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「カミーユ、恋はふたたび」 [映画]

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〔2012年/フランス〕


パリで暮らす主婦・カミーユ(ノエミ・ルボフスキー)は、
25年連れ添った夫・エリック(サミール・ゲスミ)から、
離婚を切り出される。
どうやらエリックには、若い愛人がいるようだ。


上手くいかない人生。
カミーユは、パーティで酒を飲み、
酔って転倒してしまう。


ふと目が覚めると、
そこは病院のベッドの上。
看護師から、
「子供が酒を飲んでは駄目だ」と叱られ、
キョトンとするカミーユ。
少しすると両親が駆けつけてきた。


どうやらカミーユは、16歳の頃の自分に
タイムスリップしてしまったらしい。
戸惑いながらも、二度目の高校生活を謳歌する彼女。
しかし、運命の時は近づいていた。
それは、将来の夫となるエリックとの出会い・・・。





この映画の何が可笑しいって、
中年女のカミーユが、
中年女の姿のまま、
高校生を演じてしまう事(笑)。


しかも、周囲の人たちの目には、
彼女は高校生に見えるらしく、
普通に接してくる。
まぁ、日本でいえば、
40歳のおばさんがセーラー服着ているようなものよ(笑)。


なので、カミーユが、
両親と一緒にいても、
観客には、中年の者たちが会話しているようにしか見えない。
それでも、両親は彼女を、
愛する娘として接してくれている所が、
なんだか切ない。


同じような話では、
キャスリーン・ターナーの、
「ペギー・スーの結婚」があるけれど、
ターナーがそれなりに若作りして、
「ね、高校生に見えるでしょ!無理ないでしょ!」と
強引に観客に訴えている気がするのとは、
ちょっとニュアンスが違う。


悲しいエピソードもある、
カミーユは、ある人物が、
1ヶ月ちょっとで死ぬことを知っていて、
そうなる前に、精密検査を受ける事を勧める。


しかし人間の生き死には、
やっぱり運命なのでしょうね。
誰かの力で、
その運命を変える事はできないのだと、
この映画を観ていると、そう思う。


もしも神様が、
私に、高校時代に戻してあげると言ったとしても、
私は断るな。
過去に戻って、失敗を修正したいという気持ちもあるけど、
同じ時間をもう一度生きるなんて、面倒臭い。


それに、下手に失敗を修正して、
今、私の周囲にいる大切な人たちと
会えなくなってしまったりしたら大変だ。
それは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、
両親が恋をしなかったら、自分が生まれないという
エピソードと同じ感覚。
何か一つを変えれば、全ての未来が変わってしまうもの。


評価 ★★★☆☆