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「おとうと」 [映画]

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〔2009年/日本〕


若くして夫を亡くした吟子(吉永小百合)は、
女手一つで薬局を経営しながら、
娘・小春(蒼井優)を育ててきた。


今日は、小春の結婚式。
披露宴は滞りなく進行していたが、
だらしなく紋付き袴を着た男が、
飛び入りで出席。
吟子の弟・鉄郎(笑福亭鶴)だ。


放蕩者の鉄郎は、悪い人間ではなかったが、
酒を飲むと人が変わってしまう。
その日も、吟子と、兄の庄平(小林稔侍)から、
固く禁酒を言いつけられるが、
結局飲んでしまい、結婚式は大波乱。


それから、数か月後、
吟子の所に、鉄郎の恋人だという女が現れ、
鉄郎に貸した金を返してほしいと言ってきた。


今回ばかりは堪忍袋の緒が切れた吟子は、
鉄郎に絶縁を宣言。
鉄郎はその後、行方不明となるが、
数年後、警察から連絡が入り・・・。





テレビドラマをリアルタイムで見た事は、
今まで数えるほどしかない私だけれど、
再放送や、レンタルしたソフトを観てみて、
その中から、
自分的に面白いと思った選りすぐりの作品15作くらいのDVDを
ローテーションで何度も何度も繰り返し観ている。


で、ちょうど今、観ているのが、
「寺内貫太郎一家」なのだけれど、
主人公・寺内貫太郎の妻役の加藤治子さんが亡くなったと知って、
驚いた。


頑固ですぐ手が出る主人、寺内貫太郎を
上手くコントロールし、
家族を纏める妻を演じる加藤治子さんの
品格と美しさが大好きだというのに。


加藤さんの出演されている映画の中から、
何か1本と思い、
この「おとうと」を観てみた。


加藤さんの役は、
吉永小百合の、亡くなった夫のお母さんで、
つまり、吉永さんとは嫁と姑という間柄。


息子が亡くなった時点で、
嫁と同居する理由はなくなると思うのだけれど、
それでも吉永さんと一緒に暮らしている。


性格は、どちらかというと我儘で、
殆どの観客は、
吉永さんに肩入れしながら観るだろう。
扶養義務の無い、口の悪い姑を、
健気に養う、優しい嫁、と。


あたかもそれは、
「寺内貫太郎一家」で、
樹木希林さんが演じた、おきん婆ちゃんの役が、
加藤さんにシフトしたみたいだ。


優しいお嫁さん役だった加藤さんが、
僻みっぽい姑の役というのが、
ちょっと悲しかったけれど、
時の流れとは、そういうものなのだと、
考えずにはいられない。


映画そのものは、
まぁ、普通。
加藤さんを見るのが目的だったから、
今回はそれでよしっと(笑)。


評価 ★★★☆☆

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