「涙でいいの」 [映画]
〔1969年/日本〕
高原の牧場で育った美人姉妹、
千秋(稲垣美穂子)と千春(松原智恵子)。
千秋は父の牧場を継いでいるが、
千春は東京の大学に進学し、下宿している。
千春が里帰りしてくるが、
どうしても千秋としっくりいかない。
幼い頃からいつも姉と比べられて育った千春は、
姉には負けたくないという気持ちが強かった。
姉は数年前、婚約者を山の遭難で亡くすという不幸があって以来、
独身を通している。
そんな姉の所に、
東京から、カメラマンの曽根(御木本伸介)が訪ねてくる。
姉へのライバル心と、曽根への興味から、
東京で曽根に近づく千春。
しかし、姉と曽根との間にある秘密を知ってしまい・・・。
松原智恵子さん演じる千春の
性格の悪さに、
よくこんな役を引き受けたなぁと、
逆に感心(笑)。
自分の故郷である田舎を小馬鹿にし、
姉には異様なライバル心を燃やし、
幼馴染の浜田光夫には酷い言葉を投げかける。
観ているこちらが困っちゃうくらい、困った女の子(笑)。
しかも彼女の、
カメラマンの曽根に対する行動は、
どう見てもストーカー。
曽根がどんなに嫌がっても、
彼の家に上がり込んで、
勝手に衣服を持ち帰って洗濯したり、
家の前で待っていたり、
私だったら、通報するわ(笑)。
当時は、ストーカーという概念がなかっただろうから、
何事もなく済んだのだろうけど。
登場人物たちが突然歌い出すのも笑える。
大勢の人々が踊り出す場面もある。
その様子は「ウエストサイド物語」ソックリで(笑)。
「ウエストサイド」は、世界的に大ヒットしたとは聞いているけれど、
こんな日本の小作品にまで影響を与えていたのね。
浜田光夫が相手役なら、
千春を吉永小百合さんが演じていたら
どうなっていただろう。
もう少し、おきゃんな雰囲気が出ていた気もするけど、
まぁ、それは誰にも分からないって事で。
評価 ★★★☆☆