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「藤十郎の恋」 [映画]

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〔1938年/日本〕


元禄十一年。
京の町に、江戸から狂言師・中村七三郎とその一座がやって来る。


何かと派手好みの京都の人々に、
江戸の芝居は最初は合わず、
客も不入りであった。
しかし、七三郎の演技に脅威を感じている者があった。


それは、京都で絶大な人気を誇る俳優・坂田藤十郎(長谷川一夫)。
藤十郎の不安は的中し、
七三郎の評判は日に日に上がり、
客は皆、そちらへ流れてしまう。


焦った藤十郎は、近松門左衛門(滝沢修)に会い、
新しい脚本を書いてほしいと頼む。
仕上がってきた作品は素晴らしい出来であったが、
その分、演じるのが難しく、
藤十郎はもだえ苦しむ。


そんな中、彼は、
馴染みの料亭の女将・お梶(入江たか子)の酌で酒を飲んでいるうちに、
ふとある事を思い付き、実行してしまう。
それが後で、最悪の結果を招くとは、
その時は想像もせずに・・・。





昨年の11月に、
同じ長谷川一夫さん主演の
1955年版「藤十郎の恋」を観た時の感動は忘れない。


とにかくもう、
長谷川さんの凄さや、
お梶を演じる京マチ子さんの演技、
そして、ストーリーの面白さに、
夢中になったものだ。


あちらがリメイクなら、
こちらはオリジナル。
長谷川さんは、二度も同じ物語を演じられたという事は、
やはりこの藤十郎の役に魅せられたのであろうか。
そして、オリジナルで表現しきれなかった、心残りを、
リメイクでリベンジされたのだろうか。


というのも、
私には、このオリジナルは、
リメイクほどの凄味は感じられなかった。
映像が古いというのもあるし、
お梶を演じた、
京マチ子さんと、入江たか子さんの、
雰囲気の違いなのかもしれない。


それとも、もしかしたら、
私自身の問題か。


今年になって、
私の周囲で、
あまりにも色々な事があり過ぎて、
今、頭の中が飽和状態(笑)。


嬉しい事で忙しいので、
困っているわけではないのだけれど、
人って、あまりにも考える事があると、
どんなに好きな事でも
頭がお留守になってしまうのね(笑)。


映画を観ていても、
考えなくてはならない事が
どうしても思い出されて、
脳内がグルグルしてしまう。


早くこの嵐が過ぎ去らないかな。
少し生活が落ち着けば、
また映画に集中できると思うのだけれど。


評価 ★★★☆☆