「赤ちゃんの逆襲」 [映画]
〔2003年/フランス〕
建築業界の大手の社長・ティエリー・レルミットは、
妻が妊娠して大喜び。
診断の結果、お腹の子が、
望んでいた男の子と分かり、
ますます有頂天。
一方、建築家を目指しながらも、
現実には冴えない絵描きをしているミシェル・ミューラー。
ある日、彼は、自分のデザインした建築物が、
レルミットの会社で、勝手に使われたと知り、
猛然と抗議に行く。
当然、相手にされず、
会社から飛び出した所、
なんと、レルミットの運転する車に轢かれ、
死んでしまう。
その時、彼の妻の陣痛が始まった。
なんというチャンス。
ミューラーは、レルミットの息子として生まれ変わり、
この世に誕生する。
レルミットは懸命に息子の世話をするが、
なぜか、息子は彼に懐かず、
嫌がらせ(?)と思われる事ばかり繰り返す。
息子から嫌われていると感じたレルミットは悩み・・・。
赤ちゃんが主人公だからと、
家族や、付き合って日の浅い恋人同士で観てはいけない(笑)。
この映画、R-15。
相手によっては気まずくなるシーンが沢山ある。
「ベイビー・トーク」みたいな感じだけれど、
もっとずっとブラック。
「ベイビー~」は、
普通に赤ちゃんが思っている事を描いているだけだったけど、
こちらは最初から、悪意でいっぱい(笑)。
なにせ、父親の仇が息子として生まれ変わっちゃうんだから。
「そうか、世の中にはあんまり笑わない赤ちゃんとか、
親と相性の悪い子供がいたりするけれど、
そういう事情だったわけね」とミョーに納得・・・
というのはウソで、
こんな赤ちゃんがいたら怖いよ(笑)。
とにかく、この子は、
ティエリー・レルミットが困る事なら何でもする。
それだけならまだいいけど、
彼が一番悲しむのは、
自分が死ぬ事だと、
何度も何度も、自殺を試みる。
そこはちょっとどうかと思うけれど。
親が子を亡くすのは、人として最大の悲しみ。
それを逆手に取って、
自分が死ぬことで復讐って、
ブラックにしても、ちょっとひどい。
けれど、まぁ、そこはコメディ。
赤ちゃんが死ぬことは絶対にないし、
その悪戯の数々は、笑える範囲。
それより、大人はもっと、
赤ちゃんを見てないと駄目だよーと
言いたくなるシーン多数。
本当はもっと登場人物がいっぱいで、
色々な出来事がある。
私の文章力では表現しきれないので、
端折っちゃったけど(笑)。
評価 ★★★☆☆