔1970年/日本〕


今日は西神勇次(渡哲也)の仮出所の日。
ムショの外で、
松方直(原田芳雄)という見知らぬ男が迎えに来ていたが、
勇次は気付かず、タクシーに乗る。


直は、マリファナの密売をしていたが、
最近失敗し、
大量のブツと、相棒の修平を奪われてしまったのだ。
両方を取り戻すには、
どうしても勇次の力が必要だ。


直は、勇次を、
あるスナックに連れてゆく。
そこを経営する女は、
勇次のかつての恋人・笑子(梶芽衣子)だった。
さらに修平は、笑子の弟なのだ。


勇次と直が調査した結果、
サソリ(成田三樹夫)と呼ばれる
殺し屋の存在が浮かび上がってきて・・・。





沖雅也ブーム、
終わりませんな。


この映画での沖さんは、
暴走族のリーダー役。
最初は、なんだかいけ好かない奴、と思ったけれど、
お話が進むにつれ、
いい働きをしてくれるようになる。
まだ、とっても若くて、カッコいい。


映画は、といえば、
アウトローな人々が、
マリファナを巡って争う、
ハードボイルド?なお話なのだけれど、


渡哲也、梶芽衣子、原田芳雄が、
微妙なバランスで成り立つ、
三角関係という事に気付き、
ハッとする。
どうも女は、
そういった事が気になっていけない。


梶芽衣子さんといえば、
さそりや野良猫をイメージするかたも多いと思うのだけれど、
私は、
昭和のホームドラマ、「寺内貫太郎一家」における、
長女・静江さんの役が、
好きで好きで大好きで、
DVDを何度繰り返し観てるいるか分からない。


父親・寺内貫太郎が営む石材店での事故で、
足を引きずるようになってしまった静江は、
物静かで、
他人とは一歩引いた立ち位置で暮らしている。


貫太郎は、そんな娘に
なんとか幸せになってもらいたいと願っているが、
彼女が連れてきた恋人というのが、
バツイチの子持ち・上条(藤竜也)。
貫太郎は当然、二人の交際には猛反対で、
家の中は、暗い雰囲気に・・・。


この静江を演じる梶さんの素晴らしさは、
言葉では表せない。
上条に恋する娘という役が
めちゃくちゃハマっていて、
それまで、女囚や不良のリーダーを演じてきた女とは
とても信じられない初々しさ。


静江の弟を演じる周平(西城秀樹)との仲の良さも素晴らしく、
姉と弟っていいな、と本気で思う。


だから、この映画で、
梶さんの弟の名前が「しゅうへい」と聞いて、
一人で反応してしまった(笑)。


なんだか映画より、
「寺内貫太郎」の説明のようになっちゃったけど(笑)。


評価 ★★★☆☆

「にがくてあまい」 [映画]

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〔2016年/日本〕


広告代理店で働くマキ(川口春奈)は、
可愛いのに、ズボラで男運なし。
そして、大の野菜嫌い。


ある日、バーで酔いつぶれた彼女は、
目覚めると、
自分の部屋でイケメンが料理している事に驚く。


彼・片山渚(林遣都)こそ、理想の恋人、
このまま同棲の流れにもっていかなくては、と、
焦るマキだったが、
渚がゲイである事が分かり、ガッカリ。


それでも、なぜか同居することになった2人。
料理上手な渚の作った弁当を毎日持たされるマキ。
野菜がこんなに美味しかったとは!


2人は共に、
家族との間に確執を抱えていた。
それを解決するために行動を開始し・・・。





試写会で観た。


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※映画ナタリーさんより


上映前に、出演者の皆様の舞台挨拶。
川口春奈さんは、やっぱり可愛い♪
お母さん役の石野真子さんも、
テレビで見るそのままの、キュートな方だった。
男性陣のお話が面白く、
また、心理テストなどをしたせいか、
いつもより長い、40分近い挨拶だった。


で、映画。


最初の方は小ネタで笑ってしまう。
主人公のマキは、
会社で見栄を張って、
恋人がいる風を装っている。


そこで出会った、
理想のイケメン・渚に、マキの妄想は膨らむばかりで、
同僚たちの羨ましそうな様子を想像しては、
「きゃ☆」などと考えている彼女が可笑しくて。
私もいい年して結構妄想好きなので、
ちょっと分かる、なんて思ったり(笑)。


しっかし、夢はあっけなく打ち砕かれる。
渚はゲイなんだもの。
なんという究極の片思い。
どんな片思いだって、
もしかして、もしかして、もしかしたら、
恋が成就する可能性は0%ではないけれど、
この理由だと、
同じ土俵にさえ上がれない。


これがおフランスなら、
「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」のような展開になるんだろうけど、
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2010-10-06
ここは日本、
原作はコミック。
あんな色っぽい流れになるはずもなく。


肝心の、
お料理や、野菜嫌いの克服の場面は、
まぁ、普通。
マキが、渚の作った料理を食べて、
「野菜がこんなに美味しいとは!」と言う場面が多すぎ。
1本の映画で、2度似たような場面があるのって、
わたし的には、駄目だと思っているのだけれど、
この映画は、それを繰り返しすぎで。


それから、マキは
親との確執があるという設定だけど、


あんなに簡単に親と和解できるなら、
それは確執とは言わないでしょ。
マキの父親が渚に、
「マキをもらってやってくれないか」という場面も、
めんどくせー。
うるさいなぁ。
親でも他人でも
人の結婚に口出すなんて、
いつの時代の人間だよ、って。


そんなこんなを深く考えず、
気楽に楽しめばいい映画。


評価 ★★★☆☆

「ダンプ渡り鳥」 [映画]

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〔1981年/日本〕


ダンプの運転手・菊地隆介(黒沢年雄)は、
ある日、歩道橋の上から、
一万円札をバラ撒いている女子大生・頼子(原田美枝子)と出会う。
頼子は、別れた男からの手切れ金を捨てていたのだ。


ダンプ仲間のウエスタン(ジョー山中)は、
2年前に事故で人を轢いてしまい、
北海道に妻・雪子を残し、蒸発している身の上。
そんなウエスタンを、
謎の男・町田(梅宮辰夫)が追ってくる。


ウエスタンが事故で死ぬ。
隆介と、仲間の風見は遺骨を届けに北海道の雪子のもとへ。
雪子は小さな小料理屋を営んでいる。


そこへ町田がやって来る。
町田は雪子の前の夫で、
誤って子供を死なせてしまった彼を、
雪子は激しく憎んでいるのだ・・・。





「トラック野郎」が全10作を終えた、
1年4か月後に公開されたらしい、
「トラック野郎」みたいだけど、
「トラック野郎」とは少し趣の違った映画。


確かに冒頭は、「トラック野郎」っぽい。
警察官に扮した、ビートたけしときよしの2人が、
トラック運転手のなべおさみをいじめている。


当時のビートたけしらしく、
セリフは、「このヤロー、馬鹿ヤロー」がほぼ全部で、
たけし大好きの私には、
ちょっと嬉しくなる出だしだし、
なべおさみが、「トラック野郎」における、
愛川欽也的な役割を果たすのかな、と思ったりもする。
(違ってたけど)


けれど、やっぱり黒沢年雄は黒沢年雄であって、
菅原文太とは違う、という事が分かる。


とにかく、全体の雰囲気がシリアス。
黒沢さんは真面目で、
菅原さんのように
ソープランドで複数のソープ嬢をはべらせるようなことはしないし、
過剰なおふざけもない。


「トラック野郎」でお約束だった失恋があるのは
こちらも同じだけど、
菅原さんの恋愛がいつも「勘違い」だったのに対して、
こちらは、成就するかも、といった雰囲気。


女の私からすると、
おふざけが過剰すぎて付いていけない感のあった菅原さんより、
真面目な黒沢さんの方がいいかな、と思ったけれど、
世間的にはウケなかったらしく、
これ1作で終わったようだ。


上映時間が2時間を超えているというのも、
敗因かなぁ。
せっかち(かどうかは知らぬが(笑))な、
ダンプの運転手さんが観るには長すぎる。
もう少し短く、
テンポよくした方が良かったのかも。


評価 ★★★☆☆