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「大洗にも星はふるなり」 [映画]

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〔2009年/日本〕


クリスマスイブの夜。
茨城県の大洗海岸にある、
すっかり荒れ果てた海の家。


そんな所に、なぜか5人の男が次々やって来る。
山田孝之、
山本裕典、
ムロツヨシ、
小柳友の4人は、
今年の夏、この海の家でバイトしていたメンバー。
そしてもう1人は、この家の経営者・佐藤二朗。


5人は、同じくバイト仲間の戸田恵梨香から、
「クリスマスイブの夜、海で家で会いたい」と書かれた
手紙を受け取り、喜んでやって来たのだ。
しかし、全員が同じ手紙をもらっていると知り、愕然とする。


彼らは、自分がいかに戸田が好きかをアピールし始める。
するとそこへ、
この家の取り壊し命令書を持った弁護士・安田顕がやって来る。
5人の埒のあかない議論に呆れた安田は、
1人づつ順番に、
戸田が自分自身を好きでいてくれたと感じたエピソードを
話させる。
そして弁護士らしい冷静な判断で、
それがいかに思い込みであるかを、立証してゆく。


議論も終わりに近づいた頃、
バイト仲間の最後の1人、白石隼也がやって来る。
彼も当然、戸田からの同じ手紙を持っている。


果たして戸田の本命は誰なのか・・・。





この映画のタイトル、
「大洗にも~」の「にも」には、どういう意味があるんだろうと思いながら
見始めたのだけれど、
これはつまり、
夏の海といえば、湘南ばかりが思い出されるけれど、
大洗だってあるんだぜ、という、そんな意味だと分かった。


なんたって、この海の家の名前が、「江の島」。
湘南を意識しすぎ(笑)。
別に海の家を名前で選ぶ人もいないと思うんだけど。


設定は、この映画の2年前に作られた、
「キサラギ」とほぼ一緒。
「キサラギ」の方が、圧倒的に面白いけれど、
これもつまらないわけじゃない。


とにかく、早く結末を知りたくてたまらなくなる。
戸田恵梨香は本当に、手紙を全員に送ったのか、
だとしたら、本命は誰なのか。


登場人物は全体で10人ほどの密室劇。
戸田も回想シーンにしか出てこない。
こんな内容で、1時間40分も持つのかと思ってしまうけれど、
作品にもよるけど、
意外とあっと言う間に観てしまう。
観客を飽きさせないようにと、
作り手側も、色々工夫されているのでしょうね。
やはり、というか、
舞台劇の映画化だそうだ。


以前、茨城出身の友人との会話から、
初めて「大洗海岸」という地名を聞いた時、
ずいぶん楽しそうな海岸だねぇ、と言って笑った記憶がある。
だって、耳で「大洗」と聞いても、
「大笑い」としか聞こえない。
もしその友人がいなかったら、
私はきっと今でも「大洗」を「だいせん」と読んでいたと思う。
私の中で、「大洗」はずっと、
人々が大笑いしながら、海岸を歩いているというイメージだ。


評価 ★★★☆☆

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