「キンキンのルンペン大将」 [映画]
〔1976年/日本〕
どんな仕事に就いても、
失敗ばかりを繰り返し、
女房に怒鳴られるだけの二宮清十郎(愛川欽也)は、
ついに故郷・山形を飛び出した。
希望に胸をふくらませて東京に着いた清十郎だが、
早速、上野でルンペンの鉄五郎(田中邦衛)に
身ぐるみ剥がされ、
現金は当然の事として、
ベルトや靴まで持っていかれてしまう。
そんな清十郎に、
ルンペンの親分・大五郎(伴淳三郎)は、
自分の仲間になるように勧め、
残飯のあさり方などを伝授してくれる。
そんなある日、
清十郎は、
仕事を失って途方に暮れている少女・秋子(坂口良子)と
知り合う。
秋子のために、住み込みの靴問屋での職を得た彼は、
社長に内緒で、秋子を住まわせてやる。
ところが、そこでボヤを出してしまい、
追い出された2人は・・・。
私はストーリーのハッキリしない映画は
あまり得意ではなくて、
この映画も、出だしのドタバタした感じから、
最後までこれが続くんだろうなぁと、思って観ていた。
でも、途中から段々、
お話が面白くなっていって、
引き込まれる。
それは坂口良子の存在が大きい。
田舎から集団就職で出てきたという彼女は、
純朴で、言葉も訛ったままで、
人を疑う事も知らないような、
天使のような女の子。
彼女は、優しい清十郎を心から信頼して、
同じ部屋で寝起きするようになる。
もし現実なら、
危なくてハラハラするところだけど、
当然、何事もない。
坂口良子が、部屋を仕切るのに、
吊るした毛布を利用する方法は、
クラーク・ゲーブルの「或る夜の出来事」の名場面と同じで、
彼女も、それを「ジェリコの壁」と、
映画と同じ事を言っていた。
とても可愛い場面。
で、そんなこんなで色々あるけど、
ラストが秀逸。
2人は、誰もいない遊園地で、
ナポレオンとお姫様のいでたちで
ダンスを。
メリーゴーランド、噴水、観覧車・・・
夜の無人の遊園地で、
なぜそれらが動いているんだ、とか、
そういった突っ込みは無しで(笑)。
とても素敵な場面だった。
ところで、
こんな所で、こんな事を、とは思うけど、
やっぱり書いちゃう(笑)。
この映画に坂口良子さんが出ている事を
私は全く知らなくて、
登場した時は、驚いた.
なんてタイムリーな!と。
というのも、
良子さんの娘の杏里さんの
セクシービデオがもうすぐ発売されると、
各メディアで、大変な話題になっているのは
多くのかたが知っている事であろう。
芸能ニュースで言われている事が
全て本当だとしたら、
どうしちゃったのかなぁと思う。
まぁ、全ては彼女が選んだ道なので、
他人がどうこう言えないけれど。
ただ、私は、
エロ写真も、エロ動画も、
嫌い、というわけではないので
ちょっと興味があるのも事実(笑)。
評価 ★★★☆☆