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「ジヌよさらば かむろば村へ」 [映画]

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〔2015年/日本〕


東北の過疎化した村にやって来た松田龍平。
彼のようなイマドキの若者がなぜここへ?と
村長・阿部サダヲや、村民たちは訝しむが、
なんと松田は、現金に触れない、見るのも嫌だという、
現金アレルギーに罹っているのだと言う。


「金を1円も使わずに生活する。電気もガスも水道もケータイもいらない」
と言う松田に、
阿部は「東北の寒さをナメるなよ」と言い、
その言葉通り、
凍えそうになる松田。


しかし、他人の世話を焼かずにいられない阿部と、
彼の妻・松たか子は、
自分たちの経営する商店で松田を働かせ、
報酬を金でなく、現物支給で支払う事にする。


そんな生活も落ち着きを見せた頃、
村に不審な男・松尾スズキがうろつき始める。
どうやら、阿部には何か秘密があるらしい・・・。





ある会社の社員さんに聞いた話だけれど、
その会社の支店がある、○○島に転勤になると、
島に娯楽が全く無い事から、
金が驚くほど貯まる、という事だ。


てっきり私は、この映画もそういった話なのかと思っていた。
「金を使いたくない主人公」という予備知識から、
倹約して、金を貯めたいのかなぁ、と。


でも、全然違ってた。
松田龍平は、とにかく金そのものに触れない。
触れないというより、怖い。
それは現金だけに限らず、
銀行預金も要らないという重篤な症状。
通帳と印鑑が捨ててあるのを見つけた、
村のおばさん・片桐はいりが、
卒倒してしまうのが可笑しい。


しっかし、金に触れない主人公を見れば見るほど、
生きていくには、やっぱり必要最低限の金が必要なんだなぁと感じる皮肉。
冬を暖房も無しに乗り切ろうという松田を見ていると、
それだけで、私には絶対無理、と思ってしまう。


金に触れない松田を、
他に仕事がないとはいえ、
商店で働かせるってどうなのよ(笑)。
レジはしないとしても、
仕入れがあれば、支払いもあるだろう。
やっぱりどんなシチュエーションにおいても、
人間が生活していく以上、金の受け渡しは発生する。


松田君、
金に触れないと言うくらいだから、
ヘナヘナの草食系男子なのかと思いきや、
性欲は有り余っているようだ(笑)。
突然、二階堂ふみとの激しいキスシーンが始まったり、
彼女の太腿に欲情し、押し倒すシーンにビックリ。


お話が進むにつれ、
「金に触れない」という重要事項が、
物語に関係なくなってくるのが残念。


評価 ★★★☆☆

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